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闘いつづける経営者たち


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01.小規模工法でロシアに挑戦

小回りの利くグローバル展開

稼働を始めたロシア工場

稼働を始めたロシア工場

自動車メーカーの海外生産拡充に伴い、海外拠点の新設や増設を進める横浜ゴム。2011年12月にはロシアで日系タイヤメーカー初となる乗用車タイヤの工場を建設し、稼働を始めた。「(生産拠点は)小さく産んで大きく育てる戦略」(野地彦旬社長)だ。自動車用タイヤの世界シェア7位、国内では3位。ただ日本のブリヂストン、仏ミシュラン、米グッドイヤーの大手3社が突出している。2番手グループの中で、小規模工法という独自の生産手法を武器に小回りの利くグローバル展開を進め、存在感を発揮している。

ロシア工場は、冬用タイヤと呼ばれるスタッドレスタイヤの市販向けが中心だ。新会社は浜ゴムが80%、伊藤忠商事が20%を出資した。新工場の生産能力は通常のタイヤ工場が日量約1万5000本に対し、同4000本程度と小規模だ。

ロシアにおける横浜ゴムの販売代理店

ロシアにおける横浜ゴムの販売代理店

横浜ゴムが開発した小規模工法の採用が、海外進出の鍵を握る。同工法はタイヤ製造ライン全体を大幅にコンパクト化しながら、品質は日本製と同等レベルを実現できる。つまり大規模工場よりも投資負担を減らせ、需要に応じた柔軟な生産投資ができるわけだ。しかも単独進出ではなく、地の利のある商社と合弁で進出することでリスクも最小限に抑えた。

「ロシアにおける輸入タイヤの販売シェアでトップだ」。野地社長はこう胸を張る。「ヨコハマブランド」の認知度は高く、販売本数は年250万本に上る。もともとロシアでは横浜ゴムの販売店を通じてタイヤを販売していたが、現地生産に踏み切ったのも一定の出荷量が見込めると判断したから。野地社長は「今後年300万本は売れるだろう」と強気だ。

リスクに柔軟に対応

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だが、課題もある。工場が稼働した後のオペレーションだ。工場のマネジャーにはロシア人を配置したのをはじめ、現地で採用した人材を積極活用する。日本で技術指導も行っている。海外展開が加速する中でグローバル人材の育成は急務だ。だが、ロシアは中国やアジア諸国とは勝手違い、一抹の不安もよぎる。野地社長は「ロシア人の従業員が、いかに力を発揮してくれるようになるか。これがリスク要因だ」と明かす。

一般的にロシアで事業を行うのは簡単なことではない。その理由として言葉の問題やパートナーの選定、許認可の手続きなど多々あるが、仕事に対する感覚が日本人と大きく異なるとの点も指摘される。国民性の違いがあり、仕事よりも生活を優先する傾向が強いとされる。野地社長は「オペレーションがうまくいかなければ、ロシア事業を早期に見直す可能性もゼロではない」と慎重な姿勢で新事業に臨んでいる。

ロシアは豊富な資源に裏打ちされた経済と、人口1億4000万人という有望な市場。タイヤ業界ではロシアへの進出機運が高まっているが、未知な部分も多い。そうした中で、他社に先駆けてチャレンジする横浜ゴム。競合他社は、その動向を見極めようと熱い視線を送っている。

野地彦旬 プロフィール(のじ・ひこみつ)

1958年10月30日生まれ。神奈川県出身。82年3月早稲田大学理工学部卒業。82年4月横浜ゴムに入社。タイヤの設計から生産、工場運営までメーカーの根幹となるモノづくり全般に携わる。三島工場工場長やヨコハマタイヤフィリピン社長を経て10年6月に取締役常務執行役員タイヤ管掌兼タイヤグローバル生産本部長となり、11年6月に社長に就任した。ゴルフだけでなく水泳、乗馬、スキューバーダイビングまでこなすスポーツマン。

企業データ

横浜ゴム株式会社

東京都港区新橋5丁目36番11号
事業概要:タイヤの製造販売
創立:大正6年(1917年)10月13日
資本金:389億9百万円(2011年3月末現在)
売上高:5,197億4千2百万円(2011年3月期・連結)


掲載日:2012年2月23日


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