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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

北海道

木質チップ燃料による熱供給システムの開発

林業工業
中小企業者 株式会社ホッコウ
農林漁業者 南富良野町森林組合

水平展開で林業活性化

ハウス内で乾燥させているピンチップ

ハウス内で乾燥させているピンチップ

南富良野町森林組合(北海道南富良野町)を中心とする農商工連携「木質チップ燃料による熱供給システムの開発」は、水平展開により道内88の森林組合すべての活性化につなげようという壮大な取り組みだ。目的は林地残材の付加価値向上。残材は商品として出荷する丸太から切り落とされ、森林の中や作業場、一時置き場などに残された端材のこと。これまでは「粉砕したものを牛の寝ワラにするくらいしか使い道がなかった」(新田信一組合長)。連携では残材を破砕したピンチップを燃料として有効活用できるシステムづくりと普及を目指す。同森林組合の組合員は203人。88の組合の中では規模が小さいほうだという。

組合がピンチップ供給

1号機が納入されたシレラ富良野

1号機が納入されたシレラ富良野

同森林組合は残材を回収し、ピンチップを製造販売する役割を担う。連携相手のホッコウ(札幌市中央区)はピンチップを燃料とするボイラの販売、据え付け、メンテナンスなどを行う。同社はビニールハウスの建設などが主力。子会社がサラダなどに用いるベビーリーフをハウス栽培する事業を道内で手がけており、その代替燃料にピンチップを使えないかと関心を持った組合が4年ほど前、視察したのを機に関係が生まれた。連携に協力するマルマテクニカ(東京都世田谷区)はピンチップをスクリューで炉の中に送り込み、燃焼を均一化できるボイラ、ピンチップの製造に用いる破砕機の輸入元。

ピンチップは数センチメートルに破砕した後、乾燥以外の工程がないためペレットより低コスト。一方で寝ワラよりは高価格で販売でき、システムを確立できれば、ピンチップの販売で上がる利益を循環型林業の構築にも使え、林業の活性化につながる。同森林組合の池部英明参事は「道内各地に普及すれば、ピンチップを融通し合うなど、組合同士の連携もできる」という青写真を描いている。

1号機を納入したのは2009年11月に稼働したシレラ富良野(南富良野町)。これは富良野農協が湖池屋(東京都板橋区)から生産を受託したポテトチップの工場で、事務棟の暖房などに活用している。南富良野町は協力する姿勢を見せており、中学校、第3セクターのホテル、福祉施設の暖房用として、11年までに導入される見通しだ。ボイラとピンチップを合わせた売上高は10年度5000万円、11年度8800万円を見込む。

残材の効率的回収が課題

「システムの形はほぼできてきた」(池部参事)が、二つの課題が浮かび上がっている。一つは乾燥の手法。残材の含水率は一般的に60%以上あり、ボイラでスムーズに燃やすには30−40%まで下げる必要がある。コストを抑えるため自然乾燥にこだわっており、特殊フィルムを用いたハウスで太陽光による乾燥に取り組んでいるほか、玉ネギ積載用コンテナの利用を試みるなど、よりよい方法を模索中だ。

もうひとつは残材の効率的な回収。今のところ作業場、一時置き場から回収した残材を加工しており、まだ森林の中からはほとんど回収していない。効率化には結束して山から下ろす装置が欠かせない。だが外国製装置は価格が高い、日本製装置もあるが北海道の森林規模に合わないなど理想的な装置探しが続いている。ボイラが普及しても、ピンチップを安定供給できなければこのシステムは成り立たない。課題のクリアに向けて、同森林組合の挑戦は続く。

コメント

町づくりにひと役

南富良野町森林組合組合長・新田信一氏

南富良野町森林組合組合長・新田信一氏

残材の付加価値をもっと高められないかと、十数年前からその有効活用策を検討してきた。ようやく方向性が定まり、09年から具体的に動き始めた。行政も後押ししてくれており、関係者の期待感は大きい。南富良野町の産業は農林業が主体。農商工の連携を密にしてこの取り組みを進め、森林組合としても活気ある町づくりにひと役買っていきたい。

連携体代表者の連絡先

団体名:南富良野町森林組合
住所:北海道空知郡南富良野町字幾寅
電話:0167-52-2130