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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

愛知県

サツマイモと蜂蜜を組み合わせたクリーム

農業商業
中小企業者 有限会社さんぽ道
農林漁業者 古川悦弘、中田養蜂

赤土栽培のサツマイモに着目

サツマイモとハチミツを合わせたクリーム

サツマイモとハチミツを合わせたクリーム

さんぽ道(愛知県豊川市)はサツマイモと蜂蜜を原料としたクリームを開発し、2010年11月に発売した。保存料や着色料などの食品添加物を使わず、サツマイモの風味と蜂蜜のフルーティーな味わいを最大限に生かしたのが特徴。地元産の千両サツマイモを採用し、このイモの新規需要開拓にもつなげ「地元から必要とされる存在を目指す」(市川洋至社長)。

同社は蜂蜜販売店。地元の農産物を活用した商品開発を目指す中、愛知県豊川市千両地区で栽培されている千両サツマイモに着目した。赤土で栽培されるサツマイモは石灰土壌に比べて栽培期間が長いため熟成が進み、うまみが増している。その風味を生かした商品として、ペースト状にしたサツマイモに蜂蜜を混ぜたクリームを考案。パンに塗るスプレッドなどとして売ることにした。

サツマイモの栽培は無農薬での栽培技術を確立していた豊川市の古川悦弘氏が担当。市川社長と古川氏は地元のボランティア活動を通じて知り合った。千両サツマイモを遊休農地で栽培してその保存を目指す千両会(愛知県豊川市)と一緒に栽培している。

バランス重視で味を追求

そのサツマイモと組み合わせる蜂蜜の選択では苦労した。取引のある全国の養蜂場にある蜂蜜でレンゲやミカン、桜などさまざまな種類を試した。そんな中「サツマイモと絡めた時の味のバランスを重視」(市川社長)し、マメ科ソラマメ属の一年草のヘアリーベッチの密を採用した。ヘアリーベッチはミカン畑を雑草から守るために四国では人工的に群生させており生産量を確保しやすいのも魅力だった。連携に参加する中田養蜂(高松市)が、蜂の巣の巣板をそれぞれの花の満開時期ごとに取り換えることで特定の花だけの蜜を採取できるため、この蜜の入手も可能になった。

原料の配合比率でも試行錯誤を重ねた。サツマイモと蜂蜜の比率はもちろん、水やミルクなどほかの原料の比率も含め「風味と甘さのバランスを追求した」(市川社長)。そして、満足のいくクリームができあがった。

農商工連携はクリームの開発を進める中で、地元の豊川信用金庫(愛知県豊川市)から国の事業として紹介された。豊川信金は中小企業基盤整備機構との仲介役も果たすなど、連携事業を裏方として支えた。

クリームは150グラム入りの瓶で価格は820円。主に喫茶店も兼ねたさんぽ道の店頭で販売しているが、サツマイモ収穫後の10−11月から翌年3月までの期間限定商品となる。発売初年度の10年11月−11年3月は2100個を販売した。11年10月−12年3月は4200個を見込むなど、今後は徐々に生産量を増やす方針。

集客は、当初は口コミが中心だったが、今後はインターネットも活用する。11年11月にホームページを開設し、通信販売も始めた。

完熟イチゴやトマトの活用も

クリームの原料となった地元農産物の千両サツマイモ

クリームの原料となった地元農産物の千両サツマイモ

クリームに続く商品として菓子も開発中で13年までに発売する計画。14年にはクリームと菓子を合わせて年商3600万円を目指す。

また、サツマイモ以外の地元農産物で、完熟して集荷できなくなったイチゴやトマトなどの活用を進める。12年春にイチゴを加工したジャムを発売し、さらに12年夏にトマトを加工したデザートを発売する。

イチゴはハチミツ入りのジャムに加工する。トマトは皮をむいてハチミツを浸透させた後、ゼリー状のハチミツと合わせた夏用デザートに加工する。いずれも完熟した農産物の濃厚な味わいを生かした食品になる。

イチゴやトマトは愛知県豊川市で栽培が盛んだが、農家が農協に持って行く過程などで完熟して市場に出荷できなくなるものが出る。特にイチゴは4月以降気温の上昇に伴って急激に完熟しやすくなるという。これを農協から引き取って加工することにした。

コメント

地域のよさを知ってほしい

さんぽ道・市川洋至社長

さんぽ道・市川洋至社長

さんぽ道は、1千人の新規顧客を開拓するより1人のお客さまに1000回来てもらうことを目指している。このため、できる限り地域と連携し、地元の食材を生かしたさまざまな商品を作ることで常に新しい話題を提供するように心がけている。

また、積極的に情報発信することで地域のよさを知ってほしいとの思いもある。農商工連携に認定してもらったことがアピール材料になり、マスコミなどに取り上げてもらう機会が増えた。

農商工連携を元に完熟した農産物を使う発想が生まれた。大量生産する大手メーカーで完熟した農産物を使うのは難しいはずだ。オンリーワンの商品を開発し、地域の活性化に貢献したい。

連携体代表者の連絡先

会社名:有限会社さんぽ道
住所:愛知県豊川市豊津町釜ノ口64-1
電話:0533-93-7422
URL:http://www.sanpomichi.co.jp/