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闘いつづける経営者たち


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01.半端じゃない主体性の高さ

大手企業もかなわぬシェアNo.1

岐阜県輪之内町。長良川沿いののどかな田園の中に、電設工事関連資材・工具メーカーの未来工業の本社はある。電気スイッチの内側に取り付けられるスイッチボックスでは国内シェア80%を握る。スイッチボックスは壁の裏に埋設されるため、上に壁紙が張られるとどこにあるのかわかりにくい。そこで、そのスイッチボックスにアルミテープを張り付け、金属探知器で埋設位置をわかりやすくしたことで、大手のライバル企業を押しのけてシェアNo.1を獲得した。

背後に養老山脈が控えるのどかな田園風景に立つ未来工業本社

背後に養老山脈が控えるのどかな田園風景に立つ未来工業本社

独自の工夫を施してシェアNo.1を握る電気スイッチボックス

独自の工夫を施してシェアNo.1を握る電気スイッチボックス

有名な"ドケチ経営"の真意

ドアノブのラッチ(突起部)はドア内に収納した状態にして、ドアはノブを回さずに開閉する

ドアノブのラッチ(突起部)はドア内に収納した状態にして、ドアはノブを回さずに開閉する

「残業禁止」、「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)禁止」、「ノルマなし」や「年間休日140日」、「育児休暇3年」、「70才定年」など、型破りな経営で多数のメディアに取り上げられるが、その会社の外観はごく普通の地方企業と変わらない。
 しかし社屋に足を踏み入れると、ちょっと変わった光景が目に入る。たとえば天井から等間隔にぶら下がる蛍光灯のひも。席を離れる際には必ず消すため、社員がいないほとんどの照明は消えていて薄暗い。所々点いている照明の下にはデスクワークをしている数人の社員がいるだけ。思わず休業日に訪問してしまったのかと錯覚するほどだ。

社用の携帯電話は高コストなので使わない。ドアノブは回すとすり減るので、ラッチ(突起部)をドア側に収納した状態にして回さずに押す。これら未来工業の有名な"ドケチ経営"は、社長室でも徹底されている。日中、瀧川克弘はデスクの電気スタンドだけを点けて仕事する。薄暗い。明るいオフィスに慣れた目には不気味な感じだが、瀧川は「明かりはこれだけで十分ですよ」とさらりと言う。
 社長自らがここまでドケチを徹底していると、それを実行しなければならない社員はさぞやつらかろう。と思いきや、こうしたドケチのアイデアはむしろ社員から出されるという。いや、正確には「社員が勝手にやってしまう」のだ。

支店の開設は現場の社員が決める

社長室のガラス窓には薄いフィルムが貼られている。日光を遮るためだ。「こうすると室内の温度が多少下がるらしいですね。私が知らない間に貼ってありました」と瀧川。夏は空調の温度を28℃にするという決まりも、上司からの命令ではなく社員が自発的に決めて始めた。

これだけではない。信じがたい話だが、未来工業が全国に持つ支店・営業所の大半は、現場の社員が必要と判断して勝手につくったものだ。物件選びから人の採用まで現場の社員が決める。トップへは事後報告なのかと言えば、それもない。なにせホウ・レン・ソウ禁止。報告はルール違反なのだ。当然、手続き的には支店開設はトップの承認事項だが、結果的にトップは、自身の名刺の裏に刷られた支店一覧を見て初めて、新支店の存在を知ることになる。ことほどさように、未来工業の社員の主体性は半端でなく高いのである。

瀧川克弘プロフィール

1946年生まれ。66年大阪府立天王寺高校卒業後、地元大阪で照明器具の製造販売メーカーに就職、営業マンとして全国を飛び回る。10年で取締役に昇進したものの、大手商社からの子会社化の提案をオーナー社長が受け入れたため、辞職。そのころ、北海道出張時に出会った未来工業の創業者、山田昭男相談役(当時社長)に声をかけられ、81年に未来工業へ入社。当時、未来工業がまだ拠点を持っていなかった北海道に、自ら志願して札幌営業所を設置し、営業所長として北海道全域の営業を担当した。理由は「都会でもなく田舎でもない」札幌の街が好きだったからだという。91年に取締役に就任。93年、営業部長就任と同時に家族を北海道に残し、本社がある岐阜県輪之内町へ赴任した。2000年に常務、03年に社長に就任。単身赴任生活は16年目になる。

企業データ

未来工業株式会社

〒503−0295
岐阜県安八郡輪之内町楡俣1695−1
TEL:0584−68−0010
事業概要:電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売
設立:1965年8月
資本金:70億6786万円
売上高:233億円(09年3月期)
従業者数:767人


掲載日:2009年10月13日


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