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闘いつづける経営者たち


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01.息づく「伊右衛門」ブランド

社長は200年企業の当番

日本茶を製造販売し、創業200年を超える福寿園の福井正憲社長は自らを「当番」と称す。8代目である福井社長は、8番目の当番として次の世代に会社を引き継ぐ役目を強調しているのだ。ただ、その言葉は「伝統は守るものではなく、育てるもの」という信念に基づく責任感から発せられている。6代目社長である父の急逝、その後に7代目社長となる兄との会社経営、そして8代目となり手がけたサントリーとの連携など、経営者としての道のりは決して平たんではなかった。

サントリーとの連携話題に

サントリーと共同開発したペットボトル入り緑茶飲料「伊右衛門」

サントリーと共同開発したペットボトル入り緑茶飲料「伊右衛門」

「京都、福寿園のお茶」-。サントリーが2004年3月に発売したペットボトル入り緑茶飲料「伊右衛門」のテレビコマーシャルで、福寿園の名は日本全国の幅広い年齢層に浸透し、存在感は一段と高まった。日本茶飲料を強化したかったサントリーと、福寿園が共同開発したヒット商品で根強い人気を誇る。この「伊右衛門」という名称の由来は、創業者である福井伊右衛門からきている。長い伝統と歴史に裏打ちされた味や品質を、「伊右衛門」という名で体を表している。

だが、福井社長はサントリー側から商品名を「伊右衛門」にしたいという提案を受けたとき、葛藤(かっとう)があった。「創業者の名を使うのは最後の手段。名称で一番悩んだ」と振り返る。「身も心も売り渡すことになるのではないか」と深く考えた。そして気が付いた。「福寿園はその時代その時代で価値ある企業できた。先々代の父や先代の兄も次の世代のために何か種をまいてくれている。それだったら私も...」。

福井社長は「伝統は革新の連続」という発想で、サントリーと新商品の開発に取り組んでいた。味や香りを引き出す技術を研究し、茶葉で淹れたお茶に近い味をペットボトル入り緑茶で成し遂げた。「これまでのペットボトル茶商品と比べケタ違いに良かった」と自信作に仕上げた。「これなら創業者にも文句は言われないだろう」。ヒット商品が誕生するまでには、福井社長の並々ならぬ思いと努力があった。

父の急逝で兄と会社経営へ

お茶畑。福寿園創業の地は当時から宇治茶の一大集散地

お茶畑。福寿園創業の地は当時から宇治茶の一大集散地

福寿園の創業は1790年の寛政2年。創業の地は当時から宇治茶の一大集散地で、1867年に神戸港が開港すると産地問屋としてお茶を輸出し、明治末期ごろからは国内販売に力を入れ、戦後は直売店や百貨店への出店を進めた。ところが1964年12月に福井社長の父で6代目社長の福井正巳氏が急逝する。当時は7代目社長となる福井正典会長が32歳で、福井社長は28歳の若さ。周囲からは「商売を縮小したらどうかと言われた」。福井社長にとって最初の試練だった。

福井 正憲 プロフィール

1958年に福寿園入社。64年専務、79年副社長、90年社長。

企業データ

株式会社福寿園

〒619-0295
京都府木津川市山城町上狛東作り道11
TEL:0774-86-3901
事業概要:日本茶の製造販売
創業:1790年(寛政2年)
設立:1949年(昭和24年)
資本金:8600万円(平成22年11月30日現在)
売上高:130億円(10年2月期)
従業員数:700人(平成22年11月30日現在)


掲載日:2010年12月13日


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