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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

京都府

京タケノコの風味を生かす冷凍加工に挑戦

農業商業工業
中小企業者 小川食品工業株式会社
農林漁業者 JA京都中央
京都の春にかかせないタケノコ

京都の春にかかせないタケノコ

小川食品工業(京都府長岡京市)は京都の南西部に広がる西山丘陵でできる京タケノコを使った冷凍加工食品の開発を行っている。産地生粋の食品メーカーとして、春季に限られてきた生タケノコの風味や歯触りを年中楽しめるようにして、西山丘陵産タケノコの付加価値向上と京タケノコの知名度アップを図るのが狙いだ。

タケノコ栽培履歴管理のルール化や新たな集荷基準の確立を目指し、タケノコ農家の指導に当たってきたJA京都中央(京都府長岡京市)と組んで、2011年2月に農商工連携事業の認定を受けた。

長岡京市のある旧乙訓郡は古くからの竹産地であり、日本の孟宗(もうそう)竹発祥の地の一つとして伝えられる。凶作時の食物としても大切にされ、地下水で適度に湿った赤土粘土質の土壌に肥料まきや親竹の先止め、間引きなどの手入れを施すことにより白くて柔らかなタケノコが生まれる。

地元のJA、タケノコ農家と連携

西山丘陵の竹林

西山丘陵の竹林

3月から5月にかけてまだ地表から10センチメートル以上も下の土中に隠れたタケノコを、独特の細長い刃のくわで掘り上げる。夜明けから午前8時半ごろまでの朝掘りものが珍重され、通常はその日の消費予定量しか収穫しない。しかし京タケノコの生風味をうまく残せる加工法があれば、生産拡大の余地は大きい。

タケノコ加工品は中国産などの水炊き缶詰製品が大量に出回り、ビニール袋などに小分けして売られている。小川食品も1927年(昭2)の創業当初から京タケノコの缶詰を生産。つくだ煮などの味付け商品も手がけ、2010年は西山丘陵産タケノコの70%に当たる350トンを仕入れて加工販売した。

新たな加工法として最近では生タケノコを皮付きで高温殺菌することなども試みてきたが、農商工連携では急速冷凍による加工法にチャレンジしている。米田工機(神戸市西区)のアルコールと強電場を使った冷凍装置による加工法だ。最良のタケノコが収穫できる10−15日の間にどれだけ稼働サイクルを上げられ、処理量を稼げるかで決めた。

具体的には3万ボルトの電圧をかけたアルコール液に、掘りたてで皮のままゆでたタケノコを入れ、マイナス35度Cまで急冷する。1時間半で1ロット100キロ−150キログラム、最低でも毎日1トンのタケノコを凍結処理できる。冷凍装置はレンタルもできるため、いいタケノコがたくさん手に入り処理量を増やそうと思えばすぐにできるのも魅力だ。

凶作に試練の出足

ところが本格加工に手ぐすね引いていた11年春の、西山丘陵産タケノコは大凶作だった。天候不順などで全国的にも不作だった。これまで豊作の翌年は収穫量が落ちる「表裏」はあったが、今回はJAでも集まらないし、小売市場にも量が出ない。しかも高値だ。小川社長も30数年タケノコとつきあって初めてという異常事態だ。

ようやく170トンを手に入れたが、加工製品としては缶詰を中心に例年の半分弱。冷凍タケノコも3トンの予定だったが、なんとか2トン用意。有力顧客を中心にサンプル製品を味わってもらったほか、タケノコの2大消費シーズンの一つである年末から正月のおせち料理用に、歳暮向け受注を目指すダイレクトメールを8000件送付。かろうじて冷凍品の存在をアピールする形となった。

希少な冷凍製品も次への展開には欠かせない宣伝ツール。これまで市場にない商品だけに、継続してその姿を見てもらい、料理の仕方や味を覚えてもらうのが第一だ。試練の出足となったが、12年春は豊作の見通しでありもっとたくさんの人に楽しんでもらえそうと期待する。

コメント

連携事業への理解を浸透させる努力が必要

小川食品工業・小川修司社長

小川食品工業・小川修司社長

自然の恵みである農産品が相手のプロジェクトだけに、思惑通りにはいかないところもある。連携事業を進めるに当たっての反省点もいろいろある。「小川食品の新製品づくり」といった見方だけで我々の取り組みをとらえられたら困る。JAやタケノコ農家と連携して、京タケノコの産地振興を図るといった大きな観点から理解してほしい。そのためには、農家個々にまでもっと連携事業の趣旨、内容を浸透させていく努力が必要と感じている。開発設備の助成金申請などは行ってないが、連携事業に認定されたことにより、顧客などの期待も膨らんでおり、責任を痛感している。

連携体代表者の連絡先

団体名:小川食品工業株式会社
住所:京都府長岡京市神足四反田13
電話:075-951-4381
URL:http://www.takenoko.co.jp/