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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

新潟県

「朱鷺認証米」で佐渡ならではのオーダー酒を製造

農業商業
中小企業者 株式会社北雪酒造
農林漁業者 菊池南洋司
社長と酒米生産農家の人々

社長と酒米生産農家の人々

国の特別天然記念物、トキの自然放鳥が2008年から始まっている新潟県佐渡市。「北雪」銘柄の日本酒の蔵元である北雪酒造(新潟県佐渡市、羽豆史郎社長、0259-87-3105)では、佐渡市の「朱鷺と暮らす郷づくり」認証米を使ったフルオーダーの日本酒づくりをスタートしている。

日本酒市場が低迷する中、北雪酒造では安全・安心など特徴のある日本酒づくりをしたいと以前から考えていた。そんな時に知ったのが佐渡市の認証米制度だった。同制度は、安全でおいしい佐渡産米を認証する制度で、農薬や化学肥料を減らしトキのエサとなる生き物を育む農法で栽培された米を対象としている。食の安全が叫ばれる昨今、認証米で酒づくりができれば大きな付加価値が生まれると同社では考えた。そこで、以前から付き合いのあった地元生産農家と組んで農商工連携事業に取り組むことにした。

酒をつくるには、安定した数量の認証米を確保することが不可欠になる。だが、減農薬で高品質な酒米づくりは農家にとって大変、手間暇がかかる。同社では今回の事業を進めるため、農家へと説得に回り理解を求めた。ただ説得に当たるだけではなく、堆肥の散布機やコンバインなどを同社が購入し、酒米生産農家を全面的にバックアップする体制もとった。また、農家が生産する認証米は全量を同社で購入することにした。認証米で作った日本酒が売れれば、それだけ酒米生産農家も潤う。

フルオーダーに応える

ガラスタンクで仕込みをする

ガラスタンクで仕込みをする

フルオーダーの酒づくりもこの事業の目的の一つ。フルオーダーとは、酒米の種類や、吟醸、本醸造などの種別、ラベルのデザイン、納品する時期などを顧客が指定できるようにすることだ。この仕組みも、「日本酒業界が厳しい中、消費者に喜ばれることをしなければいけない」(中川康夫取締役管理部部長)との思いから発案したものだ。他の酒米と混じらない用にするため認証米専用の精米機を導入。また、小ロットの醸造を可能にする小型のガラスタンクや、顧客が希望する時期に出荷できるようマイナス10度Cまで冷やせる冷蔵庫も整備した。このため、一括納品だけではなく、何度かに分けて顧客に納品するといったことも可能だ。「フルオーダーの酒づくりは大変だが、訴求効果も期待できる」(同)というように、フルオーダー酒がコマーシャル商品になり消費者に知られるようになれば、同社の他の酒の購入にもつながる可能性もある。

同社では、現在、最低単位として720ミリリットル詰めで、400本からの注文を受け付けている。第一弾として、今年8月から酒問屋向けに商品の提供を始めた。今後は、会社の創業記念品としてや、料理店などの店舗からの受注も狙っていく。また、オーガニック志向の強い海外市場でも需要が見込めることから、海外のレストランにも積極的にPRしている。農商工連携の補助金は、こうした海外市場でのPRや、展示会出展に用い、認知度向上に努めている。今回の事業では、13年度に新商品の売上高を4000万円にする目標に掲げている。

離島のハンディ乗り越える

佐渡という離島に本社を置くだけに、海上運賃や時間的な面などでハンディは大きい。だが、佐渡産ということが魅力の一つになるのも事実だ。今回の事業も「佐渡」に着目した特徴ある酒づくりだ。「これからも、できるだけ佐渡の原料を使いながら商品を作り、離島のハンディを乗り越えたい」と中川取締役は語る。

コメント

農家と一体で共存共栄を

北雪酒造・羽豆史郎社長

北雪酒造・羽豆史郎社長

北雪は国内市場に止まらず、広く北米、EU向けに酒の輸出を手掛けています。日頃から「佐渡でなぜお酒をつくるのか」考えてきました。その基本コンセプトとして、「安全で安心な商品を提供する。それが佐渡の産物で賄えるのであればそっくり活用する。そして佐渡から世界に羽ばたく」との思いです。ちょうどその頃、生き物を育む農法(減農薬・有機栽培など)を基本とした「朱鷺と暮らす郷づくり認証米」の制度があることを知り、酒米農家と一緒に取り組もうと考えました。佐渡を舞台に連携する農家が栽培した酒米で酒を醸すことで、生産から販売まで顔の見える本物のトレーサビリティーを実現できます。認証米の認定や新種の酒米である越淡麗や五百万石を認証米で栽培することは、農家には新しい挑戦であり大変なことです。しかし、昨今のように米価が下がり、後継者不足に悩む農家にとって、新しい挑戦は一つの朗報でもあります。農家と一体になって共存共栄を目指す私の願いです。「農商工連携」はまさにそれらの願いをかなえてくれる制度そのものでした。農家の理解を得た認証米はその作付けも順調に増えており、より安全で安心、付加価値の高い酒造りを可能にしてくれています。

連携体代表者の連絡先

会社名:株式会社北雪酒造
住所:新潟県佐渡市徳和2377番地2
電話:0259-87-3105
URL:http://shop.sake-hokusetsu.com/