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JAPANブランドで新市場に臨む 日本の感性はこうして生かされた


日本の工業用ガラスの幕開けは、明治時代に政府がイギリス人技術者を日本に招へいした時にさかのぼる。技術の伝承を受けた一人に、岡本硝子の創業者の義父・岩城滝次郎氏がいた。1928年、岡本硝子の創業者・岡本一太郎氏は父からガラス製造の技術を受け継ぎ岡本硝子を創業。常に時代の最先端製品を開発し、世界シェアトップの製品を供給し続けている。

日本の工業用ガラス時代の幕開け

1928年の創業当時はカットグラスや工業用ガラスを生産していた(写真は「フライアイ(複眼)レンズ」)

1928年の創業当時はカットグラスや工業用ガラスを生産していた(写真は「フライアイ(複眼)レンズ」)

常に時代の最先端製品を開発、生産してきた岡本硝子は、世界に先駆けた技術力を武器に世界シェアトップの製品を供給し続けている。

日本の工業用ガラスは、明治時代に始まった。日本には古くからビードロと呼ばれる工芸品はあったが、工業用ガラスについては、明治期に入った時に、政府がイギリスから技術者を招へいして日本の若い職人たちに技術を伝えた。その若者の一人が、岡本硝子の創業者の義父、岩城滝次郎氏であった。

岡本硝子の創業者、岡本一太郎氏は父からガラス製造の技術を受け継ぎ、1928年(昭和3年)東京都江東区大島町に岡本硝子を創業した。当時は、カットグラスや工業用ガラス製品を生産していた。日本の造船業が隆盛だったころは、船舶用ガラスで国内シェア約80%を占めていたほどだ。

薄膜蒸着工程を内製化したことがターニングポイントになった(写真は「プロジェクター用反射鏡」)

薄膜蒸着工程を内製化したことがターニングポイントになった(写真は「プロジェクター用反射鏡」)

1984年、それまで外注していた薄膜蒸着(コーティング)工程を内製化するために、真空蒸着機を導入した。このことが、岡本硝子が大きく成長するターニングポイントとなった。

単にガラスをつくるだけではなく、そこに多様な付加価値を加えるようになったことで、岡本硝子の主力商品「プロジェクター用反射鏡」と「フライアイ(複眼)レンズ」、そして「歯科治療用デンタルミラー」の開発につながった。これら3製品はすべて、それぞれのマーケットで世界シェアトップを誇っている。

職人技とテクノロジーの融合

職人の動きを研究し開発された「ガラス巻き取りロボット」。ガラス製造の自動化に成功した

職人の動きを研究し開発された「ガラス巻き取りロボット」。ガラス製造の自動化に成功した

ガラス製品は原料を調合し高温の炉で溶かし、それを巻き取り、金型に流し込んで成型される。まさに職人の腕に左右される作業だ。岡本硝子は、この職人の動きを研究し、1990年にオリジナルの「ガラス巻き取りロボット」を開発、ガラス製造の自動化に成功した。

新しい製品を開発する時は、職人が肌感覚で、トライ&エラーを繰り返しながら進めていく。そうして完成された職人の動きをプログラム化し、「ガラス巻き取りロボット」に移し自動化する。この「ガラス巻き取りロボット」は同業他社や海外に向けても販売している。また、2000年には生産能力の高い連続溶融炉を導入し、安定した大量生産体制を築いた。

岡本硝子は研究開発から製造までを一貫して行う日本でも数少ない開発型のガラスメーカーだ。どこまでも高品質を追求する姿勢が、世界トップシェアを獲得しえた原動力だ。

常に時代の最先端を切り拓いてきた

岡本硝子はナノレベルでの薄膜蒸着処理を可能にする表面処理技術を開発。「歯科治療用デンタルミラー=写真」には、同技術が用いられた

岡本硝子はナノレベルでの薄膜蒸着処理を可能にする表面処理技術を開発。「歯科治療用デンタルミラー=写真」には、同技術が用いられた

岡本硝子は、さまざまな研究開発の結果、今ではナノレベルでの薄膜蒸着処理を可能にする最先端の表面処理技術により、光をコントロールすることができるようになった。例えば、「歯科治療用デンタルミラー」にも同技術は使われ、鏡が照明を反射すると光が当たった患部が熱るが、岡本硝子はその熱を薄膜で制御する技術を開発した。コールドミラーと呼ばれるこのガラスの国内シェアは90%、世界シェアは72%になっている。

また、1996年には「結晶化ガラス」という新素材の開発に成功し特許を取得した。岡本硝子には、永年にわたって積み上げてきた調合のデータベースがある。貴重な経営資源を活かして、「結晶化ガラス」の開発、通常の耐熱ガラスの2倍の超耐熱性を実現した。このガラスは、現在、高熱に耐える必要のある「プロジェクター用反射鏡」に使われている。「プロジェクター用反射鏡」は、世界シェア約48%になっている。

同じくプロジェクターに使われている「フライアイ(複眼)レンズ」は、世界シェアが約64%。現在、プロジェクターはビジネス用を中心に教育用など、幅広い用途があり、マーケットは国内だけではなく海外でも規模は堅調に推移している。

新たな取り組み

岡本毅社長。高い職人技や技術・開発力を生かして世界中に新しい製品を提供していく

岡本毅社長。高い職人技や技術・開発力を生かして世界中に新しい製品を提供していく

研究開発型企業として成長してきた岡本硝子の躍進は止まることがない。現在は、ガラス偏光子やガラスフリット、機能性薄膜などの用途を想定した製品開発に取り組んでいる。

また、産学官連携事業として、下町の町工場が中心となって世界に挑む「江戸っ子1号」プロジェクトにも参加している。「江戸っ子1号」は、深度8000メートルまで潜水し海底の試料採取と画像撮影を行う深海探査ロボット。同プロジェクトで、岡本硝子は800気圧という過酷な環境に耐え得るガラス球の開発に成功し、ロボットに採用されることになった。このガラス球については、「江戸っ子1号」での使用だけではなく、地震計測器を海底に沈めたり、原子力発電所の近海に放射能測定器を沈めたりする際に使用されるなど、新たな用途が期待されている。

明治期から積極的に未知なる市場を切り拓いてきた岡本硝子。2003年にはJASDAQ市場への上場も果たした。これまで鍛え続けてきた職人技と高い技術力、開発力を生かして、今後も世界中に新しい製品を提供していく。

企業データ
会社名 岡本硝子株式会社
代表取締役社長 岡本毅
所在地 千葉県柏市十余二380
業種 光デバイス用ニューガラスと多層膜蒸着製品等の製造・販売
掲載日:2014年3月25日


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