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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

三重県

かまぼこに熊野灘産の地魚利用で差別化

漁業商業工業
中小企業者 有限会社浜地屋
農林漁業者 丸光大敷

低利用魚の利用に着目

サラダを巻いて食べることもできる「スライスかまぼこ」

サラダを巻いて食べることもできる「スライスかまぼこ」

1882年(明治15年)創業の浜地屋は、魚肉練り製品メーカーの老舗企業で、「新兵衛屋」ブランドとしても知られる。日本で生産するかまぼこなどの練り物の原料はイトヨリダイやスケソウダラなどの輸入すり身が大半。浜地屋も同様に輸入すり身を原料に使ってきたが「大手メーカーと差別化した新商品を開発するために新たに違う原料を模索していた」(濱地誠治社長)という。

そこで目を付けたのが小振りなサイズのタカベやイサキなど地元で捕れる低利用魚だった。味は良いものの養殖魚の餌などにしかならないため漁業者は捕れても捨てていた。これを原料にすれば差別化できるし、漁業者の収入増にもなると考えた濱地社長は早速、漁業者の丸光大敷(三重県熊野市)に小魚の供給を依頼することにした。

すり身の加工は水産加工業者の増浩水産加工場(同)とカネトミ水産(同)に委託した。加工に必要な魚の皮や骨などを取り除き、魚の身だけ取り出す魚肉採取機や、氷水につけていた魚肉の水分を絞り取るスクリュープレス機は浜地屋が用意した。両者にすり身加工を委託して、2008年7月から地元で調達を始めた。

タカベやイサキは夏から秋にかけては良く捕れるが、冬場は少ないため一定量を安定的に入手できるかどうかがポイントになる。このため丸光大敷が行う定置網漁に加え、漁具を工夫し、従来は捕れても捨てるしかなかった小魚も捕れるようにした。鮮度維持のために氷も使い、月間4トンのすり身の安定供給を可能にした。

かまぼこの食べ方にも工夫

「スライスかまぼこ」の製造風景

「スライスかまぼこ」の製造風景

通常は、すり身を板に乗せてかまぼことして販売するが濱地社長は工夫を施す。新原料を用いて浜地屋が開発した第1弾製品が、10年11月に発売した「スライスかまぼこ」だ。市販のハムのスライサーを使ってかまぼこをシート状に加工する。このかまぼこでアスパラを包んで油で揚げたり、サラダを巻いたりして食べることができ「練り物をあまり食べない若い女性をターゲットにサラダ感覚で食べてもらえるよう考えた商品」(同)と語る。

さらに第2弾として「切れかま」を11年2月に発売した。初めからカットしていているので包丁を使う手間がなく、袋から取り出してすぐに食べられることができるのが特長。そして12年、第3弾の「フレークかまぼこ」を発売する。きざまれたかまぼこが真空パックされた商品で、サラダにふりかけたり、ポテトサラダに混ぜたりして食べることができる。

浜地屋が今後目指すのは新たな販路開拓だ。今の販路はスーパーやドライブインなど。中でもスーパーは値段が最も重視されるため利益率は低い。しかし今まで取引のない百貨店や通信販売の販路ができれば、価格以上の価値を認めてもらいやすい。

このため顧客に配るスライスかまぼこのレシピ集を作成したほか、ホームページを一新して幅広く訴求に努めている。さらに今後5年間で製品ラインアップを10種程度に拡大する計画。これにより新原料を用いた新製品の売上高を11年5月期予想300万円から15年5月期には2000万円に引き上げたい考えだ。

コメント

四代目の誇りを持って良いものを

浜地屋・濱地誠治社長

浜地屋・濱地誠治社長

浜地屋の四代目としての誇りを持ってかまぼこ作りを行っている。現在、量販店などで売られるかまぼこは価格を抑えるために材料の質を落とす傾向にある。当社は創業以来、良いかまぼこを作るためには良い材料を使うことを徹底して行ってきた。一方で、若い女性を中心に練り物離れが進んでいるのも事実。そこで熊野灘産地魚を使った品質の良いかまぼこを作り食べやすく加工する工夫もした。こうして出来上がった「スライスかまぼこ」や「切れかま」などの商品を多くの人に食べてもらいたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:有限会社浜地屋
住所:三重県熊野市有馬町690
電話:0597-88-0171
URL:http://www.sinbeiya.com/