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闘いつづける経営者たち


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01.湧き出るアイデアの源泉

“ニッポンのカクテル”お酒の割り材「ハイサワー」

“ニッポンのカクテル”を目指した酒類用割り材炭酸飲料「ハイサワー レモン」

“ニッポンのカクテル”を目指した酒類用割り材炭酸飲料「ハイサワー レモン」

焼酎などの酒類用割り材となる炭酸飲料「ハイサワー」を主力商品にする博水社(東京都目黒区)。同社の三代目社長として、2008年4月から経営の舵をとるのが田中秀子社長だ。
 博水社の前身は1928年創業の田中武雄商店で、ガラス瓶に入ったジュースなどの卸問屋だった。戦後に社名を「博水社」に改名、ラムネやサイダー、かき氷用シロップなどの製造を行っていた。
 日本が高度成経済成長期に入ると、外国資本の飲料メーカーの台頭により、博水社の売り上げは鈍化。厳しい状況の中で転機となったのが、田中社長の父で先代社長の田中専一氏(現会長)が1980年に発売した酒を割るための炭酸飲料「ハイサワー レモン」だった。
 焼酎と割ったときの口当たりの良さからクチコミで広がり、自社工場では製造が間に合わないようになったため、同年に大手飲料メーカーの製品を手がける受託製造会社にハイサワーの生産をアウトソーシングするまでになった。
 “ニッポンのカクテル”を目指したハイサワーは手頃な値段からサラリーマンの味方となり、全国の居酒屋に納入されるようになっていった。

新商品開発と認知度向上作戦

ハイサワー誕生30周年を記念して制作された宣伝車は配達車としても利用できる

ハイサワー誕生30周年を記念して制作された宣伝車は配達車としても利用できる

2008年、秀子氏は社長に就任すると、矢継ぎ早にさまざまな新商品開発に着手した。
 09年にはプリン体ゼロとカロリーオフを両立させたビール風ハイサワー「ハイサワー ホップ&レモン」を、11年には焼酎割材では初めてとなる、プリン体・糖類・カロリー・アルコールの4つの要素のすべてがゼロの「ハイサワー ハイッピーゼロ ビアテイスト」を発売。12年には白ワインの代表的な品種としてしられるシャルドネを使ったフルーティーなノンアルコールビール「ハイホップ シャルドネビアテイスト」と「同 レモンビアテイスト」を、さらに13年2月には、博水社初となる缶商品の「ハイサワー缶」(35ミリリットル)を投入した。
 もっとも、新商品は消費者に知られなければ存在していないのと同じになってしまう。そのため、田中社長は商品の認知度を上げるための手だても同時に打っている。
 ハイサワー誕生30周年を記念して10年には、ハイサワーの大型ペットボトルを載せた宣伝車を制作。東京・新橋や渋谷、秋葉原などの繁華街を走りぬけるイベントを現在でも行っている。同トラックにはハイサワーのペットボトルを約600本(ハイサワー缶の場合1800本)納入できるスペースを設けており配達車としても利用できるようにした。

昨年7月7日に開催された「ハイサワー de 女子会! in お台場」では、数々の割り方提案を行った

昨年7月7日に開催された「ハイサワー de 女子会! in お台場」では、数々の割り方提案を行った

また、メーン購買層の40-50代男性以外にもターゲット層を広げるために、12年7月7日には「ハイサワー de 女子会! in お台場」と題したイベントを開催。参加した20代の女性たちからは「バニラアイスをトッピングするなど、知らなかった割り方がたくさんある。自宅で試してみた」などの声が上がった。
 そのほか、NHKの朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」が放映されると、舞台が東京都大田区であることにちなんで、キリンビールとコラボレーションし大田区の蒲田限定でキリンビールのリキュール商品「ピーチツリー」を「ハイサワー うめ」で割った「梅ちゃんサワー」を地元飲食店で販売。
 また、13年8月からはワイン製造大手のメルシャン(東京都中野区)と共同で同社のワイン「フランジア」とハイサワーで割ってつくるカクテル「赤 de ハイ」「白 de ハイ」を居酒屋を中心に提案するなど、話題づくりに余念がない。

ラムネ工場がアイデアの源泉

旧自社工場にはいつもシロップのにおいが漂っていた。この現場が田中社長のアイデアの源泉となった

旧自社工場にはいつもシロップのにおいが漂っていた。この現場が田中社長のアイデアの源泉となった

次から次へと涌いてくるアイデアの源泉を探ると、田中社長が小さいころ過ごしていたラムネ工場での思い出があった。「工場に染みついているシロップのにおいを吸い、現会長や職人さんが味の調合をする現場を見て育ってきた。今も目に焼きついている」と、田中社長は懐かしそうに思い返す。
 新商品の発売や消費者への多角的な訴求が功を奏し、博水社の2010年11月期の売上高は前年度比13%増の13億4000万円、11年11月期は同0.7%増の13億5000万円となった。
 この結果は、田中社長が特別な機会に恵まれていたからではない。専門的な知識を持たないため、もがき続けた時期が田中社長にはあった。“闘い”は社長就任前から始まっていた。

田中秀子 プロフィール(たなか・ひでこ)

1960年(昭35)生まれ。東京都生まれ。山脇学園短期大学英文科を卒業後、80年に株式会社博水社に入社。東京農業大学に社会人入学し食品醸造について学んだほか、税理士予備校に入学し経理業務を学んだ。08年に代表取締役社長就任。13年2月には、博水社初となるアルコール入りの缶チューハイ「ハイサワー缶」(350ミリリットル)を投入するなど、数々の商品を発売する。2児の母。

企業データ

株式会社博水社

東京都目黒区目黒本町6-2-2
03-3712-4163
事業概要:割り材(清涼飲料水)と酒類の製造販売業
資本金:2000万円
売上高:12億2500万円(2012年11月期)


掲載日:2013年11月26日


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