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農商工連携パーク

農商工連携 成果事例ピックアップ

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

秋田県

餅のような米粉麺「こまち麺」

農業工業
中小企業者 株式会社メルコレディ
農林漁業者 菅忠一郎氏ほか

米を蒸練する機械のふたを開けると、白い蒸気が一斉に米粉めん製造室に立ち込める。冷房を入れても31−32度Cになる室内では、平均年齢22歳の若者が額に汗をにじませながら練り上がったばかりで熱い米粉めんをトレーに移す作業を黙々と行う姿がある。あきたこまちを使った米粉めん「こまち麺」を開発したメルコレディ(秋田県湯沢市)では、日常の作業風景だ。

モチモチ感を生んだ蒸練製法

蒸練製法で練り上げ、取り出す様子

蒸練製法で練り上げ、取り出す様子

「こまち麺」は半生めんタイプなのにもかかわらず、生めんのような弾力が特徴となっている。この独特の歯ごたえを出すのに用いた製法が蒸練法だ。国内には米粉めんを製造するメーカーは20−30社程度あるが、そのほとんどが「パスタなどを作るときに用いる押し出し製法で製造している」(土田勝広社長)という。

蒸練製法は、餅などを製造する際に用いる方法で和菓子づくりではメジャーな製法だ。ただ、大量生産するには、練り上がった米粉をトレーに移し替える作業などを自動ラインに切り替えることが必要で、投資を要する。米粉めんを製造する中小メーカーにとっては、手間とコストのかかる蒸練法を採用する障壁は高く、比較的安価な設備で大量生産ができる押し出し製法を採ることが多い。日産トンレベルで製造する企業が多い中で、メルコレディは日産450キログラムと生産量は低いが「コシのあるおいしい米粉めんを食卓に並べたい」という土田社長の経営理念を優先させた。

「新規需要米」を使用

「こまち麺」の製品群

「こまち麺」の製品群

同社が開発した米粉めんには「新規需要米」を使用している。飼料用や米粉用など、用途が主食用米の需要に影響を及ぼさない米で、食料自給率の向上を目的に08年に制度施行された。政府の減反政策が響き、秋田県内の農家の作付面積は「数年のうちで、35%程度減少している」(同)という。同米を使えば自給率向上とともに、「生産調整に苦しむ農家を助けることができる」(同)との思いから、06年4月に開発に乗り出した。土田社長の実家は農家のため、農家が置かれている状況は手に取るようにわかっていた。開発当初は、以前から取引のあった農家6戸からの供給に過ぎなかったが、今では83戸にまで伸びている。

メルコレディが農家と直接取引するのには、"食の安全・安心"へのこだわりがあるからだ。製造元が原料生産者と近ければ近いほど、「安全な製品を消費者に届けることができる」との思いが土田社長にはある。また、食の安全をシステム面でもフォローしている。約100万円を投じトレーサビリティー・システムを導入した。パッケージに印字された数字をパソコンに打ち込めば、生産者などの生産履歴を追うことができる。

独特のモチモチ感やトレーサビリティーという"食の安全"が消費者から共感を呼び、売り上げは08年3月期の1800万円から4500万円(10年3月期)まで伸ばすことに成功した。業績の伸長に伴い、従業員数も当初の2人から13人まで増えた。

展示会を有効活用し販路開拓

中小企業にとって、製品開発以上に難しいのが、販路の開拓だ。独自の販売ルートを持たないため、開発したが売り先が分からず、右往左往する企業が少なくない。

この課題に対して、メルコレディは農商工連携認定で得た補助金を活用している。展示会で、商社や小売業などのバイヤーと積極的に接触し、販路を広げる方法をとっている。各業種のバイヤーが集まる展示会は、自社製品を一気に売り込むチャンスだ。ただ、出展資金を自力でまかなうとすると、中小企業にとっては大きな負担となる。補助金で得た資金を活用することで、年に複数回展示会に出展することが可能となり、商機を逃す危険を低下させることができる。展示会でバイヤーとの関係構築を図り、販路を開拓する方法は解決策の一つといえる。販売ルートを国外にも広げ、将来的には米粉めん文化のある東南アジアや中国への輸出事業も視野に入れている。

コメント

湯沢市の産業もり立てたい

メルコレディ・土田勝広社長

メルコレディ・土田勝広社長

製造ラインが自動化されていないこともあり力作業となるため、若い人が必要となる側面もあるが、同時に雇用を創出し若年層の流出を防ぐという面もある。人が都市部に流れてしまっては、地域は廃れていくばかりで地方経済発展は望み薄になる。「こまち麺」の認知度を高め、一週間に一回は食卓に並ぶようにして、湯沢市の産業をもり立てていきたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:株式会社メルコレディ
住所:秋田県湯沢市御囲地町19
電話:0183-72-9998
URL:http://www.mercoledi.jp/


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