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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

愛知県

地元産のこだわりタマネギを生地に練り込んだスイーツ

農業商業
中小企業者 株式会社亀屋
農林漁業者 木曽川町玉葱採種組合
木曽川町玉葱採種組合・組合長永井英一氏(左)

木曽川町玉葱採種組合・組合長永井英一氏(左)

愛知県一宮市木曽川町は全国のタマネギの種子生産量で約3割のシェアを占める一大産地。同産地の主力品種「超極早生玉葱」は発芽率が95%以上と国内最高水準の品質を誇り、肉厚で甘みのある味が人気だ。種子は主に九州のタマネギ産地に出荷するが、同町で食用タマネギとしても生産する。しかし、採種が主力の産地だけに消費者へのPR不足が課題だった。

木曽川産タマネギの良さを広めたい―。和菓子を製造販売する亀屋(愛知県一宮市)は2011年10月から地元産タマネギを使用したスイーツ「木曽川四季菜(カラフル)サンド」を販売する。

経営理念は“木曽川を世界へ”

木曽川四季菜(カラフル)サンド

木曽川四季菜(カラフル)サンド

同社は37年(昭12年)創業の老舗和菓子屋。全国菓子博覧会のようかん部門で名誉金賞を受賞するなどこだわりの和菓子作りには定評がある。

同社は経営理念に“木曽川を世界へ”を掲げる。「地元に育ててもらった」(岩田高志社長)との思いからだ。これまでも地元出身の戦国武将の山之内一豊の名前を他地域にも広めるため、生せんべい「一豊くん」を販売するなど名産品づくりに取り組んできた。
 以前から昆布を使ったようかんなどユニークな商品も手がけてきた経験から「地元のPRになる」(同)と着目したのが、タマネギだった。だが待っていたのは試行錯誤の連続。タマネギはイチゴ並みの糖度ながら臭いと辛さが強い。タマネギをジャムとして使うなど試作を重ねたが、強い臭いを克服できないまま数年がすぎた。

商品化に向け地元の木曽川商工会(愛知県一宮市)に相談するなかで、タマネギ採種農家で組織する木曽川町玉葱採取組合(愛知県一宮市)と接点ができた。同組合も組合員減少や高齢化に直面しており、「若い就労者確保のためには産地PRが必要」(永井英一組合長)と考えていた。木曽川産タマネギの魅力を発信したいとの思いが一致し、連携体を構成した。

遠赤外線で焙煎

亀屋では再チャレンジにあたり菓子生地に混ぜて使うため、タマネギの粉末化に取り組んだ。だがタマネギは水分が多いため搾り、乾燥させるとカスだけになり、減圧低温乾燥ではタマネギの苦みや臭いも凝縮するなどハードルも高かった。

乾燥機も自作し多くの乾燥法を試す中で、乾燥のあとに遠赤外線で焙煎(ばいせん)する方法を確立。タマネギの甘さを生かしながら臭みを抑えた粉末が出来上がった。  組合も甘みのある独自品種「超極早生玉葱」を提供。さらに甘みを強めたスイーツ用タマネギを作るため土壌や肥料を変え、品種改良を行った。

こうして完成したのが、もちもちした食感の生地に果物や野菜ペーストを挟んだスイーツ。ペーストの味はトマト、カボチャ、ムラサキイモ、ミカン、青ウメにした。「スイーツ専用タマネギの甘さはトマトや青ウメなどの酸味が合う」(岩田社長)とあえて得意な小豆を使わなかった。

販売面では地域で結婚式場を展開するごとういしょう(愛知県一宮市)も連携し、運営するレストランでも提供する。若い世代にPRしたい考えだ。同スイーツは月間2500個ほど売れ、顧客の評価も上々だ。今後はタルトやゼリーのシリーズ展開を予定する。

現在は同社店舗やインターネットサイトでの販売が中心だが、名古屋市内や大手量販店への販売も目指す。販売量を増やすには乾燥工程の能力増強と冷凍技術の向上が課題という。「自作の乾燥機のため、乾燥と焙煎工程に時間がかかる」(同)とシステム化や乾燥室の設置も検討する。

農商工連携については「認定を受けられたのは中小機構の担当者の支援があったからこそ」(同)と語る。参考事例の紹介や手続きのサポートを親身に行ってくれたという。「認定を受けてからが大切と言われた」(同)との声を励みに事業を進める考えだ。

コメント

時代にあった物を提供したい

亀屋・岩田高志社長

亀屋・岩田高志社長

木曽川町産タマネギのおいしさを伝えるため味には徹底的にこだわった。この製品をきっかけにタマネギの魅力を発信できればうれしい。当社は地元に育ててもらっている。これからも菓子作りで恩返しをしていきたい。今後のシリーズ展開ではタマネギのコンポート入りゼリーを製作する。和菓子は購買者の年齢が高い。洋菓子志向が強い若者へのアピールも必要だ。私は洋菓子の学校を卒業しており、洋菓子のエッセンスも取り入れやすい。和菓子文化を伝承するだけでなく、時代にあった物を提供したい。

連携体代表者の連絡先

会社名:株式会社亀屋
住所:愛知県一宮市木曽川町黒田字北宿二の切52
電話:0586-86-4620
URL:http://www.kame-ya.net/