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闘いつづける経営者たち


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02.“競争力のコア”はすべて自前。なぜなら変化のスピードに対応するという必然性があった

どうやったらお客様の目線に近づけるのかを考えた

ジャパネットたかたの競争力の源泉は、高田が試行錯誤しながら積み上げてきた独創的なビジネスモデルにある。

「自前主義体制」、「メディアミックス」、「金利・手数料のジャパネットたかた負担」がもたらすシナジー効果である。

それらを勢いよく回転させるためのモチベーションやブランド力のコアになっているのが高田明というパーソナリティである。

高田はNBC長崎放送のたった5分間の放送(屋外中継)でビデオカメラが10台売れたことに驚愕したという。これを機に高田は本格的にラジオショッピングに参入していくことになる

高田はNBC長崎放送のたった5分間の放送(屋外中継)でビデオカメラが10台売れたことに驚愕したという。これを機に高田は本格的にラジオショッピングに参入していくことになる

自前主義では自社施設としてスタジオ(佐世保)とコールセンター(福岡)を持ち、商品の仕入れから媒体制作、注文受付、発送、購入後のアフターフォローまで社内で対応できる体制を整えている。

この一気通貫のシステムに俊敏さや指向性を加えるのがメディアミックス。ラジオ、テレビ、新聞折り込みチラシ、カタログ、インターネット、携帯電話サイトなどの情報媒体をフル活用し、顧客の属性や商品の特性に合わせた形で情報提供している。

また金利・手数料をジャパネットたかたが負担するシステムは顧客にとって最大の利便性といえよう。ジャパネットたかたが1年間に信販会社に支払う金利・手数料はじつに50億円近く(2007年度)にものぼる。

独創的なビジネスモデルはどのようにして生まれたのか―

「目の前に次々浮かんでくる課題を一つひとつ解決してきた結果であって、初めからこうしようなんて意図していたわけではありません。ラジオショッピングを始めたらラジオだけでは聞いている人が少ない。それじゃあとテレビショッピングを始め、カタログ、インターネットへと進んできました」

「商品」の向こうにある生活や変化を伝える


「制作を外注していたら変化のスピードに対応できない」と考えた高田。2001年に本社に専用スタジオを開設し、以来、テレビ(地上波・CS)番組やインターネット放送は100%自社制作となっている

「制作を外注していたら変化のスピードに対応できない」と考えた高田。2001年に本社に専用スタジオを開設し、以来、テレビ(地上波・CS)番組やインターネット放送は100%自社制作となっている

そして世の中はアウトソーシングが主流でも、高田は時流に逆らうように競争力のコアとなる部分の自前化を進めてきた。

「自前主義も同じです。商品サイクルが早いから、より早くお客様に紹介したい。それであればスタジオを自社で持とうと考えたわけです」

2001年に自社スタジオを開設するときは放送業界の関係者から「経験者がいないのだから絶対に不可能」といわれたという。だが高田は業界の常識にとらわれない。

サブ調整室のビデオエンジニアやカメラマンなどの制作スタッフも基本はすべて自社養成。高田のビジネスに対する姿勢から新しいことにチャレンジする社風が浸透している

サブ調整室のビデオエンジニアやカメラマンなどの制作スタッフも基本はすべて自社養成。高田のビジネスに対する姿勢から新しいことにチャレンジする社風が浸透している

社員数名を東京の制作会社へ半年間派遣し、開局直後は福岡の制作会社に数ヶ月協力を仰いでわずか半年間で生番組を放送できる体制を整えてしまう。

競争力のコアとなる部分は、時代の変化に即応しながら生き物のように進化している。当初、配送センターは佐世保の本社に置いていた。

しかし商品納期が競争上のカギになると判断。佐川急便と提携し、物流拠点を06年月11月に中京地区、07年10月には北九州にも設置した。

これにより地域によっては午前中に注文を受けると翌日には商品が届く体制を敷いている。

「私たちの使命は商品を通して生活の豊かさや楽しさを伝えていくこと。商品を生き物として紹介することです。商品やモノには暮らしを変える力があります。番組を通してお客様が少しでも元気が出るような情報を発信していきたいですね」

高田が語るジャパネットたかたのミッションは明快である。

塚本慎太郎・テレビ企画制作課シニアリーダー。MC歴は8年。高田が築いたジャパネットスタイルをさらに刷新していきたいという

塚本慎太郎・テレビ企画制作課シニアリーダー。MC歴は8年。高田が築いたジャパネットスタイルをさらに刷新していきたいという

ジャパネット品質を支えるのは「人」

テレビショッピングなどの番組制作ではメーカーの広告宣伝とはひと味違う生活者の視点に立った情報提供を心がけている。

MCの塚本慎太郎(メディア企画制作本部・テレビ企画制作課シニアリーダー)はいう。「最新機能にこだわりすぎてもいけない。できる限り自分で商品を使ってみて、そこから得られる実感や感動を率直に伝えるようにしています」

高田がブランドづくりで特にこだわっているのが「ジャパネット品質」である。リピーターを増やす重要なカギになると見ている。

年商1,000億円になっても主力で取り扱う商品が年間約200品目にすぎないのは、品質を重視した厳格な商品の絞り込みがあるからだ。


商品開発部のバイヤーからMCに転向して2年目の本多由美子さん。自分が感じた商品の感動をいかに伝えるか、それを高田から学ぶことは多いという

商品開発部のバイヤーからMCに転向して2年目の本多由美子さん。自分が感じた商品の感動をいかに伝えるか、それを高田から学ぶことは多いという

そこにはメーカーから提案を受けたりバイヤーが探し出したりした商品を、社内で何段階にもわたって吟味するシステムがある。

バイヤー経験のあるMCの本多由美子さんは商品選びの“勘どころ”について「まずは自分がほしいと思うかどうか、使って満足するかどうか、それが価格と見合っているかどうか」と話す。

最終的には高田が採否を判断するが、バイヤーと高田の意見が分かれたときはどうするか。

本多さんによれば「熱い想いを持ってプレゼンすれば、それならやってみなさいということになります。最後はやる気を買ってくれる」とか・・・。

感動人生を送れ

「感動人生を送れ」−高田が折に触れ社員に熱く語る言葉である。多種多様な情報媒体を駆使し、どれほど立派な自前のコールセンターを持とうが、「ジャパネット品質」を支える最後の砦は人である。

自分が感動したら、たくさんの人と感動を分かち合おうとする姿勢。そうした情熱あふれる前向きな社員をひとりでも多くすることが「ジャパネット品質」の基礎づくりには欠かせないと考えている。

高田はNBC長崎放送のたった5分間の放送(屋外中継)でビデオカメラが10台売れたことに驚愕したという。これを機に高田は本格的にラジオショッピングに参入していくことになる

それは町のカメラ店から1,000億円企業に駆け上った高田の生きざまそのものでもある。

そのことを高田にぶつけると「お節介焼きなのです。語られる方はたまったものではないでしょうが」と笑みがこぼれた。


高田明プロフィール

1948年、長崎県生まれ。県立猶興館高校から大阪経済大学に進学。在学中に鍛えた語学力が認められ、卒業後は京都の阪村機械製作所で3年間、欧州駐在員として海外赴任を経験する。1974年、故郷の平戸に戻り実家のカメラ店を手伝いながら、1986年には佐世保で「ジャパネットたかたの前身」となる「株式会社たかた」を設立、ソニーショップとして分離・独立する。出演したラジオショッピングでの売り上げの大きさに驚愕し、1990年にラジオ通販事業に本格参入。91年にはラジオショッピングの全国ネットワークを完成させ、3年後にはテレビ通販事業にも乗り出す。1999年に現社名に改称し、2000年にカタログ通販事業とインターネットによるオンライン通販事業をスタートさせ、日本全国をカバーするメディアミックス事業の体制を整える。チラシや紙媒体に加え、佐世保市内に構えた本格的テレビスタジオですべての番組を自社スタッフで制作、全国配信する徹底した自前主義が特徴。

企業データ

株式会社ジャパネットたかた

〒857-1197
長崎県佐世保市日宇町2781
TEL.0956-26-1300(代表)

事業概要:通信販売業
設立:1986年1月
資本金:1億円
売上高:1,161億円(07年12月期)
従業者数:345名(08年1月現在)


掲載日:2008年8月13日


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