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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

高知県

高鮮度の魚を高知から全国へ

漁業商業工業
中小企業者 有限会社タカシン水産
農林漁業者 高知県漁業協同組合

高知県沖で水揚げされたばかりのキンメダイやサバ、ブリなどを「ナマ」の状態でタタキや炙り(あぶり)に調理・加工した商品の開発・製造・販売を始めたのは、水産加工品の製造・販売を手がけるタカシン水産と高知県漁業協同組合。地の利を生かした「鮮度」にこだわった商品作りで、全国に向けて高知産の魚の魅力を発信する。

冷凍1回が鮮度の決め手

キンメダイの昆布締め

キンメダイの昆布締め

主に冷凍マグロの卸しを行っていたタカシン水産の山本力社長は、より消費者に近いところでビジネスを展開することが、今後の会社発展のために必要だと考えた。そこで水産加工品の製造・販売に乗り出す決意を固め、2010年3月に山本社長の出身地である室戸市に加工工場を建設。主に県内の量販店や学校給食向けに水産加工品の販売を始めた。

加工風景

加工風景

同社の水産加工品は、新鮮な「生の魚」を使用するのが特徴。高知県沖で水揚げされたばかりの生魚を調理・加工する。それを真空パックし、「リキットフリーザ」と呼ばれる冷凍機を利用して、マイナス35度Cのアルコールに漬けて急速冷凍する。この手法は「ワンフローズ」と呼ばれ、文字通り冷凍するのは加工後の1回のみ。水産加工品を大量生産する場合、冷凍の魚を調理・加工し、加工後に再び冷凍することが多い。冷凍回数が少ない方が、魚の細胞を壊すことなく鮮度を保つことができる。「鮮度という付加価値で大量生産の大手企業と差別化できる」と山本社長はその狙いを語る。

現在は「タタキ」「炙り」「昆布締め」といった調理法のものが中心で商品アイテムも少ないが、今後は消費者ニーズをうまく取り入れて「揚げ物」「しょうゆ漬け・みそ漬け」「佃煮・しぐれ煮」などさまざま調理法で商品展開していきたいとしている。

広域ネットワークで鮮魚を安定供給

室戸沖の定置網漁

室戸沖の定置網漁

この事業では、とれたての鮮魚を安定的に仕入れる仕組みが重要。これを可能にしたのが高知県漁業協同組合だ。同組合は08年に県内25の漁協が合併して設立。同組合の強みは広域的なネットワーク。同組合は県下各支所の入荷情報を集約するシステムを確立、広範囲から鮮魚を入荷できる。また県内の各地で水揚げされる鮮魚を、チルド車等を使って輸送し、鮮度を保ったまま供給できる。同組合が目指すのは漁獲高の向上。水産加工品が売れれば比例して漁獲高も上がるとして、同組合では「組合ブランド」商品の共同開発や販売、委託加工などの協力も進めていく計画。

全国販売のルート開拓へ

山本社長は、11年6月に中小企業基盤整備機構のコーディネーターと展示会で出会い、そこで農商工等連携事業を知った。山本社長は、自分たちが現在取り組んでいるテーマと目標が同事業の認定基準に合致するとして応募。同年9月に認定事業として採択された。

これをきっかけにして中小機構とつながりが出来た同社は、効率的な製造工程の構築や商品開発の過程で発生するパッケージデザインやネーミングなど、これまで経験したことがない分野についてアドバイスを求めた。山本社長は「商品作りのノウハウを教えてもらっている」と、新商品の開発には同機構の協力が欠かせない様子。

当面は既存の販売先や回転すしなど外食産業を中心に販売ルートを開拓する。これまでは県内が中心だったが首都圏を中心に全国へ販売ルートを広げ、将来的には百貨店などを通じた一般消費者をターゲットにしたいと考えている。こうした販売ルートの開拓にも同機構の支援が不可欠だ。

コメント

ニーズに合う商品開発を急ぐ

タカシン水産・山本力社長

タカシン水産・山本力社長

室戸沖には日本有数の大型定置網があり、そこで水揚げされる鮮魚をどうにか商品として世に出したいと思ったのがきっかけ。まだ始まったばかりの取り組みだが、外食チェーン店や百貨店などの販売ルートの開拓や、インターネット販売に力を入れて行きたい。今後の課題は商品アイテムの充実とブランドの構築。市場ニーズを的確に捉えて新商品の開発を進めていきたい。

今後は魚離れが進む中、魚の需要拡大に向けてさまざまな商品を開発し、高知の魚を全国に発信していきたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:有限会社タカシン水産
住所:高知県高知市五台山北タナスカ5021
電話:088-883-1361
URL:参考・高知県漁協のタカシン水産のページ