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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

北海道

山わさびに脚光浴びせる製品開発

農業商業工業
中小企業者 金印わさび株式会社 オホーツク工場
農林漁業者 植木幸一
開発した山わさび製品と山わさび

開発した山わさび製品と山わさび

本わさびの味を引き立てる脇役に甘んじていた山わさび(西洋わさび)をひのき舞台に―。金印わさびは、隠れた存在だった山わさびが日の目を浴びることができるように、高品質山わさび製品の開発を進めている。

清流の小川に生える本わさびは生産量が限られているため高価で、100%本わさびで作られた商品はあまり市場に流通していない。多くのわさび加工会社が、わさび製品に欠かせない山わさびを中国など外国からの輸入に頼っている中で、金印わさびは1968年から北海道網走市に加工工場を設け、地域農家と協力し原料となる山わさびの栽培から製品の加工までを行っている。山わさびの生産量は年間約2500トンで、国内生産量の90%以上を占める。山わさびの原産は北欧地域。寒冷で日照時間が長い北欧の気候と似た場所が極寒の地、網走だった。「原料の栽培と加工は、同じ場所で行わなければ、鮮度よくおいしいものは作れない」という同社の考えに基づき、原料産地である網走市に工場が建設された。

安全・安心の製品づくりに精神を注ぐ

生長点を切り出すための工程

生長点を切り出すための工程

山わさびは、ローストビーフなどの付け合わせやソースの具材として用いられてはいたが、他用途での商品化は進まず、認知度も低かった。山わさびは本わさびと違い畑で栽培される。病気にかかりやすくなるため同じ畑で続けて栽培できないことや、独特の大根臭などが障壁となっていた。

金印わさびオホーツク研究所は、病気にかかりにくく、大根臭の少ない山わさびをつくるため、独自の栽培方法を実践している。クリーンベンチ内で、葉の付け根にあり、病気に感染していない細胞である生長点をメスで切り出し、苗にする。できた苗は、病気に感染していないことを確認し、無病苗として農家に出荷される。「自信をもって山わさびを出荷している。商品となるのは、丁寧に育てられたアイドルのなかでもアイドルだから」と、研究開発部主事の玉木幸愛さんは笑顔で答える。北海道網走市に根を下ろして約40年以上、系統改良を重ねてきた結果、大根臭や青臭みを抑えた山わさびを生産することに成功した。

わさびの香りと辛味は失われやすく、すりおろしてから1−3分をピークに減少していくという。マイナス196度の液体窒素を使って超低温ですりおろす製法を確立し、わさびの持つ本来の香りと辛味を保った製品を生産しており、現在も、香りや辛味を保てるよう技術の向上に努めている。

地域とともに発展を

高品質山わさびの開発には成功したが、山わさび自体の認知度はいまひとつという。「網走地区では有名でも、函館まで行くと知られていない」(同社)状態だ。今後の課題は、商品の認知度の向上にある。関連会社など他の連携体とともに商品の出荷を進め、2014年には新商品の販売を目指す。

同社は40年前から、網走市の農家約60戸と契約し、栽培したすべての山わさびの買い取りを行っている。バイオ燃料が脚光を浴び、穀物商品相場が値上がりした08年には、肥料費がかさみ07年と比べると「農家の収入は30%程度ダウンした」(同社)という。このような状況のなかでの完全買い取り制度は、農家の収入安定化に貢献している。“地域とともに発展する”ことを旗印に、今後もよりよい品質の山わさび生産を続けていく。

コメント

特性アピールして大消費地へ

金印わさびオホーツク研究所・畑山政彦研究開発部長

金印わさびオホーツク研究所・畑山政彦研究開発部長

山わさび製品は、網走地区ではメジャーだか、本州ではアンテナショップに土産品として売られている程度で、認知度が低い。今後は、新規顧客開拓が重要となってくることは明らか。そういう意味では、農商工連携事業に認定されたことは大きなメリットだ。流通業に提案するときなどは、認定事業であることがわかれば、信用力が増し話をしやすくなることもある。今後は、製品特性をアピールして大消費地に打って出たい。

連携体代表者の連絡先

会社名:金印わさび株式会社 オホーツク工場
住所:北海道網走市呼人276-1
電話:0152-48-2718
URL:http://www.kinjirushi.co.jp/