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JAPANブランドで新市場に臨む 日本の感性はこうして生かされた


高品質な「ものづくり」を支える日本的感性―「衛生陶器」TOTO
1917年の設立当初から「海外に自社の技術や製品を輸出したい」との思いから社名に『東洋』をつけた東洋陶器株式会社(現TOTO)。1977年に海外進出を果たして以降、米国や欧州など世界各国に拠点を設けている。ブランド確立を支えたのは「気付くこと」だった。

創業当時から海外展開を視野に

TOTO株式会社は、日本陶器合名会社(現在の株式会社ノリタケカンパニーリミテド)の衛生陶器部門が分離独立してできた会社である。創業者の大倉和親氏が海外視察に訪れた折に、水洗トイレは日本でも必要とされる時代が来ることを確信し、1912年から2年間の研究の結果、国産衛生陶器の第1号の開発に成功、1917年に東洋陶器株式会社(現在のTOTO株式会社)が設立された。

設立当初から「海外に自社の技術や製品を輸出したい」という思いから社名に『東洋』とつけ、本社も外国との距離が近い北九州市小倉にした。TOTOが初めて海外に進出したのは1977年。海外の現地企業からTOTO製品を扱いたいという熱烈なオファーがあり合弁会社を設立した。それ以降、アメリカ、中国での展開を果たしている。

高品質な「ものづくり」を支える日本的感性

ウォシュレット1号機

ウォシュレット1号機

TOTOの「ものづくり」は、「気付くこと」から始まる。消費者による水まわり製品の使われ方を観察し、様々な場面を想定し、必要とされているものに気付くこと。実は、この「気付くこと」は、日本人の得意とすることだと考えられる。日本人は、欧米人に比べ右脳で物事を捉えることが多いと言われている。例えば、虫の声、鳥の声、川のせせらぎの音など、これらを日本人は感性をつかさどる右脳で捉えるが、欧米人は理性をつかさどる左脳で捉えノイズとして認識するのだという。この日本人の強みとする感性・感覚を基に、TOTOの製品開発はスタートしているのである。『ウォシュレット』などは、まさにこの日本人の感性・感覚が生み出した世界に誇る発明品だと言って良いだろう。

同社をグローバル企業に押し上げた秘訣(ひけつ)のひとつは、この日本的感性を製品で具現化できる技術力の高さにある。

例えば、2002年にアメリカのNARBという第三者機関がアメリカに流通している水洗便器について、表記通り6Lの水量で流れているかどうかを実験したところ、流れる水量の正確さでTOTO製品がベスト3を独占した。すると、「よく流れ洗浄能力の高い便器」として評判となり、一気に流通量が拡大した。同様の調査は中国でも実施されたが、こちらでも1位、2位を独占した。中国ではTOTOはすでに名の知れたメーカーだが、改めて品質の高さを認識させることになった。

今年中国で開催されたアジア最大規模の国際見本市「Kitchen & Bath China 2013」では、光触媒技術「ハイドロテクト」を衛生陶器用に応用した新光触媒技術「Actilight(※)」を搭載したウォシュレット一体形便器を展示した。

TOTOのグローバル戦略

ロンドン直営ショールーム外観

ロンドン直営ショールーム外観

TOTOのグローバル戦略のキーワードは『地産地消』。日本で生産された製品をそのまま海外で販売するわけではない。また、海外の工場は日本の生産拠点として位置づけられているわけでもない。その地域の工場で地域のニーズや生活習慣を踏まえたデザインがなされ、現地の工場で生産し販売する。

例えば、ヨーロッパではシンプルで角ばったデザインが好まれる。トイレや浴槽のある部屋は大きく、引き出しなどを備えた家具のような製品も求められる。石造りの家が多いため、トイレは壁に取り付けられている。

一方中国では、内装は派手だがデザインはシンプルで大きめの便器が好まれてきたが、最近ではヨーロピアンスタイルを好む人もいるという。それぞれの国や地域で好まれるスタイルでなければ、手に取ってもらうこともできない。

TOTOにおけるグローバル企業の定義は、単にシェアを取ることではなく、その国で必要とされる企業であることである。他社にない技術やデザインで、「やはりTOTOはこの国に必要だ」と言われることだ。

戦略的にブランドを確立

ロンドン直営ショールーム内観

ロンドン直営ショールーム内観

もっとも、高い技術力を持っているだけで世界に認知されることは少ない。日本では圧倒的なシェアを誇るが、海外ではTOTOというブランド自体知られていないケースも多いという。そこで、まず初めに、TOTOブランドと製品を知ってもらうため、国際空港や高級ホテルなどの著名物件に導入してもらうべくプロジェクト営業を行う。著名物件に導入されることで、富裕層が商品に接する機会をつくる。そうして彼らに利用してもらうことで、製品の高級感や使いやすさ、デザインの素晴らしさなどを体感してもらい、良いブランドイメージを持ってもらうことができる。

例えば、中国では1979年に北京市にある釣魚台(ちょうぎょだい)国賓館に初めてTOTO製品が導入された。現在は一般客も宿泊可能とのことだが、2000年までは国内外の賓客のための迎賓館だった。その後35年ほど経過した今では、中国国内に4カ所の直営ショールームを展開するに至った。

海外展開を加速させるために、TOTOは海外拠点で開催される展示会にも積極的に出展している。2009年3月には、ドイツのフランクフルトで開催されたISH(国際衛生・冷暖房設備専門見本市)に初参加した。2年に1回開催されるこの展示会には、世界各国のバイヤーや設計士などが集まる。出展企業の多くはこの展示会を新商品のお披露目の場としている。TOTO製品が流通していない中東やロシアなどからも来場しているため、ブランドの認知度を高める絶好の機会だ。

その国のTOTOでありたい

ジャパンブランドが注目されるようになったのはここ4、5年のことだが、そのはるか前から海外市場の開拓に取り組んできたTOTOは、2017年に創業100周年を迎える。真のグローバル企業となるために、積極的に海外展開を推進している。見本市を活用した積極的なPRに加え、販売チャネルの拡大、ショールームの展開も加速している。「その国のTOTOでありたい」と現地化にこだわるTOTOの取り組みは、ジャパンブランドが海外市場に浸透するための近道なのかもしれない。

※日本での発売は未定

企業データ
会社名 TOTO株式会社
代表取締役社長 張本邦雄
所在地 福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1
業種 住宅設備機器等の製造販売
掲載日:2013年10月 9日


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