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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

大分県

高級梅ジュースの誕生へ 地域連携体の結い芽吹く

農業工業
中小企業者 株式会社おおやま夢工房
農林漁業者 百草工房、マル金ファーム、ながお梅園
大山町は長年、地域ぐるみで梅の生産に取り組んできた。特産の鶯宿梅は、しっかりした大きな実が特長で、梅酒や梅干しなど多くの加工品を送り出している。

大山町は長年、地域ぐるみで梅の生産に取り組んできた。特産の鶯宿梅は、しっかりした大きな実が特長で、梅酒や梅干しなど多くの加工品を送り出している。

大分県が1980年から行っている「一村一品運動」。1つの地域で1つの特産品を育てて地域を活性化しようと、当時の県知事が提唱して始まった。日田市大山町では、さらに20年ほどさかのぼり、斜面の多い山間地帯という環境を活かして、梅の生産を進めてきた。現在、九州有数の梅の産地として知られるようになり、梅干しや梅酒などの加工品は、国内外に市場を広げている。

一村一品運動で梅の産地に

平地が少なく8割が山林を占める日田市。田畑に向かないこの環境を活かし、大山町では古くから梅の栽培に力を注いできた。地域をあげて一品に特化し、大山町の梅は広く知られるようになった。

この大山町で梅の加工品の開発に力を入れているのが、おおやま夢工房。行政や地域の農業者などが出資して設立した第3セクターだ。農産加工品の製造販売のほか、産業観光施設の運営などを行っている。同社が運営する「ひびきの郷」では、梅加工品を中心とした物販のほかに、食事や入浴、宿泊などのサービスを提供。施設内には梅酒の製造工場も備えており、生産の様子を見学することができる。

ここで生産される梅酒は、ニッカウヰスキーと共同で開発した高級酒。手頃な価格で提供する先行メーカーに対して、高級路線の品質やパッケージで差別化した。大粒で果肉のしっかりした鶯宿梅(おうしゅくばい)を使用し、樽仕込みの芳醇な香りとまろやかな味が特徴だ。香水瓶のようなボトルや梅柄の風呂敷など、パッケージにもこだわった。価格は一般の梅酒よりも高めだが、高級志向の購買層を中心に人気があり、海外からの引き合いも多い。特に香港や台湾などの富裕層に人気がある。昨年は、フランス・ボルドーで行われたワイン・フェスティバルにも出品し、高い評価を得た。

顧客の声から生まれた梅ジュース

樽仕込みの高級梅酒は、国内外で高い評価を得ている

樽仕込みの高級梅酒は、国内外で高い評価を得ている

こうした梅酒の評判が広がると、「高級梅ジュース」を要望する声が多く聞かれるようになってきた。梅酒の開発と供給で確かな手応えを掴んでいる同社は、さっそく梅ジュースの製造に取り掛かった。

同社の三苫善八郎社長は大山町長を10 年勤めた地域の立役者。同施設の設立や新製品の開発など、多くの事業に取り組んできた。生産者や企業、自治体などネットワークも広い。

今回の梅ジュースの開発にあたり、同社と梅農家を中心に、5つの企業や団体が連携参加者として協力。町ぐるみの事業となった。

現在、新しい高級梅ジュースの誕生に向けて、それぞれの技術やノウハウを集結して研究開発を進めているところだ。例えば梅の実の種類や状態、収穫時期などによっても、品質に違いが生じることから、条件を変えながら試作品を作り試行錯誤を重ねている。こうした努力が顧客に支持される製品につながるのだろう。

新しいことに挑戦する気風

「ひびきの郷」内にある工場施設。梅酒の生産風景を見学することもできる

「ひびきの郷」内にある工場施設。梅酒の生産風景を見学することもできる

三苫社長は大山町について、「失敗を恐れず新しいことに挑戦する気風がある。みんなで知恵を出し合い、自分たちの手で育てていこうという活力が強みだ」と話す。

梅酒と並ぶ大山町の特産品、梅干しを有名にしたのも、町民のアイデアに起因する。ある女性の提案から「梅干全国コンクール」が始まり、国土庁(現国土交通省)のアイデアコンペで最優秀賞を受賞。大山町の梅干とコンクールを一躍有名にした。

このほかにもドレッシングやケーキ、せっけんなど多くの加工品を送り出している。梅の健康増進効果を利用したサプリメントも開発中だ。

「梅はまだまだいろいろな可能性をはらんでいる」(三苫社長)。新製品へのアイディアは尽きない。

コメント

良好な相互連携から生まれる相乗効果

おおやま夢工房・三苫善八郎社長

おおやま夢工房・三苫善八郎社長

新しいアイディアを出し合い、地域が一体となって取り組むという特色が、事業を成功に導いてきたと考える。また生産農家や加工業者らも好奇心旺盛で研究熱心。異業種交流や勉強会の機会も多く、よく勉強しているなと感心するところだ。また、自治体や民間企業、第3セクターなどが密に連携し合い、相乗効果を生みだしていると感じる。
 山間の小さな町村ではあるが、公共施設や道の駅なども活気があり、地域の人たちの前向きな姿勢が表れていると思う。

連携体代表者の連絡先

会社名:株式会社おおやま夢工房
住所:大分県日田市大山町西大山4587
電話:0973-52-3000
URL:http://www.hibikinosato.co.jp/info/company.html