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JAPANブランドで新市場に臨む 日本の感性はこうして生かされた


ビルの6階に相当する高さ18メートルから生卵を落としても割れない衝撃吸収素材「アルファゲル」の開発で知られるタイカ(東京都港区)。同社はこの製品だけでなく、「アルファゲル」の技術を生かした床ずれ防止マットレスや、水圧転写による曲面印刷技術の開発にも成功。暮らしに役立つ技術と製品をひっさげて、海外市場に打って出ている。

新技術・新素材「水圧転写による曲面印刷/『アルファゲル』」を開発

「タイカが開発した曲面印刷の技術は、さまざまな場面で利用されている(写真は、自動車の木目調内装。2008年9月)」

「タイカが開発した曲面印刷の技術は、さまざまな場面で利用されている(写真は、自動車の木目調内装。2008年9月)」

ビルの6階に相当する高さ18メートルから生卵を落としても割れない衝撃吸収素材『アルファゲル』を1984年に開発したタイカ(東京都港区)。技術開発型企業としての歴史は古く、1974年には、水圧転写による曲面印刷技術の開発に成功している。その技術はスポーツシューズ、床ずれ防止マットレスから自動車の内装まで、幅広く生活の中に溶け込んでいる。タイカは独自の技術開発力を生かして、世界各国の人たちの暮らしに大きな貢献を果たしている。

タイカが開発した曲面印刷は、多彩な図柄を印刷した特殊フィルムを水面に浮かべ、水圧で立体的な形状物へ転写し印刷するというものである。この曲面印刷技術は、自動車の内外装をはじめ、家電、携帯電話、インテリアなど幅広い分野で採用されている。

例えば、自動車に「木目調の内装」が施されている。最新技術では、印刷した樹脂の表面に本物の木と同じように細かい凸凹を付けることが可能になった。加工が施されたものに実際に触れても、本物の木としか思えない。カーデザインの世界には毎年のように新しいデザインが生まれ進化している。タイカは独自の技術力で、世界各国の大手自動車メーカーから「無くてはならない存在」として認められている。

一方、『アルファゲル』はシリコーンを主原料とする非常に柔らかいゲル状の素材で、衝撃吸収性や防振性、放熱性などに優れ、さまざまな用途に使われている。

例えば、スポーツシューズや筆記用具、パソコンやデジタルカメラなど、広く私たちの暮らしの中に溶け込んでいる。「生卵を落としても割れない」というテレビCMを覚えている人も多いだろう。

開発のヒントは生活の中にあった

多機能素材『アルファゲル(R)』は、スポーツシューズから精密機械まで、幅広い製品において利用されている。(写真は振動を除去する防振材インシュレーター)

多機能素材『アルファゲル(R)』は、スポーツシューズから精密機械まで、幅広い製品において利用されている。(写真は振動を除去する防振材インシュレーター)

上記の曲面印刷と『アルファゲル』とも、開発秘話は有名である。曲面印刷は「開発者が薬をオブラートに包んで飲もうとしたとき、誤ってそのオブラートを水の入ったコップの中に落としてしまった。急いで取り出そうとしたところ、指にそのオブラートが張り付いていた」。この経験した瞬間、開発者は3次元形状物への印刷方法を思いついたという。

一方、『アルファゲル』は「開発者が風邪をひき寝込んでいた時、氷枕の交換を頼まれた人が冗談で、溶けてゲル状になった氷枕を投げたが、それが頭に直撃しても痛くなかった」。この経験がゲル状の衝撃吸収素材を開発する契機になったという。

いずれの開発もヒントは生活の中にあった。日常の中からヒントを得て開発された技術や製品が今、私たちの暮らしに役立っている。

海外の成長市場に進出

曲面印刷はライセンスを他社に付与する形で、積極的な海外展開を進めている。海外には現在、アメリカ、ヨーロッパを中心に20カ国以上、約80カ所のライセンス加工拠点を持ち、世界各国のマーケットからの要望に応えている。もちろん、タイカ独自の展開も進めている。中国では2003年に、天津に工場を設立して事業展開している。また、アメリカには2006年に販売子会社を設立した。

『アルファゲル』では、2002年に中国蘇州市に大規模な工場を設立、2012年にはカンボジアのプノンペンに工場を設立した。2015年にはASEAN加盟国内の関税が撤廃される。さらに、6億人規模のASEANマーケットが消費マーケットとして成長することが見込める。タイカは、中国とASEANという二つの巨大市場への足がかりをすでにつくっている。

新規事業で中国の介護市場に挑む

『アルファゲル(R)』の技術を用いて床ずれ防止マットレス『アルファプラ(R)』を開発。中国の巨大介護マーケットを見据えた海外展開も開始している(写真は、床ずれ防止マットレス『アルファプラ F(R)』)

『アルファゲル(R)』の技術を用いて床ずれ防止マットレス『アルファプラ(R)』を開発。中国の巨大介護マーケットを見据えた海外展開も開始している(写真は、床ずれ防止マットレス『アルファプラ F(R)』)

タイカは『アルファゲル』の技術を用いて、床ずれ防止マットレス『アルファプラ』も開発している。同製品は体圧を効率よく分散させ、床ずれを防止する。タイカは『アルファプラ』を第三の主力商品として、ウエルネス事業を立ち上げた。国内ではすでに、全国の医療介護施設と連携して、年間約1000回の床ずれ防止セミナーを実施し啓蒙活動を行っている。

タイカが今、注目しているのは中国の介護マーケットだ。上海の現地法人で営業を進めるほか、2013年には北京に駐在員事務所を設立している。今後、高齢化を迎える中国の巨大介護マーケットは急速に拡大していくと言われている。カンボジアに工場を設立したのと同様、先を見据えての戦略である。

タイカという社名には“世界に大きく羽ばたき(大翔)、大きく進化を遂げ(大化)、大輪の花を咲かせる(大華)”という願いが込められている。その名のとおり、独自の技術力で、私たちの暮らしに無くてはならない商品を開発し続け、世界に大きく貢献しているタイカ。私たちが気づかないところで今もタイカの製品が活躍しているに違いない。

企業データ
会社名 株式会社タイカ
代表取締役社長 鈴木大登
所在地 東京都港区高輪2-18-10
業種 多機能素材事業、ウエルネス事業、曲面印刷事業等
掲載日:2014年3月12日


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