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闘いつづける経営者たち


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01.新車依存からの脱皮を急ぐ

防災キットがロングセラー

ロングセラーの防災キット

ロングセラーの防災キット

輸入車販売最大手のヤナセには、10年近く安定した販売を続けるロングセラーがある。といってもそれは輸入車ではなく、オリジナルの「防災キット」だ。保存食や救急セット、携帯ラジオなどをパックにしたもので、価格は3万5000円。「車のトランクに積んでおけば、家屋が倒壊した時の備えになる」といった提案をしており、東日本大震災後も注目を浴びた。

バリューチェーン―。ヤナセ幹部がよく口にするフレーズだ。新車販売を起点に、アクセサリー販売、整備や点検サービス、中古車販売など周辺事業まで連鎖的に収益を生み出す仕組みを指す。西山俊太郎社長は「顧客一人からの生涯収益をいかに最大化するかという発想」と説明する。人気の防災キットもこの戦略の延長線上にある。

バリューチェーンは道半ば

ベンツCクラスと西山社長

ベンツCクラスと西山社長

ヤナセがバリューチェーン戦略を本格化したのは2002年頃。各外国車ブランドの輸入権を返上して輸入・卸業から撤退し、小売り専業に転換したことが直接的な契機となった。その後、03年には日本最大級の輸入中古車販売拠点を横浜に開設するなど取り組みを積極化し、新車販売に依存する収益モデルからの脱却を着実に進めてきた。

しかし08年のリーマン・ショックで経営環境は一変。09年の国内輸入車新規登録台数は前年比18.6%減の16万7889台と15年振りに20万台を割り込んだ。ヤナセの09年9月期の新車販売台数も前期比32.6%減の2万2228台と落ち込み、同期の営業利益は同23.1%減の40億円まで減少した。ヤナセ関係者は「バリューチェーン戦略は、道半ばだった」と振り返る。

1万人×1万円=1億円

10年9月期は営業利益が同35.6%増の54億円になるなど業績は回復傾向だが、節約・倹約、実質本意を特徴とする今の消費スタイルは輸入車市場にも波及しつつあり、「同じ車に長く乗るオーナーが増えた」(西山社長)という。「時代が大きく変わり、3月の大震災が追い打ちをかけた。オイルショックなどかつての不況とは違い、今回は元のようには戻らないだろう」と予測する。

複数の輸入車ブランドを持ち、販売網を全国に広げるヤナセは特異な企業で、正面からぶつかる企業は皆無。しかし直営の中古車販売事業に力を入れ始める外国車メーカーが出始めているほか、アフターサービスでは各地域の有力整備工場の存在も無視できない。

「『1万人×1万円=1億円』という考え方が重要になる。周辺事業をしっかり成長させ、着実に収益を積み重ねていける体制を構築しなければ」と西山社長は強調。バリューチェーンの再構築を急ぐ。

西山 俊太郎 プロフィール

68年法政大学経営学部を卒業し同年株式会社梁瀬(現ヤナセ)に入社。世田谷営業所長、ヤナセ中国やヤナセ埼玉の専務を歴任するなど、一貫して自動車販売部門を歩む。01年12月にヤナセの取締役に就任し04年に専務、05年に副社長、07年10月に社長に就任した。酒は飲まず、趣味はゴルフと歴史小説を読むこと。東京都出身、66歳。

企業データ

株式会社ヤナセ

〒105-8575
東京都港区芝浦一丁目6-38
事業概要:輸入車販売、関連アクセサリー販売、整備サービス
設立:1920年1月27日
資本金:69億7587万2000円
従業者数:3488人


掲載日:2011年8月 4日


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