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闘いつづける経営者たち


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03.グローバル戦略を推進

アジアを狙え

今年5月、シンガポールにアジア大洋州統括会社を設立した。現地法人を格上げして、東南アジアの周辺諸国やインド、オセアニア地区を統括する。決済権など権限を本社から大幅に委譲した。同地域での事業展開のスピードアップと、グローバル調達の拡大が狙いだ。08年の米州統括会社の設立、09年のアジア総支配人の配置に続くグローバル戦略の一環である。  IHIはアジアを成長の中心に据えている。斎藤社長は「器はできた。実績を上げるのがこれからのフェーズ」と力を込める。人材の現地化も進めている。現地の日系の従業員をはじめ、ローカル人員の採用も増やしていく。中国やアジアの各拠点とともに、アジア大洋州統括会社も増員。現状約10人の人員体制を数年後にも3倍の30-40人に増やす考えだ。「実績が伴ってくれば増員を考えていく。アジア拠点は急速に立ち上げたい」(斎藤社長)という意識の現れでもある。

海外比率を6割超に

IHIの海外売上高比率推移

IHIの海外売上高比率推移

現在の中期経営計画でも海外連結子会社の売上高を「09年度比50%増」と掲げている。いかに海外を伸ばすかが、全体を伸ばす上での重要課題だ。斎藤社長も「海外売上が50%増では正直に言って満足できない。もっと伸ばしたい。現在の売上高に占める海外比率は4割強。今後の増加分のほとんどが海外市場で、海外比率は6割まで増えるのではないか」と予測する。  そのためにも市場のニーズを捉えて、いち早く製品化するかが大きなポイントだ。全体でもそう多くない“地産地消”の比率をいかに高めていくかが求められている。

新事業として位置づけるリチウムイオン電池事業

新事業として位置づけるリチウムイオン電池事業

また、拡大戦略で言えば提携戦略や企業の合併・買収(M&A)も有効策の一つと位置づける。例えば、新事業として米A123システムズと提携してリチウムイオン電池の提供や、インフルエンザワクチン原薬の製造など将来への布石も打っている。計測機器を手がける明星電気も買収した。電気関係の技術を拡充して、自社の衛星事業とのシナジー効果を発揮する構えだ。新たにM&Aを推進するための戦略投資枠も設けて、検討を進めている。

不足部分をカバー

新事業としてバイオマス発電事業にも参入した。米国発電大手のエクセロン(イリノイ州)が持つカリフォルニア州内5カ所の発電所の株式の半数を取得。バイオマス発電は環境規制対策や米国内での再生可能エネルギーによる一部電力の発電義務付けなどを背景に拡大が期待されている。買収効果で2015年度に発電事業関連で30億-40億円の売り上げを見込む。斎藤社長はM&A戦略について、「M&Aは当社の不足部分をうまく補える案件を探す。さらに既存事業の上乗せ効果も狙いたい。今持っている製品がM&Aを通じて高度化して、売上高が伸び、収益も伸びていく」。描くのは単なる足し算でない成長シナリオだ。

斎藤保 プロフィール(さいとう・たもつ)

1975年(昭50)、東大工学部航空学科卒。学生時代に本当に空を飛ぶ航空エンジンを設計した。同年石川島播磨重工業(現IHI)入社し、初任地の瑞穂工場(東京都瑞穂町)ではエンジンの設計や組み立て、運用を担当。その後、相馬工場(福島県相馬市)の立ち上げを現場レベルで取りまとめるなど、航空・宇宙部門を長く歩み、IHIのモノづくりを知り尽くす。航空宇宙事業本部長時代はエンジン事業の収益性拡大をけん引した。06年執行役員、08年取締役、09年常務執行役員、11年副社長。山形県出身。趣味は読書と史跡巡り、奥の細道を7年かけて歩いた。

企業データ

株式会社IHI

東京都江東区豊洲三丁目1-1 豊洲IHIビル
03-6204-7800
事業概要:資源・エネルギー、造船、社会基盤、機械、航空・宇宙事業など
設立:1889年(明22)
資本金:957億円
売上高:5,592億円(平成24年3月期)


掲載日:2012年10月29日


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