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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

福岡県

固定概念を打ち破れ、夏ふぐを九州の食ブランドに

漁業商業工業
中小企業者 株式会社イーエム、株式会社平越商店
農林漁業者 阿部靖治

料理人向け勉強会を開催

小骨が少なく引き締まった身が特徴のふぐは夏にもよくとれる

小骨が少なく引き締まった身が特徴のふぐは夏にもよくとれる

「ふぐは冬に食べるものと洗脳されている」。福岡市博多区の老舗ふぐ料理店「博多い津み」の宮武尚弘主人はそう指摘する。「夏のふぐもおいしいが、料理人にも知られていない」(宮武主人)。夏ふぐを有効利用すれば漁業の活性化や九州を代表する食材にできる。宮武主人はそんな思いを胸に、福岡市や地元企業と協力して「夏ふぐ」のブランド化に乗り出した。

ふぐは九州や山口県で「ふく」とも呼ばれるなじみある食材。厚生労働省が認可する食用ふぐは22種類もある。その中には夏にとれるふぐも多いが、冬の食材とのイメージを打ち破れずに市場では値が付きにくい。

宮武主人は夏ふぐの理解を深めようと、2007年と08年に「九州のふく勉強会」を開いた。九州各地の日本料理店から約200人が参加するなど注目の高さを伺わせた。同時に企業とのコラボレーションにも積極的だ。三越伊勢丹ホールディングス子会社で老舗百貨店の岩田屋(福岡市中央区)は「夏ふぐフェア」を開催。またサッポロビールは「夏ふくに夏エビス。」と題して販促キャンペーンを張った。

新たな調理方法の開発も

ただし「冬と同じくなべで食べていては夏ふぐは定着しない」。宮武主人はふぐに付加価値を付けるため加工食品の開発に着手。そこで、まふぐをツナ缶のようなフレーク状にし、ニンニクと唐辛子と一緒にサラダ油で漬け込んだ。「ツナ缶のハイグレード版」(同)のようなオイル漬けは、サラダや炒飯、パスタなどとも相性が良く、風味と食欲をかき立てる。博多い津みを経営するイーエム(福岡市博多区、宮武宏史社長、092-291-0231)が生産、販売を担当。瓶詰110グラム入り840円。販売には岩田屋が協力しており、現在地下の食品売り場で発売中だ。

今後オリーブオイル使用や使い切り品など商品を拡充するほか、食品売り場にオイル漬けの専用コーナーを設けるという。5年後に同商品で8500万円を売り上げるのが当面の目標だ。しかし、あくまで宮武主人は「オイル漬けは夏ふぐをブランド化するための起爆剤」と位置づけている。「夏ふぐが九州にとって北海道のカニに匹敵する名物になれば、観光の目玉になるし、漁師さんの利益にもつながる」と宮武主人は波及効果に期待する。

ただ、課題もある。夏ふぐのさらなる浸透を図るには、ふぐのイメージを刷新するようななべや刺し身以外の料理方法を開拓する必要がある。宮武主人は和食の枠を超えた調理法開発に積極的に力を入れる。3月末に中華料理の陳健一、イタリア料理の落合務両料理人を招いて「2010夏ふくブランド化フェア」を福岡市内で開催した。陳氏は、夏ふぐを甘酢あんかけにして提供。ふぐの新たな調理方法が着実に広がっている。フェアには福岡市などの自治体や地元大手企業が協賛につくなど、官民が一つになって夏ふぐを九州の食ブランドに育てようとの機運は高まっている。

コメント

夏祭りに合わせてキャンペーン

まふぐのオイル漬けを手に笑みを見せる宮武尚弘(みやたけ・なおひろ)主人

まふぐのオイル漬けを手に笑みを見せる宮武尚弘(みやたけ・なおひろ)主人

ブランド化に乗り出した4年前は『夏ふく』をインターネットで検索すると『夏服』関連がずらりと出てきたが、今ではふぐの話題が並んでいて、確かな手ごたえを感じる。今後は、九州の夏祭りに合わせて夏ふぐのキャンペーンをできないものかと、新たな構想を練っている。

連携体代表者の連絡先

会社名:株式会社イーエム
住所:福岡市博多区住吉町2-20-14
電話:092-291-0231