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航空機市場への参入を目指す企業に向けた初歩の初歩

航空機産業への参入メリットは何か

航空機産業は成長分野の1つとして位置づけられています。では、航空機産業に参入した場合にどのようなメリットがあるか列挙してみます。まず、市場規模ですが、2013年の需要予測で世界の民間航空機の市場動向は、現在の2万0,310機が20年後には4万1,240機と約2倍の伸びが見込まれています。次に、航空機製造に関しては高い技術力が必要となり、他分野への技術波及効果が得られます。さらに品質についても航空機特有の品質マネジメントが要求されるため、高い品質体制が構築できます。また、航空機は受注生産であるため、5年、10年といったスパンでの事業計画を立て易いことも特徴です。このように市場の成長性、高い技術力および品質が得られること、生産計画が長期に亘り策定できることがメリットと言えます。

航空機産業への参入分野はどこか

航空機産業は市場が大きくなる分野であるため、いろいろな分野での参入が期待できます。モノづくりの観点より、製造に関して細分化してみます。
航空機本体は、構造部品と装備品に分かれます。エンジンも装備品の部類です。構造部品を組み立てる治具も必要になります。また、国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」のような開発がある場合は、試験治具や計測器も必要になります。
航空機も民間輸送機のような固定翼機もあればドクターヘリのような回転翼機もあります。加工方法では、切削加工(マシン加工)、板金加工が主となります。材料ではアルミが主で近年は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)も多くなっております。このほかにチタン材も使用が増えています。これらすべてが参入可能な分野となります。

経営者の心構えはどのようなものか

航空機産業への参入に当たっては、どのような心構えが必要となるでしょうか。まず、なんといっても航空機産業で事業を行いたいという熱意です。
航空機事業は長い目で事業計画を考える必要があります。従って、『現在行っている業種が不調だから、今後成長が見込める航空機産業に参入して手っ取り早く稼ごう』といった気持ちでは、自社のモノづくりの体質改善が継続できず、途中でやめてしまう結果になると思われます。次に、高い品質を保持するには誠実なモノづくりが必要となります。安全が第一との考えでのモノづくりです。また、決められた工程や検査を1つ1つ実行していく堅実さが要求されます。

自社の体制整備を進める際の流れ

自社の体制整備はどこから行えばいいのか製造業に絞って説明します。最初に挙げられるものは、安全教育です。モノづくりの意識改革が一番です。とは言っても、すぐに行えるものではなく、時間をかけて養っていくしかないと思われます。
次に、自社にとって航空機事業がどのような位置づけかを明確にします。その上で参入する分野での事業計画を策定します。その中で、自社の強みを活かせる仕組みづくりを検討します。不足している経営資源を洗い出し、補充をどのように行っていくかを計画に落とし込んでいきます。設備導入計画、必要な資金計画を5年スパンでの事業計画に組み入れ、実行に移していきます。そうすることで、自社の体制整備の骨格ができます。

JIS Q 9100やNadcapについて

航空機に特有な品質マネジメントシステムについて説明します。一般的な品質マネジメント規格のISO9001に、航空宇宙産業固有の要求事項を追加したものがJIS Q 9100です。キー特性管理、形態管理、変更管理等があります。
Nadcapとは、国際航空宇宙産業の特殊工程認証プログラムのことです。特殊工程の具体的なものは、非破壊検査、熱処理、化学処理、皮膜処理、特殊加工/表面強化、溶接、複合材等があります。認証取得には認証機関に依頼を行い、半年から1年、費用にして200万円位必要になります。認証機関の指導に従い、じっくり取り組めば認証取得は可能です。

航空機産業の特有の商習慣や課題は何か

航空機産業では、安全への意識が格段に違います。1つの文化とも言えます。安全への意識を理解し、自然に製造に反映させることが重要となります。現在航空機産業では、のこぎり発注から多工程一括発注への変更を模索しています。従って、一貫生産体制に対応することが必要となります。
現在、いろいろなクラスター形成が試行されており、どのような形態が最適か結論は出ていません。航空機産業への参入に当たっては、この変化にどう対応していくのか自社の立ち位置がしっかりしていないと変化に対応できなくなる可能性があります。自社独自の対応策を検討しておく必要があります。

航空機産業への参入を考えたら、何からアクションを起こすべきか

航空機産業への参入を考えた場合、まず検討に必要な情報収集を行う必要があります。これは公的機関のセミナーや講演会等の支援メニューの活用が良いと思います。しかし、やみくもに行えば参入までに5年、10年の歳月が必要になるかもしれません。
本気で航空機産業への参入を考えるのであれば、航空機業界に明るい専門家をブレーンに加え、適切な事業計画を立てることが参入への時間短縮になり、ひいては自社の新しい事業の柱へと成長させることができると考えます。これに掛かる費用対効果をどう考えるか最後は経営者自身の判断に委ねられています。

株式会社クオリティ・オブ・ライフ チーフプランナー 常見陽平

横井圭一

【経歴】

  • ・1983年(昭和58年)4月
    三菱重工業株式会社 名古屋航空宇宙システム製作所 入社
  • ・2011(平成23年)3月
    三菱重工業株式会社 名古屋航空宇宙システム製作所 退職

    三菱重工在籍の28年間は主に新規開発プロジェクトを経験、新製品開発および新事業の成功に貢献する。この間いろいろなトラブルシューティングを経験し、どんな未知の問題に対しても諦めず解決策を見いだすまでやり抜く姿勢を習得する。
    防衛技術発明賞を2度受賞する。

  • ・平成23年4月より、横井経営技術研究所設立 代表

【所属】

  • ・中小企業航空宇宙産業経営研究会 会長
  • ・一般社団法人 愛知県中小企業診断士協会 会員
  • ・社団法人 中部航空宇宙技術センター 専門家
  • ・経済産業省 中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業 専門家
  • ・独立行政法人 中小企業基盤整備機構 中部本部 地域活性化支援チーフアドバイザー
  • ・独立行政法人 中小企業基盤整備機構 中部本部 経営実務支援アドバイザー
  • ・財団法人 名古屋産業振興公社 派遣指導員(テクノアドバイザー)
  • ・公益財団法人 新産業創造研究機構 ひょうご航空ビジネスプロジェクト 技術顧問

【資格】

  • ・中小企業診断士 経営管理学修士(MBA) 工学修士
  • ・自家用回転翼操縦士 航空無線通信士 FAAヘリコプターライセンス

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