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闘いつづける経営者たち


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01.コンビニの"お化け商品"誕生

かつて駄菓子屋で子どもの定番菓子だったチロルチョコ。1個10円がウケして大ヒット商品となった。

かつて駄菓子屋で子どもの定番菓子だったチロルチョコ。1個10円が大ウケして大ヒット商品となった。

1個10円で子どもたちに大ヒット!

コンビニで"お化け商品"と言われる一口サイズのチョコレートがある。その名を「チロルチョコ」。このお化け商品で右肩上がりの成長を続けるのがチロルチョコ株式会社だ。100年余の歴史を刻む同社のルーツは明治時代にさかのぼる。

1903(明治36)年、現社長の松尾利彦の祖父・松尾喜四郎が筑豊炭鉱の町・福岡県田川郡(現田川市)に菓子製造業を開業した。菓子製造業というとなにやら大がかりな事業のように聞こえるが、「手づくりの和菓子、饅頭みたいなものを個人商店でつくって売っていた」(松尾)のだった。

その後、昭和に入って満州に進出したこともあったが、第2次世界大戦の終戦に伴って日本へ引き揚げ、47(昭和22)年に田川で菓子製造を再開。事業を引き継いだ2代目社長の松尾喜宣が62年にチョコレート製造に乗り出し、「チロル」ブランドでチョコレートを売り出す。

当時の販路はもっぱら西日本の駄菓子屋。戦後、進駐米軍に「ギブ・ミー・チョコレート」とねだって以来、日本人にとってチョコレートは渇仰の的だった。が、高価な菓子だったため気軽には口にできない。チロルチョコは、そんな市場をねらいすましたように1個10円の破格値で売られ、子どもたちの間で爆発的にヒットした。

昭和初期の松尾製菓の店舗。チロルチョコ株式会社の前身だ。

昭和初期の松尾製菓の店舗。チロルチョコ株式会社の前身だ。

1962年に発売されたチロルチョコ。「チロル」は、2代目社長が訪れたオーストリアのチロル地方にちなんで名づけられた。

1962年に発売されたチロルチョコ。「チロル」は、2代目社長が訪れたオーストリアのチロル地方にちなんで名づけられた。

販路をシフトせよ

しかし、80年代に入ると市場が急変する。せっかく築いた格安チョコの販路である駄菓子屋が廃れ始めたのである。また一方で、バブル経済の隆盛を機に消費者のライフスタイルが一変し、それに歩調を合わせるようにコンビニが躍進する。

91(平成3)年、3目社長に就任した松尾利彦はこの流通の変化に目をつけ、コンビニへと販売チャネルのシフトを試みる。とはいえ、商品の絞り込みにうるさいコンビニのこと、おいそれと話に乗ってくるわけではない。

「1個10円の商品価格で売り込んだのですが、そんな低単価のものをコンビニが扱った前例はありませんでしたから。小さいので万引きされやすい、バーコードが添付されていないので扱いにくいなど、いろいろ言われました」

セブン-イレブンの東京本部と交渉したもののあえなく決裂。しかし、北海道駐在のチロルチョコの営業部員が懇意にしていた問屋を通じ、セブン-イレブンの地区本部と話がまとまった結果、北海道でのテスト販売が始まった。

これが予想以上にうまく行く。コンビニで買うのは子どもではなく大人、しかも女性客より男性客が多い。"企業戦士"といわれて24時間激務に明け暮れるビジネスマン。そんな彼らがコンビニに立ち寄った際「ちょっと口休めに」と買っていく。

この北海道での売れ行きを見て、東京のセブン-イレブンも販売を決めた。また、それを契機にバーコードへの対応にも着手する。

バーコード対策でチョコのサイズアップ

「当初、商品の読取りは、下敷きのようなものに印刷したバーコードをレジに置いて対応してもらいました。コンビニのレジでおでんを販売するときのあの方式です。東京で売り始めたときも、 最初はこの方式だったのですが、やがてコンビニの商品として定着してきたので、じゃあ、バーコードを入れようということになり、チョコのサイズをアップさせました」

それまでのチロルチョコのサイズは約2.5cm角。価格は10円。それをバーコードが付けられるように約3cm角まで大きくし、価格を20円に設定した。

コンビニは消費者ニーズに敏感だ。ゆえにあまたのメーカーが商品を持ち込むが、おいそれとは受け入れてくれない。しかも市場性が乏しいと判断されると、容赦なくはねのけられてしまう。そんな厳しいハードルに挑むのだが、首位セブン-イレブンの門戸を開らくとあとは速い。チロルチョコの営業部員がファミリーマートやローソンなどにアプローチし、相次いで導入にこぎつけていった。そればかりか商品のおもしろさも手伝って、チロルチョコはやがてコンビニの有力商材へと育っていった。

松尾利彦プロフィール

1952年生まれ。75年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同年アメリカ留学。77年松尾製菓株式会社入社。80年にヤマサキナビスコ株式会社に出向。85年松尾製菓の常務取締役就任。従来の駄菓子店を中心とした販売ルートからコンビニエンス店を中心とした一般販売ルートへの転換を図り「大人も楽しめるチロルチョコ」を目指す。91年代表取締役に就任。2004年、企画・販売部門を独立させチロルチョコ株式会社を設立。松尾製菓株式会社と兼任で代表取締役に就任。好きな言葉は "夢は叶う"。

企業データ

チロルチョコ株式会社

〒101-0054
東京都千代田区神田錦町3−23
TEL:03-3292-7170
事業概要:チョコレート販売(製造は松尾製菓株式会社)
設立:2004年4月
資本金:5000万円
売上高:109億円(2009年3月)
従業者数:50人


掲載日:2010年1月12日


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