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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

北海道

多様な用途に活用できるハスカップ濃縮粉末

農業商業
中小企業者 有限会社はすかっぷサービス
農林漁業者 犬飼仙松氏
ハスカップの果実

ハスカップの果実

初夏の象徴を活用

ハスカップは苫小牧地域で多く栽培されている北海道の初夏を象徴する果実。鉄分やビタミンC、Eなどを多く含む。はすかっぷサービス(北海道苫小牧市、大西育子社長、0144-32-3070)はハスカップを原料とした加工食品の開発に取り組んでおり、2009年7月に認定された農商工連携では、ハスカップ濃縮粉末顆粒の開発と用途・販路の開拓をテーマとしている。

連携相手の犬飼仙松氏は苫小牧市に隣接する厚真町でハスカップなどを生産する農家。JAとまこまい広域(厚真町)のハスカップ部会長を務めており、「ハスカップに造詣が深く、熱心に栽培に取り組んでいる」(大西社長)。はすかっぷサービスの加工食品開発が07、08年度に経済産業省の地域資源研究事業に採択された時から、犬飼さんとは協力関係にあったため、その延長線上の農商工連携で連携体をつくることになった。

道立総合研究機構食品加工研究センター(江別市)はハスカップの機能性保持技術、JAとまこまい広域はハスカップの流通管理、小林香料(東京都中央区)は粉末顆粒の量産化技術で協力している。ハスカップは収穫時期が初夏に限定されているが、加工食品にすれば年間を通して販売が可能になり、販売量が増えれば収穫量の引き上げが必要になる。加えて過熟して落下し、生の果実では出荷できないハスカップも有効活用できる。これらの効果により12年度、犬飼さんはハスカップの出荷額で倍増の400万円、はすかっぷサービスは約3000万円の売上高増加を狙う。

産学官連携で大きく動く

ハスカップの実を収穫する犬飼さん

ハスカップの実を収穫する犬飼さん

はすかっぷサービスの前身は、大西社長の父が経営していた運送会社の小荷物部門。ゆうパックによる地域特産品の発送代行などを手がけ事業を拡大する一方、生の果実を運ぶだけでなく、「ハスカップを原料にして何かつくりたい」(同)との思いが強くなっていった。自社製品の第1弾はハスカップ紅茶。これは自社開発でなく、98年に他社から継承した。航空会社の機内サービスに採用されている。

大きく動きだしたのは所属する北海道中小企業家同友会が主宰する産学官連携組織、HoPEに05年に入会して以降。いろいろなアドバイスを受けるとともに、外部の力を借りて取り組みが本格化した。地域資源研究事業では第2弾のハスカップようかんを07年に開発。犬飼さんや同友会のネットワークで紹介された和菓子屋などと協力した。07年は郵政民営化が始まった年でもある。それを機に、運送部門の売上高が低下、ハスカップ製品が主力事業となっている。

原料としての販売も視野

ハスカップ濃縮粉末顆粒の試作品

ハスカップ濃縮粉末顆粒の試作品

第3弾となる濃縮粉末顆粒の製造には独自技術を用いており、現在は試作の段階。今のところハスカップ40%、砂糖60%の比率。コスト低減、濃縮度の引き上げ、水でも簡単に溶けるようにすることなどがこれからの課題となる。お湯にはすぐに溶け、味、色ともにアセロラに似た感じ。今年はもっと広く知ってもらうため九州、四国でサンプル配布、アンケートなどを行う計画だ。

用途については、ただお湯や水に溶かして飲むだけでなく、ヨーグルトにかける、焼酎カクテルに使うといったことも検討している。小林香料とは紅茶の製造委託で以前から取引があり、試作は岐阜県内にある小林香料の提携工場で行っている。「量産に入る場合、遠いことが課題になる」(同)と見ており、道内で完結できるように製造委託先を探す方針だ。販路は健康補助食品として、ドラッグストアを模索。将来は加工食品の原料として、食品メーカーなどに販売することも視野に入れている。

コメント

世の中に届ける橋渡しに

はすかっぷサービス・大西育子社長

はすかっぷサービス・大西育子社長

「ハスカップをもっと多くの人に知ってもらいたい、届けたい」をキャッチフレーズに事業を展開している。祖母がハスカップを好きで、子どものころから愛着があった。ハスカップは青紫色の実が美しく、わが身のようにいとおしい。しかも健康に有効でもある。このよさを生かして製品を開発し、世の中に届ける橋渡しをしたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:有限会社はすかっぷサービス
住所:北海道苫小牧元中野町2丁目22番2号
電話:0144-32-3070
URL:http://www.haskap.jp/