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闘いつづける経営者たち


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02.100億円の初期投資・・・まったく資金のない連中だったから、すごい闘いだった

それは神戸から始まった

名古屋で会社を経営していた親戚が病気になり、経営を頼まれて92年に日本エアシステムを退社。堀は1年間飛行機の世界から離れる。

そんな堀を飛行機の世界に再び呼び戻したのは大学時代の研究仲間で、大阪の重仮設資材リース会社、ヒロセのオーナーだった。

ヒロセはエグゼクティブ・エアサービス(現在のエクセル航空)というパイロットの基礎訓練を行う子会社を持っていた。堀はヒロセの仕事をしながら、その子会社の事業にも関わった。

そして堀は、そのままエクセル航空の社長に就任。パイロットの基礎訓練をやりながらヘリ事業を立ち上げた。99年には東京や横浜の夜景クルージング飛行やVIP用のチャーターサービス、撮影などでもヘリを飛ばした。そして朝日航洋と一緒に救急医療を行うドクターヘリ・サービスの事業化も手掛けた。

ある時、エグゼクティブ・エアサービスは羽田の特別管制区の下に24時間運用のヘリポートを計画する。

公聴会では当時の浦安市長が反対した。しかし堀は課題がどんなに困難なものであっても、それを乗り越える術を生み出せる男。綿密な調査に基づくデータを集めて説得、首長の反対を押し切り認可を得ることに成功する。


エクセル航空在職中に立ち上げたヘリ事業。1機4億円ともいわれる三菱重工製の純国産ヘリコプターMH2000Aの初ユーザーでもある(1号機:JA002Mと2号機:JA003M)

エクセル航空在職中に立ち上げたヘリ事業。1機4億円ともいわれる三菱重工製の純国産ヘリコプターMH2000Aの初ユーザーでもある(1号機:JA002Mと2号機:JA003M)

「運輸省航空局の担当者から“地元の首長が反対して認可を取れるのは最初で最後”と言われたのを今も覚えている」。スターフライヤーで地元の利益を第一に考えるのも、こうした経験があったからだ。

エクセル航空で次々と新規事業を立ち上げていた時、堀は仕事の関係で神戸に行くことが多かった。そんなある日「神戸に新空港ができても飛ぶ飛行機がない。どうやったら航空会社が呼べるのか」という相談を持ちかけられた。


それとほぼ時期を同じくして、完成する新北九州空港の相談にも乗っていた。神戸と北九州、偶然にも新空港に関する議題が堀の頭の中で重なった。

堀は自然とそれぞれの空港事業に対して深く関わり合うようになっていった。もちろん、このとき自分が新規航空会社を設立し、社長に就任することになろうとは想像すらしていなかった。

そして神戸や北九州の人たちの相談に乗って、堀高明が出した答えは次のような ものだった。


神戸が24時間運用しない・・・北九州に絞る決断

羽田の発着枠を取らないと、いまの日本ではビジネスが成り立たない。発着枠の割り当ては新規航空会社に優遇なはず。新規航空会社を誘致したらどうか。朝夕にちゃんと飛ぶには地元に会社をつくるのがベストだ。

堀のプランは、神戸と同様に24時間運用の新空港が開港する北九州も含め、東京―神戸、東京―北九州、各10往復、神戸と北九州の地元ネットワークをつくり、資金集めと集客を支援してもらうというものだった。

ライト兄弟がフライヤー号で初めて空を飛んでから100年目の02年12月17日、堀が社長となって神戸航空が設立された。しかしその直後、神戸空港は24時間運用しないという行政決断が下された。

「だったら北九州に一本化する」。03年5月、堀は深夜も飛ぶという決意とライト兄弟の機名にちなんで社名をスターフライヤーに変更、事業の方針転換を図る。そして12月、北九州市に事業母体となる本社も移し、北九州発の事業として本格的にスタートを切った。

100億円という初期投資について「集まる確信はなかった」と振り返る。北九州に乗り込んだ堀には大きな試練が待ち構えていた・・・

100億円という初期投資について「集まる確信はなかった」と振り返る。北九州に乗り込んだ堀には大きな試練が待ち構えていた・・・

「昔に比べてベンチャービジネスを起こそうという思いが世の中に広がっているのはよいこと。ボクらが最初に就職したころ、航空会社をつくろうなんて大胆な発想をする人はいなかった。だから変化するライフスタイルに合わせていろいろな選択、挑戦ができる世の中がよい世の中なのではないか」

まさにこれこそが、“ほかとは違う“にこだわり続ける堀、そしてスターフライヤーの原点である。


スターフライヤーの安定飛行に向けて闘い続ける堀の支えは、地元北九州のネットワークとマーケットである。航空会社は少なくとも100億円単位の初期投資が必要な装置産業といわれる。しかしそれを「まったく資金のない連中がやろうというのだから、それはすごい闘いだった・・・」。


堀 高明 プロフィール

1949年長崎県生まれ。1973年、東亜国内航空(株)(現・日本航空インターナショナル(株))入社。運航本部航務部運航技術課、乗員部飛行技術課、空港部、経営企画室主事、運航本部乗員基準部チーフマネージャーを歴任。1992年10月、航空業界を離れ親族の経営する栄和産業(株)営業統括部長。1993年11月、エグゼクティブ・エアサービス(株)(現・エクセル航空(株))業務部長として再び航空業界へ。パイロットの基礎訓練事業に従事し、1996年5月、エクセル航空(株)代表取締役社長。東京や横浜のヘリコプター・ナイト・クルージングや救急医療を行うドクターヘリ・サービスを事業化する。2002年12月、神戸航空(株)(現・(株)スターフライヤー)を設立し、代表取締役社長に就任。

企業データ

株式会社スターフライヤー

〒802-0003
福岡県北九州市小倉北区米町二丁目2番1号 新小倉ビル

事業概要:定期航空運送事業および不定期航空運送事業ならびにこれに附帯または関連する事業
設立:2002年12月
資本金:5,833百万円
売上高:単体 12,082百万円
社員数:単体 355名(2007年7月25日現在)


掲載日:2008年2月18日


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