1.戦略・戦術の立て方
小売店であれば、「このような商売でこういう風にお客さんに喜んでもらいたい」といったような、商売の基本となる経営理念があるだろう。 この経営理念を基に、外部環境と内部環境を分析して自店の経営戦略を決めていく。そして、その経営戦略に従って具体的な運営方法である戦術を決定する。 検討をする際のポイントは以下の点があげられる。
内部環境分析 : 自店の経営資源を振り返ってみる
外部環境分析 : 自店を取り巻く環境を検討する
戦略の検討 : 誰のどのようなニーズをどのような商品で満たすのか、事業範囲を確定をする
また、どのような戦術で差別化を図るのか競争優位の確立をする
戦術の検討 : 店舗運営を具体的にどのように行なうのか検討する
2.SWOT分析を行なう
1)SWOT分析とは
外部環境と内部環境を分析する方法に、「SWOT分析」というものがある。これは、
「S=STRENGTH(強み)」
「W=WEAKNESS(弱み)」
「O=OPPORTUNITY(機会)」
「T=THREAT(脅威)」
という4つの分析視点の頭文字から取ったもので、経営環境を判断するために内部的な「強み」「弱み」と外部的な「機会」「脅威」を分析し、その結果を検討したうえでこれから自社が進んでいく方向を定めようとする分析手法である。
2)SWOT分析の例
地元密着型スーパーを例にすると以下のようになる。
■内部環境
S(強み)
・知り合いの農家から産地直送の野菜を仕入れることができる
・昔からのなじみ客が多い
・パート社員の能力が高い
W(弱み)
・OA化の遅れにより事務効率が低い
・建物が老朽化している
■外部環境
O(機会)
・近くに大型マンションが建つ
T(脅威)
・ロードサイドに大型スーパーが進出する計画がある
・なじみの食品卸問屋が廃業する
3)SWOT分析を行なう際の留意点
外部環境と内部環境を考えるうえで重要な視点と留意点は以下のようになる。
●外部環境を考える視点
□法制度(規制緩和の動き、税制の変更など)
□景気動向
□社会情勢の変化
□市場(地域の小売店、その他顧客ターゲットなど)
□競争(競合他社、他業界からの参入など)
□仕入先(メーカーの動向など)
□流通環境(運送費など)
□関連先(金融機関の動向、官公庁の施策、業界団体の動向など)
●内部環境を考える視点
□経営者自身(経営能力、健康状態など)
□従業員(能力、やる気、忠誠度など)
□リテールサポート力(販売促進支援、取引先従業員教育、情報提供力など)
□商品力(品揃えの広さ、品揃えの深さ、鮮度、品質など)
□資金力(調達力、運用力)
□情報収集力
□保有ノウハウ
□保有顧客
●分析と結果活用の留意点
□定期的に分析する
□関係者の意見をヒアリングする
□積極的に活用する
□リスク管理に活用する
3.重点顧客とそのニーズを考える
□顧客分類の基準設定を行なう
「小中学生」「高校生」「大学生」「社会人(若年層)」「社会人(中高年)」「高齢者」、あるいは商圏内の住居地区別、ライフスタイル別、職業別、所得層別など。
□調査項目の基準設定を行なう
調査項目としては「商圏人口」「1週間の購入客数」「店前道路通行客数」「入店客数」などが考えられる。商圏人口などは、市区町村役場の住民台帳などで把握できる。また、消費者特性については客単価と購入目的を重点的に把握しておく。
□分析・検討する
顧客分類ごとに、重点顧客とすべき層を検討する。その際、対象数は十分か、購買力はあるか、現在の自店の強みが生かしやすい層か、競合店の状況はどうかなどを十分考慮する。
□店舗運営形態の設定につなげる
重点顧客のニーズをアンケートなどで再確認し、自店の対応力を考慮しながら店舗コンセプトの設定につなげる。
4.店舗の運営形態を考える
□どのような商品を売るのか
扱おうとする商品の特徴をあげてみる。
・高品質な商品(鮮度が高い、ブランド品など)
・珍しい商品(輸入品、稀少品など)
・○○に関する関連商品をどこよりも幅広く揃える
・××の△△に関する商品を深く掘り下げて揃える
□いつ売るのか
対象とする顧客層と取り扱い商品から適切な時間帯を検討する。
□どのような売り場にするのか
ハード面(造作、広さ、什器、照明、飾りなど)とソフト面(レイアウト、POP、陳列、BGM、クリンリネスなど)に分けて考える。
□どのような価格で売るのか
価格設定の基本方針を決定する。
・低価格での販売(日替わり低価格、エブリデーロープライスなど)
・市場相場価格での販売
・高価格での販売
□どのように売るのか
商品で差別化できない場合は、販売方法が差別化のポイントになる。
・セルフ販売
・対面コンサルティング販売
・配達販売
・カタログ使用による販売
・小分けでの販売
・お試しのうえでの販売
・おまけ付きの販売
□サービス
差別化において重要なポイントにサービスがある。
・プレサービスの充実(各種教室の開催、イベント開催など)
・アフターサービスの充実(リフォーム、修理、会員への情報提供など)。
最終内容確認日2007年12月

