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闘いつづける経営者たち


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04.照準は次世代発電技術の実用化

中国に新工場を建設

浜松ホトニクスは2013年10月をめどに中国・北京市に新工場を建設する。投資額は約10億円。光電子増倍管と関連製品の生産能力を、年商ベースで約2倍にあたる60億円分に引き上げる。晝馬明社長は「当面は中国に注力し、将来は東南アジア各国にも拡販したい」と新興国の旺盛な需要を取り込む。技術開発の将来へ向けた取り組みでは、トヨタ自動車や大阪大学と協力し、次世代の発電技術「レーザー核融合」の実用化も目指している。

北京浜松光子技術(中国・北京市)

北京浜松光子技術(中国・北京市)

増産するのは中国国内の分析機器や医療機器メーカー向け。浜ホトは11年7月に中国に販売子会社を設立した。生産拠点も増強して拡販に対応する。光電子増倍管を製造する子会社の北京浜松光子技術(北京市)の工場敷地内に新工場棟を建設する。規模の詳細は検討中だが、床面積6200平方メートルの現工場とほぼ同規模になる見通し。新工場建設に伴い、従業員も600人から100人増やして700人体制にする。

中国では放射線検査装置などに使う光電子増倍管や、放射線を光に変換するシンチレーターの需要が拡大。同社は販売会社を通じて、医療機器メーカーを中心に現地で顧客開拓を進めている。同子会社の売上高は16年9月期に12年9月期見込み比約70%増の100億円にする計画だ。

また、中級品の光電子増倍管についてはコスト競争力強化のため、現在は国内工場で生産している機種の一部を中国工場に移管することも検討する。今後は中国国内の需要に合わせた低価格製品の開発も同工場で行う計画。このため、現地の開発体制も整備する方針だ。

海外展開を進めると海外の現地メーカーなどに類似製品を安く大量生産される危険性が懸念されるが、晝馬社長は「これまでに蓄積してきたノウハウと技術が簡単に真似されることはないだろう。特に光電子増倍管は(光電膜の生成など)技術的に難しい点が多く、安定した品質の製品を量産できるメーカーは当社以外には見当たらない」とする。

次世代発電技術「レーザー核融合」の実用化を目指す

浜松ホトニクスの産業開発研究所(浜松市西区)に設置されたレーザー核融合の実験設備

浜松ホトニクスの産業開発研究所(浜松市西区)に設置されたレーザー核融合の実験設備

将来に向けた技術開発としてはレーザー核融合にも取り組んでいる。光を増幅させて作り出した強力なレーザー光による核融合反応を用いた次世代発電技術だ。原子力発電所と違い核分裂反応が起きないため、臨界状態になって暴走する危険がないという。レーザーを止めれば核融合反応もすぐに止まるため、地震などに対する安全性も高いとされる。東日本大震災に伴う原子力発電所事故を受けて、注目が高まっている技術だ。

米国政府も09年に約4000億円を投じて、レーザー核融合を研究する施設「国立点火施設(NIF)」を建設するなど実用化を目指している。開発には20-30年かかるとされる未来の技術だが、晝馬社長は「開発の過程で得られるレーザー技術を本業に生かしながら開発を継続し、実用化を目指す」考えだ。まさに人類の未知なる領域への挑戦であり、技術開発企業として鼎の軽重が問われている。

晝馬 明 プロフィール(ひるま・あきら)

1956年11月10日生まれ、静岡県出身。81年(昭56)米ラトガース大学コンピューター・サイエンス専攻を卒業し、84年に浜松ホトニクスに入社。同年米国ハママツ・システムズ・インクに出向した。学生時代も含め約30年は米国暮らしで、カナダ人の妻と愛娘が米国に住む。浜松ホトニクスの事実上の創業者である輝夫前会長兼社長(現会長)の長男。輝夫氏の健康悪化を受けて、10年に「浜ホトらしさの継承に最適」という理由で取締役会の満場一致で社長就任が決まった。中国の需要開拓など海外展開の加速に手腕を発揮している。

企業データ

浜松ホトニクス株式会社

静岡県浜松市中区砂山町325の6
053-452-2141
事業概要:光電子増倍管、光半導体素子、光源、イメージ機器、画像処理装置、計測装置の製造・販売
設立:1953年(昭和28年)9月29日)
資本金:349億2800万円
売上高:1018億5800万円(2011年9月期)


掲載日:2012年4月 5日


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