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闘いつづける経営者たち


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02.携帯電話のニーズにマッチしたソフト

NAVITIMEを普及させた要因

携帯電話のニーズにマッチしたNAVITIME。そのユーザーは約400万人に達している。ユーザーの増加は携帯電話市場の拡大に比例した。特に携帯市場における3つのファクターが大きく影響した。1つはGPS(全地球測位システム)機能を搭載した携帯電話が増えたこと。2つには、第3世代通信網が普及したこと。3つにはパケット通信で定額制が設けられたこと。これら携帯電話をめぐる3つの外部要因がNAVITIMEの普及を加速させたといえる。

携帯市場の拡大とともに普及したNAVITIME。モバイル向けアプリケーションの開発により、NAVITIMEはインターネットやモバイルビジネスの発展に寄与したと数々の表彰を受ける

携帯市場の拡大とともに普及したNAVITIME。モバイル向けアプリケーションの開発により、NAVITIMEはインターネットやモバイルビジネスの発展に寄与したと数々の表彰を受ける

NAVITIMEを普及させた外部要因は携帯電話だけに留まらない。デジタル地図や各種の情報などさまざまなツールもNAVITIMEを成長させる貴重な外部要因だ。

同社が提供するコンテンツは、基本となる地図だけでなく、地点情報などさまざまな情報で成り立っている。経路検索エンジンのほか、乗り換え検索エンジン、カーナビゲーション用エンジンなどを提供している。これらにはすべて地図情報が必要だ。開発当時はデジタルの地図がなかったことから、自分たちで地図を手入力したが、現在は国内の複数の地図製作会社からデジタル地図を購入している。

地図にはスピーディーな更新が求められるが、これら地図会社は部分的には1日で更新しているところもある。自前でデジタル地図を作製しても、更新頻度を高めるわけにもいかないため、利用者に利便性を提供できない。外部調達は自然の成り行きだ。

営業マンはほとんどいない

外部からはレストラン情報やホテル、空港、鉄道関連情報、駐車場満車情報、駅周辺情報など地図にからむさまざまな情報ソフトを集めている。

レストラン情報やホテル、空港、鉄道関連情報、駐車場満車情報、駅周辺情報など地図にからむさまざまな情報ソフトを外部から取り込むことでコンテンツは充実していく

レストラン情報やホテル、空港、鉄道関連情報、駐車場満車情報、駅周辺情報など地図にからむさまざまな情報ソフトを外部から取り込むことでコンテンツは充実していく

「良いコンテンツや役に立つデータがあれば外部から積極的に調達します」
 これらの周辺コンテンツも自前で開発すれば膨大な費用が必要になるが、プロが作成するものを外部から調達することで経費を抑えられる。しかも「調達先のニーズと当社のニーズの妥協点を見出すため、相手がコンテンツ使用料を支払うケースもある」そうだ。

大西によると「新しいコンテンツが生まれるとその企業が当社に持ち込んでくれる」ため、ナビタイムジャパンではコンテンツを集める営業担当者を配置していない。営業マンといえば法人向けのASP(Application Service Provider)を売るための営業マンが数人いる程度だ。コンテンツに関するリスクも外部から調達することでかなりの部分を回避できる。しかも、営業担当者がいない分、営業経費も軽減されている。

ソフトビジネスのメリット

大西はソフトウェアビジネスの最大のメリットについて「在庫を持たなくてよいこと」と口にする。携帯電話やカーナビなどハードウェアの生産には在庫リスクや仕掛品のリスクがつきまとう。これに対してナビタイムジャパンは、独自のアルゴリズムに裏打ちされたソフトをさまざまな形で提供するため在庫はほとんどないといえる。

在庫リスクを考えなくていい分、経営には余裕が生まれる。こうしたメリットに加え、利用者への課金やその徴収は各携帯電話会社がやってくれるので資金回収リスクも回避できる。月額わずか数百円の金額であっても100万人単位の課金を自らの手で行おうとすると、システム構築やメンテナンス、人件費などに膨大な費用がかかってしまう。しかし、利用代金の回収は携帯電話会社が10%程度の手数料で代行してくれる。携帯電話のニーズにマッチしたソフトを開発したことにより、課金・徴収にかかるリスクも最小限に留めることを可能にしたわけだ。

大西啓介プロフィール

1965年生まれ。93年上智大学大学院理工学研究科 電気電子工学博士後期課程修了。同年、父親が代表を務める大西熱学に入社。研究室で環境試験装置の制御プログラムなどの開発を手がける。やがて菊池新(現・副社長)と二人でトータルナビゲーションの検索エンジン開発を始め、96年には社内ベンチャーとして経路探索エンジンのライセンスビジネスを立ち上げる。98年、電車・飛行機・クルマ・徒歩のすべての移動手段に対応したトータルナビゲーションを完成。2000年に(株)ナビタイムジャパンを設立し、社長兼CEOに就任。
 KDDIなど大手通信キャリアにサービスを提供し、中国や米国の企業ともライセンス契約を結ぶ。目標は"ナビゲーションエンジンで世界のデファクトスタンダードを目指す"こと。

企業データ

株式会社ナビタイムジャパン

〒107-0062
東京都港区南青山3-8-38
TEL:03-3402-0701
事業概要:経路探索および地図配信のASP、経路探索エンジンおよび地図描画エンジンの開発・ライセンス、経路探索用データおよび描画用地図データフォーマットの開発・ライセンス、自社エンンジンおよびデータフォーマットをコアにした位置情報処理システムの構築
設立:2000年3月
資本金:1億7800万円
売上高:非公開
従業者数:300人


掲載日:2009年11月26日


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