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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

福島県

会津産トチの木みつを使用したこだわりのミード酒を開発

農業商業
中小企業者 有限会社峰の雪酒造場
農林漁業者 有限会社ハニー松本
トチの木みつを使用した「美禄(みろく)の森」

トチの木みつを使用した「美禄(みろく)の森」

福島県喜多方市に本社を置く峰の雪酒造場は、1942年創業の日本酒醸造企業。55年には法人化を果たすが日本酒離れが進むなか、同社の売り上げも年々減少傾向が続き新たな商品開発に迫られていた。こうした中、2005年に四国の醸造企業が国内初のミード酒の製造に成功したとの報道を聞くのと機を同じくし、自社商品の生産・販路拡大を模索していたハニー松本(養蜂業)から共同開発への打診があった。また「当時は梅酒、リキュール酒類などの新商品開発・販売が続き売り上げを伸ばしていた」。佐藤利也社長は、今が好機とミード酒の開発を決断する。

07年9月には新たな酒造免許を取得したが、これまで生産実績の無い酒でもあり、まずは試験醸造からとの助言を受け、福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターに相談した。同センターの勧めで「公募型ものづくり短期研究開発事業」に応募し採択され、技術支援を受けての本格的な商品開発をスタートした。ミード酒に最適な製造条件を確立するためのデータ収集などを進め、08年7月には多くの課題を克服し初の試作品を完成した。

完全無添加でトレーサビリティされたはちみつを使用

同センターの研究成果発表会・技術交流会や試飲会で高評価を得たことから本格的なミード酒の製造・販売に乗り出した。ミード酒の醸造には、ハニー松本が供給するはちみつと酵母のみを使用し、水は飯豊山の伏流水にこだわった。このはちみつは奥会津に自然樹生するトチの木からのみ採取したもので、それも朝一番で採みつされたものだ。朝一番で採取されたはちみつは高濃度で糖度が高く変質しにくいのが特徴だ。加えて輸入品と違い完全無添加で高品質かつトレーサビリティされたものだ。トチの木みつの生産量は国内産はちみつの1%以下と希少で大量生産には向かないが、ミード酒の醸造には最適だという。

試行錯誤を繰り返し誕生したミード酒はアルコール度数が11%で、さわやかな甘みと酸味に加え、すっきりした後味が特徴。佐藤社長は「予想した以上においしい酒に仕上がった」と自信を示す。商品名は会津の自然の恵みに感謝し「美禄(みろく)の森」と銘々した。国内では3社目の商品化だがトチの木みつのみを使用したものは初めてという。

ネット販売に大きな反響

東京・青山のRinで開催された試飲会

東京・青山のRinで開催された試飲会

商品販売については、「農商工等連携事業計画」の認定を受け、東北地域活性化支援事務局の支援のもと販路拡大を図った。申請書などの作成では福島県中小企業団体中央会の指導を受けた。09年8月には新たに「花織(かおり)」をネット向けに商品化し、セブンイレブンネットで販売した。販売当初には大きな反響があり、約三千アイテムの酒部門で長く売り上げ一位を続けた。また、これに合わせ東京都港区青山のRin(リン)を会場に「新商品発表・記念招待試飲会」を8月3日のはちみつの日に開催した。当日は福島県の特産品を食材にした試食会も併せて開催しこちらも盛況だった。その運営には補助金をあてた。

今後はネット販売に加え、ミード酒の語源はハネムーンということを活かし、ブライダル業界などへの販路拡大を図るとともに、「スパークリンクミードや他のはちみつを使った新商品開発にも積極的に取り組む」と佐藤社長は意気込む。今年5月にはジェトロが主催した「米国人ジャーナリストが選ぶ日本食十選」に選ばれるなど、その品質の高さと味は折り紙付きだ。西欧ではワインに匹敵するほどポピュラーなニード酒だが、まだ日本での知名度は低い。佐藤社長は、新たな地域ブランド商品の確立・浸透に向けた戦略をさらに加速する構えだ。

コメント

多くの人に喜ばれる本物の酒造りを目指す

峰の雪酒造場・佐藤利也取締役社長

峰の雪酒造場・佐藤利也取締役社長

よく「美禄(みろく)の森」を飲んだお客から「こんなおいしいお酒を造ってくれてありがとう。こんなお酒に出会えたことに感謝したい」などとお褒めをいただき握手を求められる。こんな時ほど酒造りをしていて喜びとやりがいを感じることはない。この酒を世に出せたこと自体が大きな幸せだと思う。それくらいインパクトのある酒だ。これからも多くの人に喜ばれる本物の酒造りを目指していきたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:有限会社峰の雪酒造場
住所:福島県喜多方市字桜ガ丘1丁目17
電話:0241-22-0431