| ● | 歯科医院を開業する場合には、その開設者と管理者は歯科医師でなければいけないとなっています(医療法人も開設者になることができます)。つまり、歯科医院を開業するには、歯科大学(または歯学部)を卒業後、歯科医師国家試験に合格した歯科医師である必要があります。 |
| ● | 従来の“削って埋める”という補綴を中心とした歯科医院だけでは成り立たなくなっています。サービス業としての意識を持ち、予防や自由診療にも診療範囲を広げる必要があります。 |
| ● | コ・デンタルスタッフの採用が、経営の成否を分けます。一層の労働環境の整備、向上をすることで、継続的な雇用への努力が必要です。 |
1.起業にあたって必要な手続き
1)歯科医師会への入会
開業地が決定したら、地元歯科医師会へ相談し、入会手続きの準備をします。また、開業前には、近隣の歯科医院に必ず挨拶に行きます。
2)保健所に開業届(医療機関としての届出)
開業地が決定したら、所轄保健所へ出向き、事前に必要な書類などについて相談します。また、診療所として機能できる状態で、保健所に開設届、エックス線装置設置届などを提出します。
3)所轄厚生局に指定申請(保険医療機関としての申請)
保健所で診療所開設届が受理された後、保険医療機関指定申請を所轄厚生局の窓口で申請します。
2.起業にあたっての留意点・準備
1)開業上の留意点
既存歯科医院がコンビニの1.6倍はあると言われる中で、全く競合歯科医院がない開業場所を探すのは至難の業です。自己満足型ではなく、経営面を最優先にし、開業地を選択することが大切です。院長の経歴、目指す方向性、キャラクターなどから、開業地を選択します。ビジネス街や都会中心部であれば、ハードもソフトも最新鋭の歯科医院作りが必要になります。一方、住宅地であれば、診療技術も当然ですが、診療圏拡大のための駐車場の確保が必需になります。
開業形態には、テナント開業、自宅開業、土地購入開業があります。テナント開業は、初期投資金額を抑えることはできます。しかし、家賃を払い続けることで物件購入以上の資金を支払い、さらに将来にわたり物件を取得することは難しいことになります。また、開業歯科医院を買い取る居抜き開業もあります。居抜き開業は、初期投資を抑えられるメリットはあるものの、購入元歯科医院のイメージを引き継ぐことになり、印象を変えることへの投資が必要なケースも多々あります。
歯科医院開業では、テナントで5000〜6000万円、自宅開業で1億2000万円以上の資金が必要になります。その資金を、いかに調達するかが、開業のポイントになります。先ほどの資金を、自己資金、銀行借入で準備します。開業地決定後に、担保物件、保証人を準備し、銀行で交渉します。必要資金額が準備できない場合には、親族からの借入、リースを組み合わせながらの資金準備になります。ただし、リースはキャッシュフローからすればできるだけ避けたいものです。
2)経営上の留意点
開業医の増加、国の医療費削減、子供の未処置歯の減少などから、従来の補綴治療を中心とした保険収入は減少することが予想されます。そのため、インプラントや矯正などの自費収入をいかに取り込むかが成否のカギになります。
従来、歯科医院は痛くなってから通院する場所であったが、予防を目的とした定期健診や、寝たきりなどの理由から通院できない患者への訪問診療も歯科医院の領域拡大につながっています。
歯科医院では医療法により、広告規制があります。そのため、患者を増加させるために、口コミを意識した患者への情報提供や、ホームページを活用した自院のアピールが大切になります。
3. 必要資金例
テナント 30坪 ユニット 2台で開業する場合の必要資金例
| (単位:千円) |
| 項目 | 初期投資額 | |
| 設備工事費・ 医療機器等等 |
内装工事 | 16,000 |
| 敷金 | 3,000 | |
| 医療機器 | 16,000 | |
| 材料消耗品費 | 3,000 | |
| 小計 | 38,000 | |
| 開業費 | 歯科医師会費 | 3,000 |
| 医院備品費 | 1,000 | |
| 広告費 | 3,000 | |
| その他開業費 | 3,000 | |
| 運転資金 | 10,000 | |
| 小計 | 20,000 | |
| 総計 | 58,000 | |
4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)
| (単位:千円) |
| 年増加率 | 変動費率 | 初年度 | 2年度 | 3年度 | 4年度 | 5年度 | ||
| 売上高 | 24,600 | 33,000 | 37,920 | 41,400 | 46,320 | |||
| 保険収入 | 21,600 | 28,800 | 33,120 | 36,000 | 40,320 | |||
| (一日患者数) | (15人) | (20人) | (23人) | (25人) | (28人) | |||
| 自費収入 | 3,000 | 4,200 | 4,800 | 5,400 | 6,000 | |||
| 売上原価 | 20% | 4,920 | 6,600 | 7,584 | 8,280 | 9,264 | ||
| 売上総利益 | 19,680 | 26,400 | 30,336 | 33,120 | 37,056 | |||
| 営業費計 | 16,973 | 20,893 | 21,654 | 22,245 | 23,012 | |||
| 人件費 | 2.0% | 5,600 | 8,512 | 8,682 | 8,856 | 9,033 | ||
| 地代家賃 | 4,536 | 4,536 | 4,536 | 4,536 | 4,536 | |||
| 減価償却費 | 3,885 | 3,885 | 3,885 | 3,885 | 3,885 | |||
| その他経費 | 12% | 2,952 | 3,960 | 4,550 | 4,968 | 5,558 | ||
| 営業利益 | 2,707 | 5,507 | 8,682 | 10,875 | 14,044 | |||
※必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましてはビジネスモデル、営業状況によって異なります。
また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。
最終内容確認日2010年3月

