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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

長崎県

カキを通年供給、国内外に届ける

漁業商業
中小企業者 有限会社ベイプレイス
農林漁業者 有限会社マルモ水産

マルモ水産は永谷養殖とベイプレイスの3社で連携して、長崎県佐世保市の特産品であるカキの通年供給と販路拡大に取り組んでいる。旬が限られるカキの生産方法を改良し、年間を通しておいしいカキを提供することが目標だ。また東京など大都市への販路拡大に加えて中国市場への輸出拡大を目指し、良質のカキを一人でも多くの人に届けようとしている。

自然が育むおいしい地域資源

夏でもおいしいカキを目指す

夏でもおいしいカキを目指す

マルモ水産は九州西端の都市、長崎県佐世保市でカキの養殖と卸売りを行っている。インターネットで全国に販売するほか、東京都内の複数のレストランにもカキを供給中。また、取れたばかりのカキや魚介類を、目の前で炭火で焼いて食べることができる「カキ小屋」も醍醐味(だいごみ)の一つ。産地ならではの観光資源としても存在感がある。
 末竹邦彦マルモ水産社長は「味の良い産地として認識されている」と味に自信を持つ。そんな大都市からの、一年中おいしいカキを食べたいという要望に応えるため、農商工連携により道を切り開いた。

養殖を行う海域は「九十九島(くじゅうくしま)」と呼ばれる風光明媚(めいび)な地域。真珠の産地でもある。西海国立公園の一部で佐世保湾の外港から25キロメートルにわたり、リアス式海岸とともに大小208の島が点々と並ぶ。自然がつくりだした不思議な地形と生態系が訪れる人々を楽しませるだけでなく、カキを生産するのに最適な環境も与えている。

九十九島で育つカキは小粒だが、濃厚な味わいで全国的に評価が高い。「九十九島カキ」としてブランド化された地域資源だ。カキの味には植物プランクトンが影響するとされる。有名な産地の一つである広島は、山が育んだ栄養素を川が流れ込むことで運ぶ。一方で九十九島には流れ込む川がないが、入り組んだ複雑な地形と木が茂った島、干満の大きさが川の代わりをする。また九十九島のきれいな水と水温差の大きさもカキにとって最適な海となる。

中国市場を狙う

自然がカキをおいしくする

自然がカキをおいしくする

連携事業では真珠養殖を以前行っていた永谷養殖(佐世保市)と、真珠養殖の技術を活用しながら協同でカキの種苗生産から養殖までを行う。技術面での協力に加えて、両社の連携により生産量の拡大を狙う。量産に向けて体制ができつつあるという。

カキは一般的に月を英語表記したときに「R」が付く季節がおいしいとされる。だが末竹社長は「おいしいカキは年中提供できる」と力を込める。カキが旬に入るのは水温が下がり始めて、繁殖の準備に入るころ。種の保存に向けて体内に栄養分であるグリコーゲンを蓄えることで、おいしさを増す。
 現在では研究が進み、カキに刺激を与えることで、水温が下がり始めた時期と同じ効果を与えることが分かっている。そのためカキのオフシーズンとされる夏場に向けて、養殖段階で刺激を与えることで“旬”を合わせる。冬の時期のカキと遜色ない味にまでたどり着いているという。

販路開拓では鮮魚卸業のベイプレイス(同)が築いてきた販売チャンネルを活用する。国内だけでなく、中国市場への輸出を明確に見据えている。カキは完全に殺菌することが可能で、冷蔵状態で最低4日程度は鮮度を保つことができる。現在も香港や上海に輸出しているが、まだまだ量は少ない。現地での安定した需要が必要だ。
 一方で自信はある。「まだ産地として知られていないだけだ。ペースがつかめれば、出荷量の柱になるはず。あと10倍には伸ばしたい」と末竹社長は意気込む。

コメント

日本のカキの知名度広げたい

マルモ水産・末竹邦彦社長

マルモ水産・末竹邦彦社長

おいしいカキを夏でも冬でも、一年中提供することにはロマンがある。当社は他の産地にある企業のように規模は大きくないが、小回りが利く点が強みだ。カキは安い値段で楽しめる。例えば福岡などから佐世保に車で来て、カキ小屋で食べれば数千円でおなかいっぱいになって一日のレジャーになる。その点でも、一人でも多くの人に九十九島カキを食べてもらうことで、九十九島という地域の良さを味わってもらいたい。中国は魅力ある市場だが、不況やさまざまな要因で輸出がなかなかペースに乗らない苦労がある。欧州産が有名だが、日本のカキを安くて安心なカキとして知名度を広げていきたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:有限会社マルモ水産
住所:長崎県佐世保市船越町944
電話:0956-28-0602
URL:http://www.marumo99.jp/