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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

三重県

「にがり」を活用した農法で大豆栽培

農業工業
中小企業者 ミナミ産業株式会社
農林漁業者 斉藤農場

家庭菜園からスタート

にがり農法の作業風景

にがり農法の作業風景

三重県尾鷲市沖の海洋深層水から採取した「にがり」をベースにしたミネラル溶液をつくり、それを大豆畑に散布する「にがり農法」がある。その農法を考案したのが豆腐機械メーカーのミナミ産業。地元の農家と契約し、同農法で無農薬無化学肥料の大豆栽培に取り組んでいる。

これまで国産大豆は品質にばらつきがあり大豆に含まれるタンパク質の含有量も異なっていた。そうした問題から「豆腐がうまく固まらないといった加工業者からの相談が多く寄せられていた」(南川勤社長)という。

そこで大豆の栄養に不可欠な塩化マグネシウムなどミネラル分を多く含むにがりを与えれば効果があるのではと考え、まずは自宅の畑で家庭菜園のレベルから試みた。

その後、2001年にはにがりだけでなく、天然成分を加えた独自のミネラル溶液を開発。広い面積を有する大豆畑での葉の表面に均一に散布する栽培を開始した。すると「通常10月末には大豆の葉は色あせて落ちるが、同液を散布することで11月中旬まで持ちこたえ、大豆の味も良くなった」(同)と確かな手応えをつかんだという。

04年には三重大学の生物資源学部も研究に加わり、同栽培方法が大豆の葉緑素を増加させ、光合成による栄養供給を増やすことを証明した。「タンパク質の含有量が一般的な大豆に比べて6%増加し、48%にもなった」(同)とその研究結果に胸を張る。

豆腐屋の効率的経営実現に寄与

大豆の粉末

大豆の粉末

現在、契約栽培に参加する地元農家は四日市市と松阪市の計6戸で、総栽培面積は100ヘクタール。第1号は斉籐農場(四日市市、斉籐悟代表)で、南川社長が考えたにがり農法に理解を示し、いち早く協力を買って出てくれた。具体的に、いつ溶液を散布したか、どれだけ噴霧したかなどの栽培履歴を提出してくれたり、徹底した品質管理を実践してくれたりした。今では三重県も仲介役になり契約農家の拡大に取り組んでいる。

ミナミ産業はこうして栽培された大豆を粉末にし豆腐や菓子、豆乳、パンなどの原材料として販売中。粉末にする際の大きさがミソで、自社開発の大豆粉砕機で直径20マイクロメートル(マイクロは100万分の1)と微細にしているのが特徴だ。これにより「菓子などに使っても大豆そのものの味がしっかりと楽しめるほか、栄養分をまるごと摂取できる。だから栄養補助食品などの新製品の開発にもつながり用途も広がるはず」(南川社長)という。

また、この粉末で豆腐を作ると程よい硬さで固まるうえ、「今まで豆腐屋さんといえば朝早くから作り始め出来上がるまでに十数時間かかっていた。この粉末なら水とにがりを加えるだけで約30分でできるため作業時間の短縮にもつながる」(同)。さらに産業廃棄物として処分していたおからも出ないため、効率的な経営の実現にも寄与する。

「スーパーなどの量販店に押されて町の豆腐屋さんの経営は厳しい」(同)。だがこの粉末原料を使えば多くのメリットがある。同社では大豆粉末の販売をはじめ、豆腐製造設備の製作や技術指導も行っている。農商工連携で得た成果で、全国の小規模豆腐店や新たにこの業界に参入したいと考えている人を支援していく考えだ。

コメント

多くの人、多くの用途に

ミナミ産業・南川勤社長

ミナミ産業・南川勤社長

ミネラル溶液の散布は大豆の葉が一番生育する8月から9月に散布する。しかし栽培を始めたころは台風などで大豆の葉がすべて飛んでいってしまい、データが取れなかったり大豆自体がだめになったりしたこともあった。今でも自然災害やイノシシに食べられるといった被害もあるが、年に約200トンの大豆を収穫している。その良質な大豆でできた粉末の食品原料を多くの人と多くの用途に使ってもらいたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:ミナミ産業株式会社
住所:三重県四日市市東新町3-18
電話:059-331-2158
URL:http://www.minamisangyo.com/