HOME > 事業を広げる > 農商工連携パーク

農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

愛知県

木の良さを生かした耐震工法

林業工業
中小企業者 東陽住建株式会社、東白川製材協同組合
農林漁業者 東白川村森林組合

伝統工法を現代仕様に開発

改良型耐震シェルター工法の模型

改良型耐震シェルター工法の模型

東陽住建(愛知県一宮市、中井修社長、0586-73-3008)は東海地方を中心に、木の良さを生かした木造注文住宅を手がける。「あたたかみがあり調湿機能に優れる木は、日本の気候風土に最適」(中井修社長)と木にこだわる理由を語る。

木造住宅は地震に弱いというイメージを持たれがち。だが、「たくさんの木造建築が今もなお残っているように、本来、木の家は地震に強い」(同)と言う。そこで同社は2007年に、耐震性の高い伝統工法を現代の住宅に合わせた仕様に変えることを思い付き、作業に着手。独自の手法で改良を加え、より耐震性を高めた「改良型耐震シェルター工法」を開発した。

同工法は24センチメートル角の大黒柱4本と、太いはりの木組みでリビングを囲うもの。頑丈な構造で地震の際に建物の倒壊を防ぎ、揺れを吸収する。一般的な住宅に比べて、約5倍の壁強度を持つという。「頑丈なリビングが避難壕(ごう)になり、地震が発生したら家族が逃げ込める場所」(同)と、その役割をアピールする。

同工法に使われるのが岐阜県東白川村の東濃桧。この桧は香りが良く美しいつやを持つのが特徴。寒い気候の中でゆっくりと成長するため年輪が細かく、震災時などに負荷がかかっても割れにくいと言われている。

同社は以前から取引があり、東濃桧を広く普及させたいと考えていた東白川村森林組合(岐阜県東白川村)や東白川製材協同組合(同)と連携体を構成。2組合の協力を得て木材のトレーサビリティー(生産履歴の追跡)を確保し、品質のよい東濃桧を安定的に手に入れる体制を整えた。

地方工務店の活性化に

大径木を用いたリビング

大径木を用いたリビング

昨今、地方の中小工務店を取り巻く環境は非常に厳しい。大手ハウスメーカーとの競争に加え、ここ数年は地方工務店の倒産が相次ぎ消費者が慎重になったためだ。「連携事業として認められたことでお客さんにも安心感を与えられ、事業の活性化につながる」(同)と笑顔を見せる。

しかし、農商工連携の申請に着手した当初は苦労も多かったとか。「書類は専門用語ばかりで、認可を受けるのは無理ではと不安だった」(同)と振り返る。しかし、中小企業基盤整備機構の担当者との密なコミュニケーションと、充実したサポート体制もあって無事に認定を取得した。

同工法による施工実績は、改良前のものも含めるとこれまでに25件。国産材を使った住宅は人気が高く、耐震性に優れている点も評価され、引き合いも多いという。現在、他社への技術供与も進めており、ますます採用件数が増えそうだ。

同社は現在、同工法を既存住宅に組み込む実験にも着手している。今後、増加が予想されるリフォーム需要に対応するためだ。「リフォーム需要向け工法も数年中に実用化にめどを付けたい」(同)と意気込む。「木の家の良さを次の世代に伝えたい」(同)という同社の挑戦はまだまだ続きそうだ。

コメント

細やかな対応と専門性で差別化

東陽住建・中井修社長

東陽住建・中井修社長

家はただ雨風をしのげればよいというものではない。何十年にも渡って家族を育てていく場所だ。大事なのは毎日を安心で快適に暮らすこと。改良型耐震シェルター工法は木の良さを生かしており、暮らしやすい。さらに優れた耐震性も兼ね備えている。地方の中小工務店が置かれている環境は非常に厳しい。大手には決してまねできない細やかな対応と専門性の高さで差別化を図り、荒波を乗り越えていきたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:東陽住建株式会社
住所:愛知県一宮市森本2丁目2の12
電話:0586-73-3008
URL:http://www.toyo-ie.jp/