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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

高知県

高知県産原料を使ったサトウキビ酢で、酒類以外の製造に参入

農業工業
中小企業者 菊水酒造株式会社
農林漁業者 大方精糖生産組合

伝統と新しいものに挑戦する気風

高知県黒潮町の大方精糖生産組合が生産するサトウキビ畑

高知県黒潮町の大方精糖生産組合が生産するサトウキビ畑

高知県は、あまり知られていないがサトウキビの産地。かつては日本一の生産量を誇っていた。同様に、酒も隠れた銘酒が多い。安芸市などには酒づくりに欠かせない名水が多く存在する。

高知県産サトウキビを活用したサトウキビ酢はこうした環境のもとで、酒造業の菊水酒造とサトウキビ栽培業者の大方精糖生産組合の農商工連携で開発した特産品だ。

連携の中心的役割を担う菊水酒造は、江戸時代からの造り酒屋。高知県を代表する酒造業者で、1926年に日本で初めて冷蔵貯蔵設備を酒蔵に導入した。

菊水酒造の新製品の開発やマーケティングで活躍する女性スタッフ

菊水酒造の新製品の開発やマーケティングで活躍する女性スタッフ

「現在ではありとあらゆる原料からお酒をつくっている」(春田和城・菊水酒造総務部長)との言葉通り、純米大吟醸酒「菊水」、芋焼酎「空海」などヒット商品を生み出している。日本初のはちみつ醗酵酒「はちみつのお酒」、「HoneyMoon」、コラーゲン入り梅酒「梅美人」の製品化では女性スタッフが活躍した。開発やマーケティングに女性や若手を積極的に起用し、伝統と新しいものに挑戦する気風を兼ね備えている。

サトウキビ産地を復活

大方精糖生産組合(高知県黒潮町)は、サトウキビ産地を復活させるため、88年にサトウキビを搾った黒砂糖の製造を目的に設立した。無論、サトウキビは昔ながらの製法で無農薬栽培とした。現在約30戸の農家が約170haの畑で栽培している。

両者の連携は菊水酒造の黒糖酒の製品化がきっかけ。酒全体の消費量が減少傾向の中、酒以外の新たな酢や調味料市場への参入機会をうかがっていた菊水酒造と、黒糖以外のサトウキビ活用を模索していた大方精糖生産組合が手を組んだ。菊水酒造はすでに必要な製造免許をもっており、高知県工業技術センターが技術的ノウハウで協力した。

酢は健康食品として認知度が高まり、消費量を伸ばしている。もろみ酢や黒酢が代表格だ。サトウキビ酢は原料のサトウキビ栽培地域が限られているため希少品で付加価値が高い。競合は鹿児島県奄美諸島の加計呂麻(かけろま)きび酢ぐらいだ。菊水酒造は大方精糖生産組合から原料を確保。今冬の収穫分を搾汁し、09年4月にサトウキビ酢製品の発売を目指している。菊水酒造には発酵をコントロールする技術があり、飲みやすく安価なサトウキビ酢を売りにする考えだ。

安定供給に向け準備

課題は供給体制だ。現在、高知県の気候に適したサトウキビ酢用のサトウキビの品種を分析中。一方、安定供給に向けた栽培面積拡大はそれほど心配していない。高知県産サトウキビは1回の作付けで10年近く植え替える必要がなく栽培も簡単、風害にも強い。効率的な栽培方法の普及も連携して検討したいという。菊水酒造の既存の酒蔵をサトウキビの貯蔵庫とし、収穫機や搾汁機を購入し、サトウキビ酢の量産体制を整えていく。

コメント

サトウキビ酢の用途拡大に期待。

菊水酒造・春田和城総務部長

菊水酒造・春田和城総務部長

高知県は1次産品が豊富で、室戸の海洋深層水や高知産の芋やゆずなど地域資源を使用した清酒、リキュール、焼酎を手がけ、差別化して全国の百貨店などに販路を広げてきた。酒類以外の製品を手がけるのはサトウキビ酢が初めてだが、酢と酒は親類関係。製造も酒造の既存設備を活用できる。

中小機構四国は、はちみつを醗酵させた酒「ミード」の開発の異分野連携新事業分野開拓計画、黒糖を利用した黒糖酒の開発など地域資源活用事業などで支援している。さらに今回の農商工連携事業で新規分野の参入活用へと発展。サトウキビ酢の販路開拓支援を受けている。サトウキビ酢は飲料以外にも加工食品の原料など調味料にも応用でき、用途の広がりを期待している。新製品の売り上げ目標は2014年に1億6,000万円。しかし、サトウキビ酢の用途拡大次第では達成時期も早まりそうだ。

連携体代表者の連絡先

会社名:菊水酒造株式会社
住所:高知県安芸市本町4-6-25
電話:0887-35-3501
URL:http://www.tosa-kikusui.co.jp/