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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

三重

樹木の薬効成分活用へ タブノキエキスで酒つくる

農業工業
中小企業者 神楽酒造株式会社
農林漁業者 近藤緑化株式会社
原料となるタブノキの農園。約4haの土地で造園用樹木を栽培し、タブノキは約300本にのぼる。

原料となるタブノキの農園。約4haの土地で造園用樹木を栽培し、タブノキは約300本にのぼる。

クスノキ科の高木で日本の森林に多く分布するタブノキ。神社の「鎮守の森」の大木として生育していることが多く、最近は公園でも目にすることができる。塩害に強いため海岸の防潮林として、また二酸化炭素(CO2)に強いため街路樹などにも使用されてきた。その一方で、葉や樹皮に含まれる粘液は、線香や蚊取り線香の粘結剤として利用されている。三重県鈴鹿市で造園業を営んできた近藤緑化の近藤敏社長が、その薬効成分を活かせないかと研究を重ね、タブノキのエキス抽出に成功したのが7年前。そして今回、地元 酒造メーカーとの連携で、このエキスを原料にした新酒を商品化してしまった。

造園のプロが樹木の生命力に着目

同社は造園工事や土木工事が本業で、造園土木部門が売上高の95%を占める。最近の官公需の先細り減少に対応し、新たな事業分野の開拓に取り組む中、近藤社長が着目したのが日頃扱っている樹木の高い生命力。「自然の樹木を長く見てきて、人間の身体にも良いに違いないと確信した」という。

3年間の研究の末、タブノキからエキスを抽出することに成功。抽出した植物抽出液を「きく水」として発売した。「きく水」はタブノキがもつ優れた保湿力で皮膚の水分を保ち、保護するため、肌荒れや乾燥肌、吹き出物などに幅広い効果を発揮。2003 年にはタブノキエキス配合のスキンローションやボディーソープ、スキンクリーム、トリートメントなどの商品を相次ぎ開発、販売している。「特にアレルギーやアトピーで悩んでいる方からの反響が大きい」と話す近藤社長は、タブノキエキスの効用に手応えを感じていった。

地元のリキュール酒の製造ノウハウを活かす

女性にも好評のリキュール酒「TABUNOKI」。レモン、カボスなど5 種類の味で3,500 円(500ml入り)

女性にも好評のリキュール酒「TABUNOKI」。レモン、カボスなど5 種類の味で3,500 円(500ml入り)

しばらくして、タブノキエキスの薬効に詳しい岐阜大学応用生物科学部の光永徹准教授から、「タブノキエキスには整腸作用や抗酸化作用があるほか、肝細胞にやさしい効果があるという報告がある」と聞き、「それならお酒を造ってみよう」(同)ということで、今度はタブノキ酒の開発を目指すことにした。

 知人の橋渡しでリキュール酒の製造ノウハウがある神楽酒造(三重県四日市市)と出会うと、まずアルコール度数33 度のリキュール酒「椨(たぶのき)」を商品化。二日酔いのない、すっきりとしたお酒ができ上がり、女性に人気があることから、さらにアルコール度数を25 度に落とした新製品開発に着手。08 年、ユズやレモン、カボスなどの果汁を入れ、誰にでも親しまれる「TABUNOKI」を完成させた。

地域活性化支援事務局が大きな力に

タブノキ酒の製造工程。木の粉末を数日間漬け込むとエキスが抽出される

タブノキ酒の製造工程。木の粉末を数日間漬け込むとエキスが抽出される

両社の連携によるタブノキ酒の作り方は、枝切りで廃棄物になる枝を長さ30o程度のチップにしてから3o以下に粉砕し、その粉を袋に入れて焼酎に数日間漬け込み、エキスを抽出して製造する仕組み。製法特許は07年8月に特許庁から認定されている。色は琥珀(こはく)色で香りは木の香り、味は甘みがあるという点でまさに新酒。「自然の風味があるから、菓子や料理の味付けなどにも良く合う」(近藤社長)とアピールする。

タブノキ酒「TABUNOKI」を巡るこれらの動きが、農商工連携事業計画として認定されたことについて、近藤社長は「地域活性化支援事務局(中小機構中部)の支援なくして認定はなかった。特に申請内容の取りまとめは中小企業ではノウハウがなく、大いに助かった」と語る。今後は、補助金を用いて知名度アップの施策を展開する。同地域本部の働きかけで連携参加者にJTB 中部が加わり、販売企画や販路開拓面で支援していく予定だ。

さらに地元土産物店などのほか、市、会議所、各種団体を通じて地域産品としての扱いを増やしていく。

コメント

健康をテーマに自然の力を活かす!

近藤緑化・近藤敏社長

近藤緑化・近藤敏社長

40年間、樹木と付き合ってきて、樹木のすばらしさを再発見した。それは地球の環境を守ってきた樹木が自然に良いものであるなら体にも良いはずと考えて、タブノキエキスの商品を開発してきた。今後も自然の力を活かして健康をテーマに商品開発をめざす。

連携体代表者の連絡先

会社名:近藤緑化株式会社
住所:三重県鈴鹿市矢橋1-23-4
電話:059-382-6125
URL:http://www.kondo-r.com/

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