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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

愛媛県

愛媛県産ちりめん・煮干し等を活用した無添加の減塩煎餅

農業商業工業
中小企業者 株式会社オカベ
農林漁業者 山本宇三夫
原料の乾燥ちりめん

原料の乾燥ちりめん

消費者ニーズから生まれた減塩、無添加の「お魚せんべい」

味付け加工小魚など魚介類の加工食品を手掛けるオカベは、健康志向の消費者ニーズに着目し、小魚を原料にした添加物不使用の減塩煎餅を開発した。味付け加工小魚とは、イリコなどの小魚をしょうゆやごま、青のりなどで味付けしたもの。同社は自社商品と大手メーカー向けのOEM(相手先ブランド)生産を合わせて約40%の国内シェアを誇るトップメーカーだ。

同社では「そのまんまちりめん」という商品を販売しているが、消費者から「塩辛い」という声が多く寄せられていた。この商品は、ちりめんを海水で煮た後に乾燥し、これに圧力をかけて煎餅のように加工したもの。同社では、折からの健康ブームに着目し、塩辛さを抑えた新商品の開発に取り組んだ。

原料のちりめんは、漁業者から乾燥したものを購入していた。塩辛さの要因は、ちりめんを煮る時の塩分濃度。これを改善するには漁業者に製法を変えてもらう必要があった。しかし漁業者の手間は増えてしまう。さらに新商品の継続性や注文量が未知数なことから交渉がうまくいかなかった。自社で乾燥ちりめんを水にさらして塩を抜くことを試みたが、うま味まで抜けるという決定的な問題があった。

農商工連携の認定を受けて開発は前進

従来品より塩分濃度を25%減らした「減塩そのまんまちりめん」

従来品より塩分濃度を25%減らした「減塩そのまんまちりめん」

そうした中、2011年5月に中小企業基盤整備機構四国支部(現、四国本部)の担当者に勧められて農商工連携事業の認定を受けた。開発を担当した山内肇品質保証部主任は、「農商工連携の認定が無ければ、本格的な新商品開発に踏み込めなかった」と当時を振り返る。

認定を受けたことで「同事業への信頼度が増し、漁業者との交渉がやりやすくなった」(山内主任)からだ。難航していた漁業者から協力を得ることができ、同年6月から本格的な開発に着手した。

同事業では、漁業者の山本宇三夫氏がちりめんを漁獲および減塩加工し、乾燥ちりめんとして供給する。水産物卸売業の萩森商店が、乾燥ちりめんを冷凍保管し、必要に応じてオカベに納入する。オカベは減塩煎餅を製造し、これまでの販売ルートを活用して販売するという連携体を確立した。

同社と山本氏は、ちりめんを煮る海水の塩分濃度を微妙に変えて試行錯誤を繰り返した。塩分を少なくすると塩味が薄くなることはもちろんだが、どういう訳か見た目や食感も悪くなり「それらのバランスを取るのに苦慮した」(山内主任)と振り返る。試作を何度も重ね、最終的に従来品より25%減塩(塩分濃度5.6%)することに成功。12年8月に「減塩そのまんまちりめん」として商品化した。

同商品は添加物を一切使用せず、素材そのものの成分とうま味を味わえる。薄い塩味なので「何枚でも食べられる」(同)と、減塩加工の効果を語る。「他社の類似商品で減塩にこだわっているものは少ない」(同)と、独自性を持った商品が誕生した。


新たな販売ルートの開拓を目指す

ちりめん漁の様子。近年、ちりめんは不漁が続いているという

ちりめん漁の様子。近年、ちりめんは不漁が続いているという

2015年度には1億4000万円の売り上げ目標を設定している。今後は新たな販売ルートの開拓と、ちりめんの安定確保が課題だ。

同商品の販売価格は500円。従来品に比べて150円高く、手間の掛かった分が価格に反映された形となっている。これまではスーパーなどで販売していたが「従来の消費者にとっては手が出しにくいかもしれない」(同)と、商品特性を生かして新たにドラッグストアや通信販売へ販路を広げたいとしている。

近年、ちりめんの不漁が続いている。漁獲量が商品価格に反映されることはもちろん、事業継続の大きなカギとなるため、安定供給に向けた体制作りも急ぎたいとしている。

コメント

幅広い顧客層をターゲットに販売拡大を目指す

オカベ・岡部光伸社長

オカベ・岡部光伸社長

「減塩そのまんまちりめん」は、サクサクとした食感と豊富なカルシウムを含んでいるが、さらに従来品より塩分濃度を25%減らすことで消費者の減塩・健康ニーズに応えることができた。これにより、幅広い顧客層をターゲットとした販売が展開できるようになった。
 小売市場では、骨煎餅やあじみりんを加工して添加物を加えた魚煎餅など競合商品も多い。しかし「減塩そのまんまちりめん」は添加物を一切使用していないことを徹底している点で、消費者に与えるインパクトは大きいものがあると考えている。

連携体代表者の連絡先

会社名:株式会社オカベ
住所:愛媛県伊予市市場150
電話:089-983-1230
URL:http://www.okabe-group.com/