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2013年2月18日

「農業の産業化」への寄与をめざす-クロスエイジ-

キーポイント
  • 中規模流通という独自の概念を提唱
  • どんな規模でも安定して儲かる「農業の産業化」をめざす

九州大学発ベンチャー「クロスエイジ」の創業は2005年。創業者で代表取締役社長の藤野直人さんが九大生時代に体験したインターンシップが農業分野で起業するきっかけだった。
 2004年、あるコンサルティング会社でのインターンシップで久留米青果市場の調査に従事した際、藤野さんは「農業は世の中に不可欠な仕事」と実感し、卒業直後に農業分野でのコンサルティング事業で会社を起こした。

農業生産者の販売代行として流通開発事業を立ち上げる

「農産物の品質管理や生産工程でのIT化などでコンサルの事業ができると想定したのですが、農家さんは販路と利益の確保に懸命でコンサルを受けるだけの余力がないというのが実態でした」
 農業生産現場の実情を知った藤野さんは、創業の翌年(2006年)に農産物の販路開拓事業(流通開発事業)を立ち上げた。農産物の商品提案書やPOP作成などを介して、インターンシップ時代および起業1年目のコンサル事業で知り合った農業生産者の販売を代行した。また、ちょうど創業2年目の終盤に東京で産直小売のチェーン事業を立ち上げる企業と取引が始まり、大口の販路を開拓できた。
 それを機に2007年から2008年にかけ、通販会社や食品スーパー、食品加工会社などへ販路を拡大していった。同社の販売代行事業は、需要者側が求める商品とマッチした生産者とをつなげる、つまり需要と供給の最適化を図ることが特徴で、そのため藤野さんは生産と販売の現場に足繁くかよう。

農産物の生産現場には足繁くかよう

農産物の生産現場には足繁くかよう(右が藤野さん)

2007年には消費者への直販事業を始め、「時や」という名の店舗を福岡市内に開設した。これは単に農産物を商う店舗ではなく、農業生産者の農産物への思いを対面販売により直接消費者に伝え、また新しい商品をテスト販売したり消費者モニタリングを実施する場として開設した。

創業時からの3年間で藤野さんは現在の主力事業である「コンサルティング(開発マーケティング、農業参入のサポート)」「流通開発」「消費者直販」の3事業を起こした。さらに、流通開発については「農家さんの販売代行だけでなく当社のオリジナル商品も開発して独自性を発揮しよう」と、2010年から生産者の顔が見える独自の商品(農産物や加工食品)を開発し、ブランド化に努めている。そのかいあって、いまでは流通開発事業(卸売)の売上の約70%をオリジナル商品が占めている。

消費者直販事業として「時や」を開設した。現在は福岡市と春日市に2店舗を構え、自社通販サイト「時やWEB」で全国の注文にも応じる

消費者直販事業として「時や」を開設した。現在は福岡市と春日市に2店舗を構え、自社通販サイト「時やWEB」で全国の注文にも応じる

中規模流通が農業の活性化につながる

現在、同社は約100軒の農業生産者、80軒の販売先と取引をする。取引する農業生産者には、農業法人など自ら販路を開拓する法人・組織、若手の農業後継者、異業種からの参入者、篤農家(こだわりの農産物をつくり、消費者に直売したり取引先を直接開拓する)の4つのパターンがあり、それらの生産者が今後の農業を担っていくと藤野さんは考えている。

また、それらの農業生産者がつくる農産物の流通について「中規模流通」という独自の概念を提唱する。大量生産・大量消費の大規模流通でも地域生産・地域消費の「地産地消」(小規模流通)でもなく、地域の農産物をその価値を知る消費者(産直や生産者にこだわりをもつ販売店)へ供給する中規模流通が、新鮮で安心安全な農産物を求める消費者の満足と生産者の収入安定、モチベーションアップを図り、今後の農業の活性化につながると考える。
 さらに、中規模流通という考えは、同社の目指す「農業の産業化」へ向けたコンセプトにもなっている。というのも、農業の産業化とは、大規模、中規模、小規模流通に観光型農業や連携型農業(農商工連携など)を加えたさまざまな流通・マーケットにおいて、それぞれのニーズに則した農業経営体が適切に配分されることで安定して儲かる仕組みが確立されることと捉えているからだ。
 その実現に寄与すべく同社は3つの事業を推進し、さらにそれらの事業を担う人材の育成にも注力していく。4年後の目標は社員4倍、売上4.5倍へのアップだ。

企業データ
企業名 or 店名 株式会社クロスエイジ
代表者 藤野直人
所在地 福岡県春日市春日公園3-61-2

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