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闘いつづける経営者たち


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03.社長就任直後の試練

2005年9月、渋谷梨絵さんの父が病没。その頃、家業の商品事業(食品メーカーからの加工受託)を手伝っていた実兄も父の跡を継いで市議に立候補することになり、その結果、社業は梨絵さんが継ぎシブヤの社長に就いた。

この頃には産地でのコメの買い付けも順調で、梨絵社長にも自信が芽生えていた。また、出向いた産地では田植えや稲刈りなどを手伝い、そうした農作業を介し、美味しいコメを生産する農家の水田は一歩足を踏み入れただけで土が違うことまで体感的にわかるようになった。
 そうした努力の結果、「新潟県加茂産特別栽培コシヒカリ、生産者〇〇、というような表示もつけられるようになりました」(梨絵社長)。そうなると一転、米生産者がコメを売り込んでくる。かつては拝んでも売ってもらえなかった産地の米。隔世の感を禁じ得ない現象だった。また、梨絵社長が取引を望む生産者を紹介してもらえるようになった。
 今では梨絵社長は、水田の作づけを自ら実見し、納得できなければ買い入れないと産地米の買い付けでは現場主義を徹底している。

産地に米を買い付けに行ったとき、梨絵社長は生産者の手伝いをする。その積み重ねにより、水田ごとに土が違うこともわかるようになった

産地に米を買い付けに行ったとき、梨絵社長は生産者の手伝いをする。その積み重ねにより、水田ごとに土が違うこともわかるようになった

2カ月間売れなかった雑穀米弁当

社長に就任した当時、シブヤは米穀の販売と並行して弁当の製造・販売も手がけていた。美味しいご飯(米穀)が特徴の弁当屋「和デリ」を経営し、船橋ららぽーとや銀座プランタンなどにも出店。弁当のメニューとして健康志向を訴求した雑穀米の弁当も売り出したが、これが案に相違してうまくいかず、思わぬ試練に直面した。
 「通常の経営では3カ月分の資金の余裕をもち、4カ月目以降の資金繰りを考えますが、今思えば恥ずかしいことに、雑穀米の弁当もやればすぐ売れると甘く見ていました。きっと慢心していたのでしょう。それを明かすかのように発売当初はまったく売れませんでした」
 ところが発売直後のみならず、1カ月経っても2カ月経っても売れない。そのため赤字だけがかさんでいく。もはや限界!テナント料の違約金を払って撤退しようかと悩んでいた頃、ようやく3カ月目にして船橋ららぽーとの中で働く人たちが買っていくようになった。そして、その人たちの美味しいという口コミがしだいに広がり、テナントでの弁当販売も平均した売上げが立つようになった。
 なお、その後はららぽーとのフードコートがなくなり、プランタンの地下食品売り場も廃止されたため、いずれのテナントの販売店も閉鎖し、現在は松戸市内の自営店舗だけでの営業にとどめている。

「雑穀米の弁当もやればすぐ売れると甘く見ていました」-健康志向を訴求して考案した新しい弁当は2カ月間まったく売れなかった

「雑穀米の弁当もやればすぐ売れると甘く見ていました」-健康志向を訴求して考案した新しい弁当は2カ月間まったく売れなかった

それに対して米穀の小売りは、伊勢丹松戸店で販売している上質のコメが評判を呼び、2011年に松屋銀座店から声がかかって出店した。
 もちろんファミリー層の多い伊勢丹松戸店のほうがグロスの売り上げは3倍も大きいが、客単価は松屋銀座店のほうが高く、アンテナショップとしての役割も大きい。松屋には1kg、2kg単位でほとんど毎日買い求める固定客もついている。
 2014年3月、松屋銀座店の地下が大改装される。それを機に冷蔵ショーケースを置くスペースも得られる見通しなので、コメだけの販売ではなく、秋田の漬け物「いぶりがっこ」など各地の特産品も併売しようと考えている。米・雑穀を主体に地方の逸品も紹介することで店舗の魅力を上げていく計画だ。


澁谷梨絵 プロフィール(しぶや・りえ)

1977年生まれ。関西学院大学を卒業後、2001年に大手IT企業に入社。SEとしての勤務を経て2002年に家業のコメ・雑穀卸・小売商に従事し、2006年にシブヤの代表取締役に就任。現在、伊勢丹松戸店、松屋銀座店に出店し、弁当の製造・販売「和デリ」の店舗も経営する。
 お米の3大資格である「5つ星お米マイスター」「雑穀エキスパート」「ごはんソムリエ」を取得する堅実な一方、大の“お笑い”好きで、学生時代にはお笑いイベントの手伝いや楽屋掃除も経験するほどお笑い芸の大ファンだ。

企業データ

株式会社シブヤ

千葉県松戸市小金原4-36-5
047-341-1211
事業概要:コメ・雑穀の卸・小売、弁当の製造・販売
資本金:1000万円
売上高:6億円


掲載日:2014年2月18日


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