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HOME > 事業を広げる > JAPANブランドで新市場に臨む

JAPANブランドで新市場に臨む 日本の感性はこうして生かされた


セリック(東京都中央区)の創業者、佐藤秦司氏(現会長)は中学生のころのある経験から、白熱電球と太陽光の違いに気づいた。この時から「太陽光の製作」が夢となった。1986年に世界で初めて、人工太陽光照明灯の開発に成功。世界一の性能を求めて、大手自動車メーカーやカメラメーカーはこぞって、同社の人工照明灯を採用している。

少年時代の夢を実現するために開業

人工太陽照明灯の開発者である佐藤泰司会長

人工太陽照明灯の開発者である佐藤泰司会長

創業者である佐藤秦司氏(現会長)は中学生のころ、白熱電球の下で夏休みの宿題をしていると、思っていた色と違っていた。この経験から白熱電球と太陽光の違いに気づき、太陽光の製作という夢を描いたという。

少年のころからモノづくりが得意だった佐藤秦司氏は、大手電機メーカーに就職、エンジニアとして漁業用サーチライト(探照灯)などの開発にたずさわり、世界で最も遠くを照らすサーチライトを開発した。このサーチライトの製作からヒントを得て、人工太陽光の製作のため1984年に独立し、セリック(東京都中央区)を創業した。


世界で初めて人工太陽照明灯を開発

佐藤秦司氏は、さまざまな実験を繰り返した結果、1986年に世界で初めて人工太陽照明灯の開発に成功、翌年の1987年4月に商品化した。自然太陽光の再現に徹底的にこだわり、「色彩を正確に見るための光源とはどうあるべきか」をまとめた論文「色彩評価用光源の条件」を1993年の「色彩工学コンファレンス(日本光学会)」や、1997年の「国際色彩学会」などでも発表した。学会発表したことで国際的にも評価され、海外からも問い合わせが来るようになった。

セリックの人工太陽照明灯(写真は100Wと500Wの人工太陽照明灯)

セリックの人工太陽照明灯(写真は100Wと500Wの人工太陽照明灯)

人工太陽照明灯とは、自然太陽光を忠実に再現した照明器具だ。色彩は照明の光によって微妙に違って見えるため、モノが持つ本来の色を再現することが求められる業界では大きな問題となっていた。

人工太陽照明灯の出現により忠実な色を再現することが可能となり、美術館、百貨店、スタジオ、電機メーカー、カメラメーカー、化粧品、塗料調色、自動車メーカー、医療分野など幅広い業界・業種で、展示・撮影・研究開発などの用途で、人工太陽照明灯が使われることとなった。また企業規模を問わず、大手の自動車メーカーから町の板金修理工場まで、同製品のユーザーの裾野は広い。

セリックが開発した人工太陽照明灯の社会に対する貢献度は高く、その開発者である佐藤泰司氏には、科学技術長官賞(1992年)、黄綬褒章(1996年)、東久邇宮記念賞(2009年)など数多くの栄誉が授与されている。

海外展開で見えてきた課題

セリックの人工太陽照明灯(写真はさまざまな条件を想定した太陽光をつくり出す「ソーラシミュレータ」)

セリックの人工太陽照明灯(写真はさまざまな条件を想定した太陽光をつくり出す「ソーラシミュレータ」)

一般には、ソーラーライトなど太陽光と称する類似品はあるが、自然太陽光を厳密に再現しているという観点で見ると、他に競合はないという。世界一の性能を求めて、大手自動車メーカーやカメラメーカーはこぞってセリックの人工太陽照明灯を採用している。

同社の人工太陽照明灯は毎年コンスタントに売れているが、大きく売り上げを伸ばすには国内マーケットだけでは限界があるという考えから、ある展示会に出展した。すると韓国から視察に来ていた複数の商社から「これは面白い、ぜひ扱わせてほしい」という話があった。

また近年では、海外展開している日系企業から、「現地でも使いたい」という話が増えてきている。日本の企業と技術協力関係にある海外の企業からも、口コミで引き合いが来るようになった。

佐藤郁夫社長。海外に自ら足を運び、現地の代理店に営業ノウハウを伝授した

佐藤郁夫社長。海外に自ら足を運び、現地の代理店に営業ノウハウを伝授した

海外からの引き合いは、アジア、ヨーロッパ、北米、南米、中東、とほぼ世界中から来ている。とくに韓国や台湾など、アジアからの引き合いは多い。ただ、海外マーケットでの展開には課題があった。

国内では、電機、カメラ、自動車、化粧品、ファッション、美術、食品、医療などの分野ごとに営業方法を変えて販売活動を展開してきた。セリックの強みは、高い技術力だけでなく、地道な努力によって蓄積されてきた業界ごとにおける営業ノウハウを持っていることだ。しかし、海外の販路を開拓しようと思った時に提携する現地の販売代理店には、その営業ノウハウがなかった。そのため、佐藤郁夫社長自らが海外に足を運び、現地の販売代理店の営業担当者と一緒に営業をしながら、彼らへの教育も行った。そうすることで、販売代理店との関係も強いものになり、売り上げも確実に上がっていった。

さらなる販路拡充とブランド力強化へ

佐藤社長は、「今後はアジア中心ではなく、アメリカやヨーロッパへの販路を拡充していきたい」と語る。セリックには、世界的に有名な日本の自動車メーカーやカメラメーカーでの採用実績がある。セリックの信頼に加え日本メーカーがこぞって採用しているということが、セリックのブランド力を高めている。

世界において最も普遍的な光である太陽光。今後の海外での販路開拓で、セリックの生み出す人工太陽の光が世界中で活躍する日も近い。

企業データ
会社名 セリック株式会社
代表取締役社長 佐藤郁夫
所在地 東京都中央区入船三丁目1-2-505
業種 人工太陽照明灯等の開発・製造・販売等
掲載日:2014年3月27日


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