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闘いつづける経営者たち


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03.アライアンス組み事業拡大

凸版印刷の主要事業は出版や広告物の印刷、証券・カード関連の製造であることに変わりはない。だが、グループ全体の売上高でみると、すでに包装材や高機能材、エレクトロニクス部材関連が全体の4割以上を占めている。
 幅広い事業領域を網羅できる背景には、凸版が持つ技術力がある。金子眞吾社長は「それぞれの分野でアライアンスを組み、ビジネスを展開したい」という。

瞬発力が勝負、生産能力を即増強

太陽電池バックシートの生産拠点となる深谷工場

太陽電池バックシートの生産拠点となる深谷工場

2009年には機能性フィルムの生産拠点として深谷工場(埼玉県深谷市)を完成した。米国のデュポンから供給される原料をもとに太陽電池のバックシートを一貫生産する。「瞬発力がないと事業環境の変化に対応しきれない。ラインの改造などを通じて対策を講じる」(岩瀬浩取締役)方針だ。翌10年には、早くも同工場を拡張、生産能力を2.5倍の年5ギガワットに増やし需要増に応えている。「フル生産とまではいかないが、かなり見通しは立っている。再生可能エネルギーの全量買い取り制度も追い風。ここ数年でパネルの需要はかなり伸びるだろう。価格競争力を強化しながら封止材とのセット販売などで需要を取り込みたい」と金子社長の期待は高まる。

狙うのは太陽光電池だけではない。ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)など、環境対応車の普及に合わせて、蓄電に使われるリチウムイオン二次電池の市場が拡大するとみられている。凸版では、2011年にリチウムイオン電池外装材の製造・販売を手がける「T&Tエナテクノ」を東洋製缶と共同出資で設立した。

T&Tエナテクノはハードパックの早期量産を目指す

T&Tエナテクノはハードパックの早期量産を目指す

アルミニウム製フィルムで電池を密閉するソフトパックをはじめ、ハードパック、保護ケースなど構成部材を一括して扱う企業は珍しい。ソフトパックは大日印が世界でトップクラスのシェアを握っている。ただ、凸版は製缶の技術を持っていない。このため「東洋製缶に協力をお願いした。ソフトパックから始め、来春にはハードパックも量産化したい。ハードパックはまだプレーヤーが少ない。さまざまな試作品を提供し、評価をいただきたい」(金子社長)と背景を明かす。
 すでに金属缶で覆う「ハードパック」では、薄肉化、軽量化し、産業用途や車載用途などへの適合に向けての開発が着々と進んでいる。今後は日系自動車メーカーなどに提案を図っていく方針で、協業を通じて巻き返しを狙う。

公家の“無色透明”を生かす

今年1月には、三井不動産などが2009年に立ち上げた「スマートシティプロジェクト」に参画した。北九州市や千葉県柏市でスマートシティーに関するビジネスに取り組んでいる。各社が持つ環境配慮型住宅や省エネルギー、蓄電池などの技術を結集したものだ。参加企業には電機、住宅メーカーなどが名を連ねる。
 凸版では、セキュリティーのソリューションや生活者のインターフェース(入出力装置)などの検証を計画する。ただ、こうした中に印刷会社が加わるのは、一見異例に思えてくる。

金子社長は「公家」と揶揄(やゆ)される自社の社風にからめ「確かに奥ゆかしい面があるかもしれない。しかし、会社として“無色透明”な部分はメリットにもなる」と強調する。実際に家電やIT、エネルギーなどの技術を集約したスマート社会では各社が持ち寄った技術の調整役が重要であり、そこに凸版の出番がある。「目指すのはエネルギー業界や住宅メーカー、システム会社、消費者を結ぶキープレーヤー」(金子社長)だ。この思いが実現された時、これまでの受注産業とは違う、新しい印刷会社としての顔を持ち得ることができるはずだ。

金子眞吾 プロフィール(かねこ・しんご)

1950年(昭25)生まれ。埼玉県出身。68年、中央大学法学部を卒業し凸版印刷に入社。2003年に取締役商印事業本部商印事業部長となり、06年には常務となり経営企画本部長および経営監査室 業務改革本部、さらに広報本部や法務本部なども担当する。08年には専務として業務システム本部や文化推進本部など全社の主要の部門を経験し、10年に社長に就任した。サッカーJリーグ・浦和レッズの熱烈なファン。休日は時間のある限りスタジアムに足を運び、真っ赤なユニフォームを着て声援を送る。

企業データ

凸版印刷株式会社

東京都台東区台東1丁目5番1号
03-3835-5111
事業概要:印刷、情報・ネットワーク系、生活環境系、エレクトロニクス系
設立:1900年(明23)
資本金:1049億円
連結売上高:1兆1,10億円(2012年3月期)


掲載日:2013年1月17日


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