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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

福井県

地域特産の梅を活用し清酒メーカーが加工食品開発

農業工業
中小企業者 鳥浜酒造株式会社
農林漁業者 株式会社エコファームみかた
鳥浜酒造

鳥浜酒造

繊維が少なく果肉が厚いことなどが特徴の若狭町特産「紅映梅(べにさしうめ)」。この梅を使って清酒メーカーの鳥浜酒造が天然梅果汁を開発した裏には、復活のストーリーと地域の連携があった。

ピンチからチャンスへ

鳥浜酒造は大正9年(1920年)の創業以来、地域の湧き水を仕込みに使った地酒を醸造している。清酒消費量減少などの影響で売上は年々減少し、小堀安彦社長は廃業を考えたが、レンガ煙突や蔵が町のシンボルとして愛されるなど、地域では惜しむ声が多かった。2003年に木野秀樹氏が顧問に就任して経営再建に着手。設備や販路などの抜本的な経営の見直しを開始した。

紅映梅の果実

紅映梅の果実

その矢先、若狭町(旧三方町)、JA三方五湖などの出資による農業生産法人・エコファームみかたが梅酒工場の建替えを検討しているとの情報が入った。瓶詰めラインの老朽化に悩んでいた鳥浜酒造は、自社隣接地への新工場建設を提案。エコファームみかたが梅酒を製造しない時期に新工場の設備を借りることができれば、多大な投資を伴わずに新しいラインで清酒を生産できる。エコファームみかたにとっても賃借料が入るメリットがある。

両社の連携は工場の相互利用にとどまらない。販売協力やノウハウ面の交流も実施し、それぞれの繁盛期にはスタッフを融通しあうなど、結び付きを強めている。

若狭ならではの商品を作る

エコファームみかたの新梅酒工場

エコファームみかたの新梅酒工場

お互いの得意分野を活かした商品開発も盛んだ。鳥浜酒造の清酒を使った「梅リキュール」や「梅甘酒」を試作した際も紅映梅の風味をいかに出すかに苦労し、試行錯誤で辿り着いた方法が梅実を酵素分解することだった。

転機は、08年6月に開催した梅甘酒の試飲会。この時、梅果汁を焼き鳥などの付けダレとして提供したところ好評を得た。「若い人が酒を飲まなくなっているなか、アルコール商品に固執していては限界がある」と考えていた同社は、梅果汁の活用法を模索した。敦賀の昆布を使った「梅昆布ポン酢・梅昆布だし」、ハチミツと混ぜた飲料などアイデアは広がる。わかさ東商工会のアドバイスで農商工連携に申請し、認定によって得た補助金を試作品開発やマーケティング調査に活用。現在はそれぞれの製品にあわせた梅果汁の加工方法を研究中だ。原料は梅干加工に使えないキズ物や規格外の紅映梅。梅生産者にとっても資源の有効活用でメリットが大きい。さらに、この青梅は冷凍保存によって通年利用する。

紅映梅果汁と紅映梅ポン酢の商品イメージ

紅映梅果汁と紅映梅ポン酢の商品イメージ

紅映梅は、ほぼ福井県でのみ栽培され、その約70%は若狭町産、地域ブランドとしての価値は高い。昆布や、まろやかな味わいで知られる若狭の名水「瓜割(うりわり)の水」などを使って、「顔が見える距離」の産品だけで作られた味として差別化を図る。疲労回復や殺菌効果といった梅のイメージを活用し、09年10月をめどに商品を発売する予定だ。

コメント

鳥浜酒造復活のキーワードは地域連携

左から鳥浜酒造・清酒醸造責任者の堤博之氏、小堀安彦社長、木野秀樹顧問、エコファーム・新屋明常務

左から鳥浜酒造・清酒醸造責任者の堤博之氏、小堀安彦社長、木野秀樹顧問、エコファーム・新屋明常務

梅は「体に良い」というイメージはあっても、梅酒・梅干しにする以外の食べ方はあまりなかった。今後もさまざまな商品展開も考えていく。
 この地域の特色は観光と農業。地域の旅館・民宿・料理店が、各店オリジナルの梅果汁タレで特産の若狭フグ、カニ、鰻、鯉などを提供したり、新たな名物料理ができれば、若狭町を訪れた方々にさらに若狭町ならではの味覚を楽しんでいただける。
 梅酒工場・酒蔵と地域施設が連携した新たな地域観光拠点構想もある。鳥浜酒造復活のキーワードは地域連携。今後もつながりを広げたい。(鳥浜酒造・木野秀樹顧問)

連携体代表者の連絡先

会社名:鳥浜酒造(株)
住所:福井県三方上中郡若狭町鳥浜59-30
電話:0770-45-0021