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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

千葉県

LED光で野菜を育てる小型水耕栽培キット

農業商業
中小企業者 有限会社葉っぱや
農林漁業者 葉っぱや協同組合

家庭で気軽に野菜工場

水耕栽培キット

水耕栽培キット

葉っぱやが開発した水耕栽培キットは、野菜卸売業を営む同社の人気商品「ブーケレタス」などの野菜を家庭で手軽に育てられる“ミニ植物工場”。光源には植物の生育に最適な赤色発光ダイオード(LED)素子を採用。小型で設置場所を選ばない。毎日新鮮な野菜を食べられる上、野菜の緑とLEDのやさしい光が生活に潤いを与える―。市原市で代々農業を営んできた野本社長が20年以上も温め続けてきたアイデアを形にした自信作だ。

ブーケレタスは葉っぱやのオリジナル野菜。非結球レタスをもとに品種改良を重ね、花嫁が結婚式で手にするブーケに葉の形状が似ていることから名付けた。2006年に発売し、現在は野本社長の農園をはじめ「葉っぱや協同組合」に加盟する全国28カ所の農家が栽培している。

ブーケレタスの販売をなんとかして増やそうと腐心していた野本一弘社長。同社を訪れた千葉県の担当者から「農商工連携等事業計画」の制度を紹介されたのをきっかけに、水耕栽培キットの開発に本腰を入れようと決心した。苗の状態で出荷できれば、出荷の頻度が数倍に増やせる。1株当たりの栽培面積も小さくて済む。協同組合に加盟する農家の経営改善にも役立つ。長年のアイデアを、具体化するときが来た。

市内大手企業と連携し実用化へ

キット向けの苗

キット向けの苗

試作段階の光源は蛍光灯だったが、電気代がかかる上にキットが大きくなってしまう。次に市販のLEDをすべて試したものの、植物の生育には向いていなかった。悩んだ野本社長は市原市の紹介を受け、地元に工場を構える昭和電工に協力を依頼。両社でテストを繰り返し、試作機が完成した2009年の3月には農商工連携等事業計画の補助金を活用して国際食品・飲料展「FOODEXJAPAN」に出展。10年3月には商品化にこぎつけた。

完成したキットの大きさは幅45センチ×高さ45センチ×奥行き15センチメートル。苗をセットし、プラグを電源コンセントに差し込むと水や養液が循環し、「ほとんど放っておくだけで」(野本社長)野菜が育つ。一度に3種類の苗を栽培できる。ブーケレタスの場合、育ってから約1カ月間、毎日収穫を楽しめるという。

販売は、リース(会員制)と買い取りの2本建て。会員制はキットを月3000円で貸し出す仕組みで、月に1度定期的に苗を届け、1年間利用した後はキットを無料で提供する。苗と同時に契約農場から取り寄せた野菜や果物を“おまけ”として付けている。沖縄産の「あまSUN」など珍しい果物を付けることもあり、会員に喜ばれているという。現在は約100人の会員がいる。買い取りの場合、3回分の養液や苗を含めて価格は2万9800円。千葉県産業振興センターの協力を得ながら、これまで約320台を販売した。

癒やしと安全・安心の訴求がカギ

当面の目標は、会員を1000人まで増やすこと。東京電力福島第一原子力発電所の事故などを背景に、食の安全に対する関心がかつてないほど高まる中、会員増には追い風が吹いている。とはいえ、室内で野菜を育て、食べるという行為に“癒やし”や“遊び心”という付加価値を実感して、初めて消費者の手は伸びる。長引く不景気もあり、心にそれだけの余裕のある消費者は少ないのも事実だ。「まず飽きさせない工夫が大事。低価格化も課題」と野本社長。「時代を先取りしすぎた」と苦笑しつつも、普及に向け、腰を据えて取り組む構えだ。

コメント

若者が夢を持って取り組める農業を

葉っぱや・野本一弘社長

葉っぱや・野本一弘社長

水耕栽培キットの開発は、率直に言って面白かった。農業に夢が持ちにくい現代。20代の若者が夢を持って農業に取り組めるような成功のストーリーがあってもいい。中小企業基盤整備機構には専門家や企業の紹介、書類作成など有形無形の支援を受けた。キットの販売拡大はまだこれからだが、開発を通じて植物工場というものに理解が深まったのは収穫だ。植物工場と言っても万能ではなく、熱の発生などクリアしなければならない課題は多かった。得たノウハウを、今後の事業展開の指針として生かしたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:有限会社葉っぱや
住所:千葉県市原市海士有木1694−7
電話:0436-36-8888
URL:http://www.happaya.co.jp/