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闘いつづける経営者たち


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03.お客を飽きさせたらおしまい
あえて「死に筋商品」も仕入れて売り場の楽しさを演出する

超売れ筋は、すぐに超死に筋に変わる

ダイソーが扱うアイテムは、約9万アイテム。毎月、1,000アイテムの新商品を投入する。そのほとんどが自社ブランド製品だ。

食器や衛生用品などの家庭用品から食品、衣料、文具、おもちゃ、CDや書籍まで幅広い製品が店内に所狭しと並ぶ。

ダイソーのホームページにあるように、「あきない、つぎつぎ、新商品」とばかりに、新しい商品を売り場にどんどん投入し、いつも新鮮な商品が客を引き寄せる。

これらすべてが売れ筋というわけではない。社長自ら「無駄な在庫、無駄なアイテムで生きている会社」というように、死に筋商品も仕入れ、客が面白いと思う売り場をつくることに力を入れている。

「ベストセラーの命は短い。超売れ筋は、超死に筋にもなる」。

結局、売れ筋商品は、時間が経てば、死に筋に変わる。客は飽きやすいのだ。そして消費者が飽きやすいのは、日本に限ったことではない。

「先進国、新興国に限らず、消費者は飽きやすい。日本人はとくに飽きやすいのかと思っていたが、海外でもまったく同じだった」。

消費者を飽きさせないためには、次々に商品を更新して、楽しめる売り場を作り続けなければならない。矢野は利益や在庫よりも、売り場の楽しさを優先し、商品を仕入れ、店舗数を増やしていった。

1年間に6億人―商品の劣化は命取り

ダイソーの商品の特長は、"100円なのに高品質"ということにある。例えば、文具のハサミ。品質が悪いと切れ味は良くないが、ダイソーのハサミは切れ味が違う。化粧品の評判も良い。安いのに品質が良いと、化粧品専門の口コミサイトで高い評価を得ている。

ダイソーが扱うアイテムは約9万。それでも「こんな商品があったら」という顧客の要望に応えるため毎月1000もの新製品を投入する。あえて売れ筋商品ばかり置かない「売り場演出」は矢野ならではの経営哲学だ

ダイソーが扱うアイテムは約9万。それでも「こんな商品があったら」という顧客の要望に応えるため毎月1000もの新製品を投入する。あえて売れ筋商品ばかり置かない「売り場演出」は矢野ならではの経営哲学だ

高品質で満足度の高い商品を揃えるため、同社は常に客の声をリサーチしている。「こんな商品があったら」、「別の色が欲しい」、「ここをもうちょっと変えて欲しい」。客の声はレポートにまとめられ、仕入先との商談の際に、バイヤーによって商品にフィードバックする。

紙類を綴じるファイルのサイズで、客の要望があればすぐに希望のサイズを展開し、フォトフレームで白が欲しいと言われれば、すぐに商品化した。客の声に素早く応える。これがダイソーである。

実際、「仕入れた商品がお客様に喜ばれると、仕事のモチベーションが上がる」と、同社のバイヤーも語る。需給間に温度差がないよう、お客の声を正確に拾い、メーカーに伝える。ダイソーのバイヤーは商品が劣化しないよう、常に磨き続けることに力を入れている。

こうして飽きさせない商品構成、低価格で高品質を実現することで、顧客の満足度を満たしてきた。ビジネス誌の「女性が選ぶ顧客満足度ランキング」では、4回連続で2位にランクイン、小売業では1位を獲得している。

来店者数は、国内だけでも1日に160万人が訪れ、年間では6億人が来店する。これこそが、利用者の支持の高さを示すものだろう。

日本の総輸入貨物量の1%

同社の物流システムは、膨大な商品量と広域拠点をカバーするため、独自の体制を整えている。

国内外のチェーン店3,000店舗の拠点となる、東広島市の物流センターには、毎日コンテナ100本分の商品が運ばれてくる。実に日本の総輸入貨物量の1%を占める量である。

さらに国内に240カ所の物流拠点と倉庫、海外にも物流センターを有し、国内外にグローバルな物流ネットワークを構築している。

同時に商品のデータ管理も万全の体制で対応。9万アイテム、3,000店舗の商品データを効率よく管理するため、独自のデータベースを使って全商品を管理している。

「膨大な商品量、進化する売り場に対応するため、商品管理も日々、進化しなければならない」。まさにその通りだ。



矢野博丈プロフィール

1943年生まれ。66年中央大学卒業後、学生結婚した妻の実家のハマチ養殖業を手伝う。3年後に倒産し、借金を抱え夜逃げ同然で上京。その後、書籍の営業やちり紙交換など転職を9回重ねる。ある時、移動販売に集まった人だかりを目にして、移動販売業を始めることに。「矢野商店」を立ち上げ、夫婦で一心に働き、値札を貼る手間も惜しいと、100円均一を導入した。社名も大きく創るという願いを込めて「大創産業」とし、質の高い商品展開に力を注いだ。移動販売を続けるなか、とあるスーパーから出店の誘いを受け、固定の店舗での展開を始める。固定の店舗での集客、売り上げは順調で、1991年に直営第1号の「高松店」をオープン。その後、着々と店舗を増やし続け、今では毎月、20〜30店舗を新しくオープンするまでになった。近年は、100円以上の高額商品の扱いも始めている。

企業データ

株式会社大創産業

〒739-8501
東広島市西条吉行東1丁目4番14号
TEL:082(420)0100(代表)

事業概要:100円ショップ ザ・ダイソーのチェーン展開
設立:1977年12月
資本金:27億円
売上高:3380億円(2008年3月期)
従業者数:400名


掲載日:2009年4月28日


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