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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

広島県

超高圧技術使い青森県の破棄される野菜をエキス化

農業商業工業
中小企業者 株式会社東洋サプリ
農林漁業者 有限会社柏崎青果

付加価値の高いオリジナルの健康食品を開発したい東洋サプリ(広島市西区、野口裕美社長)と、廃棄していた野菜を有効活用したい柏崎青果(青森県おいらせ町)。両者と面識のあった仲介者を通じて知り合い、思惑がうまく合致。2010年2月に「青森県野菜を活用した高含有機能性エキス商品群の製造・販売」のテーマで農商工等連携事業計画に認定された。本格的に取り組み始めて2年に満たないが、すでにニンニク関連製品を商品化し、ごぼう関連商品も開発中で、順調に計画を遂行している。両者の事業は、柏崎青果が栽培する高品質の野菜を、東洋サプリが超高圧処理してエキス化するというもの。エキス化により機能性が高まるのがポイントだ。

1000気圧で加工

加工前のニンニクとエキス化したニンニク

加工前のニンニクとエキス化したニンニク

東洋サプリは超高圧機器を手がける東洋高圧(広島市西区)の関連会社。今回の連携事業にも同じく関連会社の超臨界技術研究所(同)ともども参画している。そもそも東洋サプリは「装置専門の東洋高圧に対し、具体的に商品を作って入り口から出口までの流れをつくろう」(東洋高圧野口賢二郎社長)との狙いから2004年に分社した。これまで東洋高圧の装置を販売した企業が商品化したものを販売していたが、自社ブランド商品の開発はかねての念願だった。

加工に用いる超高圧機器

加工に用いる超高圧機器

エキス化に際しては、東洋高圧の「まるごとエキス」を使用する。この装置は100メガパスカル(約1000気圧)という、深海1万メートルに相当する超高圧を素材にかけることができる。世界で最も深く潜れるとされる潜水調査船「しんかい」でも6500メートルが限度だ。これだけの圧力を食品などにかけると、酵素分解によるエキス化や殺菌、熟成などさまざまな効果が得られる。用途に応じて種々の酵素を働かせる、圧力酵素法と呼ばれる新しい加工法で処理する。


機能性が大幅に向上

ニンニクエキスのサプリメント

ニンニクエキスのサプリメント

ニンニクについては、まず収穫後に恒温設備内で温蔵処理した後、常温に戻すなどの前処理を施す。これにより、血栓予防効果があるとされるシクロアリインと、滋養強壮成分のS‐アリルシステインの含有量が増強されるという。エキス化の工程は液化が1日、熟成による機能性向上に3日の合計4日程度かかる。試作を繰り返した結果、シクロアリインが従来のニンニクエキスと比べ4―5倍、S‐アリスシステインも約18倍含まれることが分かった。広島大学による最近の分析でも両成分の含有量が増加し抗酸化能が向上することが認められた。

機能性の向上だけではない。この装置は名称の通り、対象物のほとんどをエキス化するので、野菜の外観を問わない。本来ならば外観や大きさ、色つやなどで価格が変動するが、これまで出荷できなかったものでも加工可能になる。農家にとっては無駄が減り、経営の向上にも貢献する。

商品面ではまず、ニンニクエキスのサプリメントを商品化した。さらにゴボウのエキスを抽出しスプレードライヤーにかけた顆粒(かりゅう)状のものと、しょうがを混ぜたお茶も開発中。近く商品化する。さらに柏崎青果が扱う長いもは、漬け物に加工する考えだ。高圧で発酵熟成させることで味がしみ込み、短期間で製品化できる。いずれも「技術的にはまったく問題ない」(東洋高圧野口賢二郎社長)。開発した製品は両者のルートで販売するが「これまで市場にない商品なので、かなりの実績が期待できる」と見ている。

青森県産の野菜は、出荷量ベスト10に12品目が入っている。とくに80%以上のシェアを持つニンニクをはじめ長いも、ゴボウは全国1位で、消費者の認知度も高い。エキスという新しい切り口で商品化することで、市場を刺激することができそうだ。

コメント

機能性成分が確実にアップ

東洋高圧・野口賢二郎社長

東洋高圧・野口賢二郎社長

野菜の機能を高めたエキスは市場に多く出回っているが、機能性成分はさほど高くないように思える。超高圧技術によって、機能性成分が確実にアップすることが分かったので差別化できる。実際、ニンニクエキスはドラッグストアなどのルートで販売しているが、順調に販売量を伸ばしている。評判が良くリピートオーダーも増えている。自社商品を持つことで、エンドユーザーの声が直接入り、メーカーである東洋高圧にも反映させることができる。

超高圧技術は装置開発も含め難易度が高く、誰にでもできるものではない。食品への応用はほんの一例であり、まだまだ可能性がある。

連携体代表者の連絡先

会社名:株式会社東洋サプリ
住所:広島市西区楠木町3-13-17
電話:082-509-1470
URL:参考・http://www.toyo-project.jp/