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闘いつづける経営者たち


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04.ネットの宅配専門店街構想

M&Aで宅配業種を拡大

9月15日には東京都千代田区で文具・オフィス用品の即日配達もスタートした

9月15日には東京都千代田区で文具・オフィス用品の即日配達もスタートした

全国展開と並行して佐藤社長が抱く構想は「ネットに(宅配する)専門店街を作ること」だ。商圏半径1.2キロメートルに1店を設置した、酒類の宅配プラットフォームの完成は同社にとって一通過点にしかすぎない。

佐藤社長は「今後、カクヤスがネットスーパーや生協になることはない」と強調する。しかし現在、カクヤスでは酒類と親和性が高く、宅配ニーズがあるカテゴリーの拡大を急いでいる。ここ数年で生花やオフィス文具用品、さらには業務用食材の宅配企業と相次いでM&Aを繰り広げてきた。

例えば、酒類を納品する外食店と生花の親和性は高いし、外食店に酒類や生花と一緒に食材も供給できる。またオフィス文具用品は一般家庭を含め企業なら必ず使用する。業種を広げても、「いつでも」、「どこでも」、「どれだけでも」というコンセプトは変わらず、それを実現するため、企業と個人宅配のミックスというビジネスモデルから外れない。

無限の可能性秘める自社宅配

オフィス・デポのWEBサイト画面

オフィス・デポのWEBサイト画面

佐藤社長は「(自社物流を持つ)宅配企業で、競合する商品を扱う企業はない」という。また「なぜ、通販会社は宅配を自らやらず、物流会社に任せるのか不思議だ」とも付け加える。それは自社の物流により顧客との接点を持つことで、マーケティングができ、商品政策にも反映できるからだという。

カクヤスのビジネスモデルなら物販だけにとどまらず、サービス事業への参入さえできる。酒類で築いた自社物流と情報のプラットフォームは無限の可能性を秘めているといえる。

そして、9月15日、いよいよ「宅配の専門店構想」が本格的に動きだした。2010年12月にM&Aにより傘下に入れた文具・オフィス用品のオフィス・デポ・ジャパンに、カクヤスの心臓部ともいえる自社宅配のビジネスモデルを移植したのだ。

現在の文具・オフィス用品通販のほとんどが、早くて午前中までの注文で、午後、夕方あたりに届けるというのが一般的。それは配達の部分、宅配を専門の業者に丸投げをしているからだといわれている。

文具、オフィス用品も都内で即時宅配

しかし、オフィス・デポは千代田区の一部地域とはいえ、午前8時半から午後6時半までならば、注文を受け即時に配達するという仕組みを導入した。千代田区神田小川町に配送拠点を設置し、半径1キロメートル以内の地域ならば即時配達を実施する。ついに、カクヤスが作り上げてきたビジネスモデルが応用される格好だ。今後は都内に複数の拠点を設けサービスのレベルを上げていく。

「すでに、酒類と相性の良い生花小売業や外食店向けの食材宅配業などを傘下に入れている。また、文具・オフィス用品通販のオフィス・デポ・ジャパンもある。昔ながらの酒屋とか、花屋とか、なんとか屋とか、システム化して面展開できる業種はたくさんあると思う。例えば、これから(節電で)灯油の宅配などもニーズがあるのではないか。まだまだ(宅配は)研究の余地がある」

かつてご用聞きなど玄関先には一定の市場が存在した。その玄関先市場を物流とシステムで再構築し、新たな魂を入れた同社のビジネスモデルはこれから目が離せない。

佐藤 順一 プロフィール

81年筑波大経済学部卒業後、家業で酒類卸が中心だった合資会社カクヤス本店(現カクヤス)に入社。93年に3代目の社長に就任。2000年に店名を「大安」から「カクヤス」に変更。2002年には商号を株式会社カクヤスに変更し事業名も「なんでも酒やカクヤス」に統一、酒のディスカウント店から宅配中心の業態に大転換を果たした。東京都出身、52歳。

企業データ

株式会社カクヤス

〒114-0003
東京都北区豊島2の3の1
事業概要:酒類・食品等の業務用および家庭用販売。飲食店向け通信販売等
設立:1921年11月1日
資本金:2億7889万5000円
従業員数:1039人(2011年3月末現在)


掲載日:2011年9月29日


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