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闘いつづける経営者たち


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03.独自のwebアンケートサイトで事業を伸ばす

組織化した1万人の主婦の声をベースにマーケティングとコンサルティングを企業に提供する。このハー・ストーリィのビジネスモデルを支える主婦組織の規模はしばらく1万人で推移する。しかも、夫の転勤に伴って主婦会員が常時入れ替わる状況でも1万人は下らなかった。
 そのため、やがて各都市に散った会員から同様の組織をつくりたいという声があがり、全国15カ所に支部が立ち上がる。現在ある金沢の「ウーマンスタイル」、大阪の「女ゴコロマーケティング研究所」などはそれが発展した姿だ。

組織が1万人になってほどなく、会員向けに月刊の会報紙を発行する。
 「会報紙をベースに組織はうまく運営できても、当時はまだメルマガなんかない時代です。2台のコピー機で印刷し、封筒に切手を貼って郵送しましたが、大変な労力とコスト負担でした」(日野佳恵子社長)

創業期から1990年代半ばまで1万人の会員に毎月配布された会報紙

創業期から1990年代半ばまで1万人の会員に毎月配布された会報紙

1990年代後半になると、パソコンがファミリーユースとして急速に普及し始める。新時代の到来を察知した日野社長は、会報紙の廃刊を決断してメールマガジンへ切り換えた。ただし、その頃パソコンを使う会員はわずか1割にすぎなかったため、メルマガを受信できない9割の会員は涙の中に打ち切るという決断だった。2001年1月に最後の会報紙を「さよなら号」として発行し、会員には「ネットでまた会いましょう」と告げた。
 ところがその直後、予期せぬ現象が起こる。広島市内の家電量販店のPC売場に主婦が殺到する。その影響力に驚いた家電量販店はハー・ストーリィにPC売場の企画を依頼し、「ママのためのパソコン教室」まで開設した。

1万人の声が売場に与える影響が企業から認知される

会報紙のネット化はコスト削減を狙った苦肉の策だったが、ハー・ストーリィの組織自体も2000年以降にネット化へ対応した。
 まず、2000年にwebサイトでの会員登録制に変え、2001年にはwebアンケートサイト「集まれご意見ネット」を立ち上げた(後に「暮らしの根っこ」へ改称)。このwebアンケートサイトは独特で、アンケート調査やグループインタビュー、サンプリングなどに応じた会員にそのつどポイントを付与し、アンケートサイトを利用するごとに会員のポイントが加算される。webアンケートサイトは1ポイントを1円とし、500円以上貯まると銀行で現金に換金できる仕組みにした。このビジネスモデルは2002年、ネットベンチャーとして情報革命に貢献したとして広島県から表彰された。

ネット社会の進展は急速だった。会員数は、会報紙をメルマガに切り換えたことによっていったん1000人まで急減するが、その後、急回復をみせる。残った会員1000人がトレンドリーダーだったことが速度をはやめた要因で、その人たちがあちこちの掲示板に書き込んだことから2003年には会員数が1万人に戻った。

創業10年余を経過し、1万人の会員組織がクライアントの商品や売場に少なからぬ影響を及ぼすことが広く認知されるようになると、広告代理店を通さず直取引する企業が増え、2002年にもなるとほとんどすべてがクライアントとの直接取引になった。いよいよハー・ストーリィのビジネスもさらなる高みを目指すとみられていた。

日野佳恵子 プロフィール(ひの・かえこ)

1962年生まれ。広告代理店勤務を経て1990年に広島市で有限会社ハー・ストーリィを創業。主婦をターゲットとしたマーケティング・コンサルティング事業を立ち上げ、2000年にwebサイトでの会員登録制を実施したことで会員数が急増し、同年、株式会社に組織変更する。会員組織は10万人規模に成長したが、その原動力となったwebアンケートサイトは売却し、現在はSNSに女性視点のコミュニティを複数設け、現在のネット社会に即応したビジネスモデルで女性の購買心理・行動を企業にコンサルティングする。

企業データ

株式会社ハー・ストーリィ

東京都港区六本木5-11-25 鳥居坂アネックス5F
事業概要:コンサルティング
資本金:7960万円
売上高:2億円


掲載日:2014年3月25日


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