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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

大分県

特産ミカンなどかんきつ類を使った加工品の開発と販路拡大

農業商業工業
中小企業者 株式会社つく実や、工房つくみべっぴん’S株式会社
農林漁業者 中野農園

かんきつ類を使って加工品開発を目指す

大分県津久見市はミカン産地

大分県津久見市はミカン産地

つく実やは、かんきつ類のサンクイーンや甘夏などを使った加工品を生産販売する。昭和三十年代まで国内有数のミカン産地として知られた同市だが、ピーク時に約3000人いた生産農家も現在は10分の1にまで減少。高齢化や後継者不足が深刻化している。児玉社長は「商品を全国ブランドに育て、再び活気あふれる街を取り戻したい」と意欲を燃やしている。

同市には樹齢約850年の国内最高齢といわれる「小ミカンの先祖木」がある。衰退していくミカン産地の灯火を消すまいと地元商工会議所の若手メンバーが出資者となり、2008年9月に設立したのがつく実やだ。

生産地間競争が激化する中、「安値で取引されるミカンを加工し、付加価値の高い商品として全国に売り込む」(児玉社長)のが狙い。同市内にある果皮加工技術を持つ工房つくみべっぴん’Sや中野農園をパートナーに連携体を組織した。

ヒット商品に成長

商品化したのはマーマレードとカボスドレッシング。マーマレードはサンクイーン、甘夏、カボスを使った3種類を開発した。果実の苦味やえぐ味を多く含む、表皮の白い部分を手作業で丁寧に削り、果汁はタネと果肉を選別後2度濾過するなど果実の風味や色合いを出す工夫をした。

一方のカボスドレッシングはノンオイルで、カボスの風味をそのまま味わえるプレーンタイプ、しょうゆ仕立てに大分県産唐辛子を加えたピリ辛味、米みそを加えたみそ味の3種類をそろえた。

カボスの爽やかな酸味を引き出すため果汁を手作業で絞り、果汁や細かく刻み込んだ果皮、しょうゆ、穀物酢などを加えて開発した。カボスの風味を損なわないよう加熱処理はしていない。いずれの商品も余分な添加物を使用せず、果実全てをぜいたくに使えるのは産地の“特権”だ。

直営店(津久見市)でドレッシングなどを販売する

直営店(津久見市)でドレッシングなどを販売する

原料は大分県農業協同組合県南柑橘選果場や中野農園から確保し、自社工場で生産する。地元百貨店などで贈答品、土産品として販売するほか、インターネットで全国販売も行っている。

マーマレードの容量は150グラム、ドレッシングは同200ミリリットルで価格は一律1000円。競合品と比べると割高だが、手間を惜しまない商品作りが消費者から認められ「リピーターも増えている」(同)と胸を張る。

マーマレードとドレッシングはいずれもハーフサイズも商品化した。価格は一律400円と抑え、結婚式のプチギフトとして人気を集めている。「11年8月期のドレッシング売上高は、10年8月期2倍の約1600万円になった」と児玉社長は喜ぶ。

観光みやげも発売

特に人気のあるみそ味ドレッシングは原料調達も一部見直した。これまで自社工場でカボスの生果皮を乾燥、原料に使っていたが、大分千歳村農産加工(大分県竹田市)の乾燥果皮を使ったところ「カボスの風味が従来品より増した」(児玉社長)という。原料調達を見直したことで今後、新たな連携にも期待する。

10年10月には観光客向けに土産品が出来ないかとの要請を受け、小ミカンを使ったまんじゅう「柑の香(かんのか)」を発売、こちらもヒット商品に育ちつつある。

児玉社長は「売上高は11年8月期に1億円を達成。今後2億円、3億円と伸ばしていきたい」と意気込む。相次ぐ人気商品を武器に、今後も同市から全国へ販路開拓を進める。また、農家の所得向上、雇用の下支えとなる企業を目指して、地場産業の振興にも貢献する考えだ。

コメント

長く愛されるような新商品を

つく実や・児玉佳子社長

つく実や・児玉佳子社長

大分県津久見市から九州、そして全国へ。大分を代表する商品を育て、全国ブランドを目指す。当市は古くからミカンやセメント産業が有名だが、フォークソングの名曲「なごり雪」の舞台としても知られている。当市出身のシンガー・ソングライター伊勢正三氏が、故郷の津久見駅の情景を思い浮かべて作詞・作曲したという。当社もなごり雪同様、全国で長く愛されるような新商品を開発、販路拡大することで地域の魅力を全国に発信していきたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:株式会社つく実や
住所:大分県津久見市新町1-3
電話:0972-83-5532
URL:http://www.rakuten.ne.jp/gold/tsukumiya/