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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

 北海道

発酵野菜と高品質ヨーグルトをミックスした機能性食品の開発

農業工業
中小企業者 株式会社函館酪農公社
農林漁業者 尾崎正幸、小林英憲ほか6者
「血液サラサラ成分」を閉じ込めた飲むヨーグルト

「血液サラサラ成分」を閉じ込めた飲むヨーグルト

ミネラルウォーターと同等の牛乳の販売価格。牛乳消費量の低迷と清涼飲料水をはじめとする商品の多様化で、全国的に酪農ビジネスは厳しい事態に直面している。道南地区を中心に移動販売車による独自の販路開拓や低音殺菌牛乳などの商品開発で事業基盤を固めてきた函館酪農公社も例外ではない。しかし、自らを「異端の乳業会社」と呼ぶほどに、同社の歴史は挑戦の連続で彩られている。いままた農商工連携施策をもとに、タマネギドリンクヨーグルトという型破りの商品で、乳業ビジネスの可能性を広げてようとしている。

安心、安全な牛乳を有効活用

函館酪農公社は、酪農家であった現会長の金子隆氏が、自ら製造販売する必要性を感じて1973年に設立した会社。生乳を一元集荷する当時の流通体制の枠から外れ、独自の販路を築く一方、牛乳本来の栄養価とおいしさを味わってもらおうと、低温殺菌牛乳の普及にも積極的に取り組んできた。

そして安心、安全まで配慮した究極の牛乳と言えるのが、牛のエサにまでこだわった牛乳。遺伝子組み換え技術を用いておらず(NON-GM)、収穫後に農薬散布した穀物を使用しない(PHCF)条件を満す配合飼料で育った牛の牛乳だ。同社は近郊の11軒の酪農家と共同で、数年前にNON-GM&PHCFの牛乳を発売したが、当然NON-GM&PHCFのエサは、通常のエサに比べて高いため、最終価格も若干高くなる。実際には原乳生産量の約半分しかさばけていない。安心、安全な牛乳としてNON-GMの認知度は徐々に浸透しているが、日常的に飲まれる牛乳の価格に消費者は予想以上に敏感だった。

低温殺菌、NON-GMなどに積極的に取り組んだ同社の歴史は挑戦の連続

低温殺菌、NON-GMなどに積極的に取り組んだ同社の歴史は挑戦の連続

「この現状を何とかしたい」。開発企画室の金子岳夫氏は、これを原料にした加工品の開発を模索した。おりしも同社は、経済産業省の地域新生コンソーシアム事業で、アレルギーや生活習慣病を改善する植物ペースト入りヨーグルトの研究開発を進めてきた。安心、安全な牛乳を用いて、体に良い新たな乳加工品ができればベストなマッチングになる。

「これまでニンジン、イモなどの野菜のほか、果物など何十種類のレシピに挑戦してきた」という金子氏。その中で機能性食品として広く認知されているのが、「血液サラサラ」効果が高いと一般的に知られているタマネギだった。営業的にもタマネギを使ったヨーグルトであれば、消費者に対する訴求力は高まる。

抜群の糖度を誇るタマネギを活かす

問題はヨーグルトの味覚である。果物ならともかく野菜となると原材料の中に砂糖を入れて甘味を付けないと、消費者にはなかなか買ってもらえない。しかし砂糖を使うとなると、今度は糖尿病などのリスクを誘引してしまう。

そんなとき抜群の糖度をもつタマネギを栽培している農家があることを知る。富良野市で減農薬の農業を営む尾崎正幸氏だ。通常のタマネギの糖度は7〜8%。これに対し尾崎氏が作るタマネギは同13%レベル。実に倍近い糖分が含まれる。このタマネギを用いた機能性の高い飲むヨーグルトを製造・販売することにした。

すでに試作品を完成し、120ml入り350円で大手スーパーなどに提案営業している。「単価が高いため、当面は食にこだわりをもつ富裕層をターゲットにしたい」とし、都市近郊の高級食材を扱う大手小売チェーンなどへのプロモーションを積極化している。さらに、タマネギ以外の農産物でも商品開発を進めており、農協に依存しない販路開拓に成功しブロッコリーなどを栽培している地元乙部町の農業者との連携もスタートさせている。

コメント

良いものを求める消費者に応えたい

函館酪農公社開発企画室・金子岳夫氏

函館酪農公社開発企画室・金子岳夫氏

農商工連携を通じて開発したタマネギドリンクヨーグルトは、大量に売っていこうという商品ではない。管理の行き届いた牛乳と植物性乳酸菌を用いた高機能性食品で、本当に良いものを求める消費者ニーズに応えたい。そのためにも免疫活性力など機能性食品としての裏付けを施すとともに、食品本来のおいしさを追求することも不可欠だ。安心・安全でおいしい牛乳づくりを手掛けてきたわが社の基本方針は、この新商品でも貫かれている。

連携体代表者の連絡先

会社名:株式会社函館酪農公社
住所:北海道函館市中野町118-17
電話:0138-58-4460
URL:http://www.hakodate.or.jp/milk/