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HOME > 事業を広げる > JAPANブランドで新市場に臨む

JAPANブランドで新市場に臨む 日本の感性はこうして生かされた


全自動鶏卵選別包装システムの製造販売で国内シェア80%、世界シェア20%(第2位)を誇るナベル(京都市南区)。同システムの製造をスタートした時点では、すでに先行するライバル企業があった。今の地位は、後発だからこそ顧客ニーズを真摯に受け止め技術開発に取り組んできた結果だ(写真は、分光分析技術で卵を割らずに血液混入や腐敗を調べる異常卵検査装置)。

安心・安全を求める開発型モノづくり企業

卵を傷つけることなく1 時間に12万卵を処理する全自動鶏卵選別包装システム

卵を傷つけることなく1 時間に12万卵を処理する全自動鶏卵選別包装システム

食品スーパーなどの店頭で、きれいに並んでパック詰めされている卵。実はそのほとんどは、ナベル(京都市南区)の全自動鶏卵選別包装システムでパッキング(包装)されたものだ。ナベルは、全自動鶏卵選別包装システムの製造販売で国内シェア80%、世界シェア20%(第2位)を誇る。

ナベルは1964年、家電製品の生産ライン制御機器メーカーとして創業した。1975年に、超音波振動を応用した卵パックのふたを溶着する超音波シール機を日本で初めて開発。卵パックの自動化を求めて技術開発を進め、1979年には国産技術で初めての鶏卵全自動選別包装システムを製品化した。

良い卵を消費者に届けたいという思いを実現するため、ナベルはさらなる技術開発に励み、卵をパッキングするだけでなく、音響解析で卵のひび割れを検出するシステム、卵の殻に付着した異物を除去し殺菌する洗卵殺菌システム、卵を割らずに血液混入や腐敗を調べるシステムなども開発した。

ナベルの開発型モノづくり企業としての実績は、高く評価され、科学技術庁注目発明賞(1984年、1998年)、経済産業大臣表彰 知財功労賞(2007年)、藍綬褒章(南部邦男会長、2011年)など、数多くの栄誉を受賞している。

鶏卵全自動選別包装システムの海外展開

音響解析で卵のひび割れを検出する自動ひび卵検査装置

音響解析で卵のひび割れを検出する自動ひび卵検査装置

ナベルの海外展開は1992年、マレーシアへの製品出荷から始まった。メイド・イン・ジャパンのブランド力は確かなもので、販売は好調だった。2002年には、他社がマレーシアで持っていた工場と従業員を譲り受け、アフターメンテナンスのために、マレーシアに現地法人を設立。ナベルの海外製造拠点となった。

ナベルは世界トップレベルの高い技術力を持っている。その技術力は、国内外合わせて448件の特許出願と、111件の登録特許によって守られている。そのうえで、ナベルは現地ユーザーの声を聴き、シンプルで操作しやすい、より安価な機械をマレーシア現地とその周辺国に提供している。

また、現地法人は工場長一人が日本人で、他は社長も含め現地の人を採用している。日本で培われてきた高い技術力とローカライズされた製品、販売・マーケティング手法が効果を発揮し、現在、ナベルの機械を納入している国は49カ国、鶏卵全自動選別包装システムの世界シェアは第2位を誇る。

世界トップシェア獲得の鍵は中国にあり

日本発の全自動鶏卵選別包装システムを開発した南部邦男会長

日本発の全自動鶏卵選別包装システムを開発した南部邦男会長

現在のナベルの海外売上高比率は3割ほどだ。それを3-5年後には5割程度にまで引き上げようと考えている。実現するかどうかの鍵は中国だという。

中国では世界の約4割の卵が生産されている。そこには日本の10倍の市場があり、選別や包装は今もほとんどが手作業で、機械化されているのはわずか1-2%ほど。ほとんど手つかずと言ってよい中国市場で、トップシェアを獲得できれば世界1位も不可能ではない。そのためにナベルは、積極的に中国の展示会へ出展している。

中国では食の安心・安全に対する意識の高まりを背景に、鶏卵生産者に対する意識に変化が起きている。食品偽装や毒物問題など社会問題が続く中で、中国政府も動きだし、2009年6月には食品安全法が施行された。

丸山勉社長。今後は中国市場に攻勢をかける

丸山勉社長。今後は中国市場に攻勢をかける

戦後の日本では、食品スーパーなどの発展にともなって規格流通に対応する卵の選別・包装が必要となり、現在の鶏卵選別包装スタイルが確立された。ナベルは、今後中国でも同様に、食品の規格化が起こるのではないかと考えられている。また、昨今の中国における人件費の急激な上昇も、これまで人手に頼ってきた包装の自動化を後押しすると考えられる。

ナベルは今年、世界トップシェア獲得を目指して上海に現地法人を設立する。国内で全自動鶏卵選別包装システムの製造をスタートした時、実は先行するライバルがいた。後追いだったからこそ、真摯に顧客ニーズに対応した技術開発に取組み、努力を積み重ね、国内トップ企業になった。これからは、世界1位のライバルを追いかける立場になる。

卵は世界中のどこでも生産され食されている普遍的で栄養価の高い食材だ。全自動鶏卵選別包装システムをはじめとするナベルの製品は、これからも世界の多くの人たちに安心・安全な卵を届けるために、日夜動き続ける。

企業データ
会社名 株式会社ナベル
代表取締役社長 丸山勉
所在地 京都府京都市南区西九条森本町86
業種 鶏卵の自動洗浄選別包装装置、品質管理装置等の開発、製造、販売等
掲載日:2014年3月28日


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