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HOME > 事業を広げる > JAPANブランドで新市場に臨む

JAPANブランドで新市場に臨む 日本の感性はこうして生かされた


世界で安定的に求められ続けるブランド―「GEISHA缶詰」川商フーズ
川商フーズ株式会社は、コンビーフで有名な野﨑産業株式会社と川鉄商事株式会社が合併、食品事業部門を承継し設立された現JFE商事傘下の食品専門商社である。オリジナルブランドとして、国内では『Nozaki’s』、海外では『GEISHA』を展開している。とくにGEISHAは、日本品質で長い間生産され続けている缶詰であり、海外の顧客から安定的に支持されるブランドとしての地位を確立している。

GEISHAブランドの誕生

GEISHA缶詰は、前身の野﨑産業で1911年に誕生した商品で、今年で102年の歴史を持つ。当時は日本産のカニ缶詰をアメリカに輸出していたが、日本のイメージを強く打ち出すためにGEISHAという名前が付けられた。この缶詰のラベルや蓋部分には、名前のとおり芸者の絵があしらわれている。

西アフリカではGEISHA缶詰が山積みにして販売されている

西アフリカではGEISHA缶詰が山積みにして販売されている

第一次世界大戦時にはヨーロッパからの注文も多く相次いだ。海外展開を始めた当時は社員が缶詰をリュックに詰めて各国へ赴き販売をしていたという。GEISHA缶詰は、現在ではアメリカ、ヨーロッパ、中東、中国、西アフリカ地域の20カ国以上で流通しており、その種類もツナ缶、サバ缶、果実缶、野菜缶、フルーツカップと増えている。


中東での展開のきっかけは、あるアメリカのエンジニアがオイル関係の仕事でサウジアラビアを訪れた際に、GEISHAのツナ缶詰を持ち込んだことだったという。その後、口コミで評判となり中東での展開につながった。

GEISHA缶詰は日本では販売されていないが、在日外国人の人達からの要望により、ツナ缶詰のみ数件の都内のスーパーで販売されている。今やGEISHA缶詰は、サウジアラビアへの出張時に持参したアメリカのエンジニアだけでなく、海外の多くの人に求められる食品となっていることは間違いない。

「日本品質」へのこだわり

サウジアラビアをはじめとする中東地域で流通しているGEISHA缶詰

サウジアラビアをはじめとする中東地域で流通しているGEISHA缶詰

GEISHA缶詰は全て日本で製造していたが、人件費の高騰や原材料の安定的な確保が難しくなったことから現在は一部の缶詰を除き、ほとんどが東南アジアの提携工場で生産されている。GEISHAブランドと日本品質を維持するため、品質管理体制も確立されている。生産工程では、業務委託契約した専門家が品質チェックにあたり、中国で展開する複数の工場においては検品員を増員し常駐させている。 食材として使用しているサバやトマトは季節などの外的要因によって品質が異なるケースもある。たとえば、季節によって魚肉が硬かったり柔らかかったり、トマトソースが濃かったり薄かったりする場合がある。これら食材の状況に応じて、殺菌時間やソースの濃度などを適宜調整して、商品の品質・味が落ちないよう管理されている。

サウジアラビアをはじめとする中東地域で流通しているツナ缶詰は、日本で獲れたビンナガマグロを使用し静岡県の工場で生産しているため「PRODUCT OF JAPAN」と記載されている。東日本大震災後は放射能の影響を危惧する声もあったため、自主検査を行って証明書も添付して納品していた。 また現地スタッフは、販売している商品が同じ味や品質を保っているのかどうかを確認すべく、常に市場調査を行っている。店舗オーナーや消費者から話を聞いて、売れ行きに変化があった場合は原因の究明の調査を実施して、素早い改善策等を講じている。

GEISHAブランドと日本品質を守るため、地道な努力が続けられているのである。

ガーナとナイジェリアでは国民食な状態

100年以上の歴史を持つGEISHA缶詰

100年以上の歴史を持つGEISHA缶詰

GEISHA缶詰の西アフリカでの歴史は60年以上となる。当時はロンドン駐在員がリュックに商品を入れて売り歩いたそうだが、地道な努力が実を結びガーナやナイジェリアでの知名度は抜群である。ここで流通しているのはサバのトマト漬けだ。祖父の代から食べ続けられている味であり、今では、サバのトマト漬けと言えばGEISHAと言われるほど浸透しているという。

ガーナでトマトが収穫できることも影響しているためか、西アフリカではトマトスープの料理が多い。ナイジェリアでは1976年の石油産業景気を機に爆発的に売れ始め、1981年には4億缶も売れたという。これは当時、ナイジェリア国内で流通していたサパ缶詰の90%のシェアを占めていた。

しかし、政府による贅沢品の一時輸入制限措置や日本でのサバの漁獲量減少の影響を受け販売数量は減ったが、それでもナイジェリア国内サバ缶詰流通量の60-70%のシェアを占めている。GEISHA缶詰が今でも圧倒的なシェアを握っていることには変わりがない。

No.1ブランドだからといって、ずっと売れ続けるわけではない。トップブランドを維持するための努力も欠かせない。商品は現地代理店を通じて販売されているが、代理店との関係構築も重要な要素だ。

GEISHA缶詰の告示看板には偽物への警告も描かれている

GEISHA缶詰の告示看板には偽物への警告も描かれている

長くビジネスを続けていると馴れ合いが生まれ緊張感も無くなりがちだが、常に緊張感を維持できるよう努めている。川商フーズと代理店がそれぞれ市場調査を行って結果を検証し合うという取り組みもその一環だ。

プロモーション費用については川商フーズが負担をしているが、あくまでも代理店自身でプロモーションを行っているような打ち出し方をしている。このような取り組みにより、緊張感を保ちつつも良好な関係を構築しているのだ。

GEISHA缶詰のサバのトマト漬けには類似商品も存在する。本物であることをアピールするため、各地に看板も設置している。ブランド名もラベルも一目見ただけでは分からないような商品で、本物よりも安く販売されている。

しかし、GEISHA缶詰は決して安売りをしない。時折「3個購入すると1個サービス」というような販促キャンペーンは行っているが、値下げをして販売することはないという。これもGEISHAブランドを守るために重要な事だといえる。

より認知度を高めるために

GEISHAブランドが誕生して100周年を迎えた2011年。川商フーズは、それまでの感謝の気持ちを伝えるべく、ガーナとナイジェリアの子供たちに机と椅子のセットを3,000セット、サッカーボール900個、GEISHAトマト漬けサバ缶詰25,000缶を贈呈した。西アフリカの将来を担う子供達の成長を願った上での社会貢献活動だ。 川商フーズでは子供達の栄養改善を図ることと、認知度を高めるため、今後は給食事業にも参入したいと考えている。また、将来的には現地の食材を使い、現地の工場で生産した商品を、現地で販売したいとも考えている。全ての工程を現地で行うことができれば、価格も下げることができ、より多くの人に商品を届けることができるようになる。現在、実現化に向けて様々な調査を実施しているという。

西アフリカ以外で注力するのは中国市場だ。既にいくつかの日系または外資系スーパーマーケットでGEISHAブランドの果実の缶詰が陳列されている。中国においては日本製品に対する信頼感も強いため、今後販路を拡大していきたいと考えている。

企業データ
会社名 川商フーズ株式会社
代表取締役社長 米田孝平
所在地 東京都千代田区大手町2-7-1
業種 食品専門商社
掲載日:2013年10月 9日


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